11月3日（火）ヤマザキナビスコカップ 決勝 Ｆ東京 vs 川崎Ｆ（14:05KICK OFF/国立）
☆ラストゴーラーを予想して、豪華賞品を当てよう！投票は後半40分まで受付！
----------
☆川崎F側プレビューはこちら

下馬評で言えば、圧倒的に川崎F有利だ。Ｊ１の首位をひた走り、リーグ最多得点をたたき出している。加えてＦ東京はカボレがシーズン途中で移籍し、スコアラーの石川直宏は長期離脱中、さらには長友佑都も体調は万全ではない。それでも、選手も監督も「これまで積み上げてきた自分たちのサッカーをやるだけ」と口を揃えてきた。

この1週間、「何も隠すことはない」と普段どおりの練習を行ってきた。先発メンバー、時間帯によってのシステム変更もすべて公開してきた。最大限自分たちの手で勝利を手繰り寄せるための作業に没頭した。システムに変更はない。奇策もない。長友は間に合ったが、ベンチスタートが濃厚だ。
「最終的にやってきたことを続けるよりも、奇策を取るほうが少しでも勝利に近づくのならば、僕は何も迷いません。ただ、僕らはただ繋ぎたくてパスを繋ぐサッカーを目指してきたわけではないし、それが楽しいからリスキーなことをやってきたわけでもない。勝利に一番近いと信じているから選手たちと取り組み続けてきた。それを決勝の舞台で証明したい」（城福監督）

選手も監督と同じ気持ちだ。話を向ければ、それぞれが積み上げてきたサッカーへの自信を語っている。それだけ紆余曲折を経て自分たちが積み上げてきたという自負があるのだろう。
「僕は120％の力など信じない。だからこそ、100％の力を出し切るしかない」（城福監督）

指揮官の言うゲームの焦点はいかに100％を出し切ることだが、それも４万人を超える超満員の国立が舞台だ。緊張しないはずがない。ただ、その心配は必要ないかもしれない。今のチームは拍子抜けするほど、気負いがない。逆に何か憑き物がとれたように自然体だ。

今でもよく原博実前監督としたヤマザキナビスコカップ決勝の話を思い出す。
「あのときは青と赤でスタンドが綺麗だったね。でもよく見たら真っ赤だったな。もし、もう一度このクラブがあの舞台に立てたらそのときはどうなるんだろうね。楽しみだね」

明日がその日となった。発売から20分でチケットは完売した。舞台は超満員の国立、キックオフ時間は14時05分。選手たちは明日、原前監督の思い描いたはずのスタンドを見てピッチに入場するはずだ。
その国立で最高のサッカーを見せる。城福浩監督から決勝を前に語られた言葉は、サッカーの面白さを多くの人に知ってもらいたいという純粋なものだった。
「僕らは国立でファン、サポーターとチームが一体となって戦う姿を多くの方たちに見てもらいたい。これまでサッカーを知らない人たちにも、サッカーという世界的なスポーツの素晴らしさをこのファイナルで見せたい。ゲームのクオリティもさることながら、勝利にこだわるメンタリティと、観客が一体となった戦いの場を堪能してもらいたい。僕たちが胸を焦がしてきたサッカーを、多くの人たちに好きになってもらえる一躍をもしこの決勝戦で担えたのなら、いちサッカー人としてそれほど幸せなことはない。日本で屈指の強豪である川崎との決勝を多くの人に楽しんで欲しい」

以上


2009.11.02 Reported by 馬場康平