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【第89回天皇杯3回戦 清水 vs 札幌】レポート:両チームとも課題と手応えが明確になる中、永井の2ゴールでJ1の清水が4回戦進出(09.11.01)

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10月31日(土) 第89回天皇杯3回戦
清水 2 - 0 札幌 (13:00/アウスタ/5,101人)
得点者:0' 永井 雄一郎(清水)、20' 永井 雄一郎(清水)
天皇杯特集
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両チームとも、この試合におけるテーマという意味では、できた部分とできなかった部分が相半ば。それでも結果のほうはチームの地力が反映され、清水は4回戦に進むという最大のテーマを実現した。

この試合で、清水はスタメンを前節から5人変更。その中で、攻守にわたる課題の克服と、チームの底上げを図った。ただ、その成果が出る前に試合は動く。開始早々、左サイドで得たFKから藤本淳吾が素早くリスタートして、これに反応した山本真希がうまくDFの隙間をぬってシュート。これは惜しくも右ポストに当たったが、その跳ね返りを9月6日(ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦)以来の先発起用となった永井雄一郎が押しこみ、キックオフから約35秒で先制点を奪うことに成功した。
永井はこれが清水移籍後の公式戦初ゴール。自身にとって日本平での初ゴールでもあり、児玉新の第一子誕生を祝うゆりかごダンスもあって、チームは一気に盛り上がった。

その後も、清水は立ち上がりから活発な動きを見せ、ボールを奪われた後は素早いプレスで奪い返しにいき、それができなかった時はすぐに守備陣形をセットして自分たちの守り方をするという、清水らしい守備を展開。攻撃でも、初ゴールを決めて余裕ができた永井と岡崎慎司の2トップが落ち着いたボールキープを見せ、周囲の選手もそれをサポートして厚みのある攻撃を見せた。その中でもとくに目立ったのは山本真。攻守にわたって非常に精力的かつ幅広い動きを見せ、攻撃では前線のスペースにどんどん顔を出して、味方の選択肢を増やしていった。
それに対して札幌のほうは、いきなり先制されて浮き足立った面もあり、守備のときに2列目の4人のラインと4バックのラインの間隔が大きく開いてしまう場面が目立った。その間にいるのはボランチのダニルソンの1人だけなので、その両脇に大きなスペースができ、前からのプレスもかからなかったため、そこを山本真や藤本らに好きなように使われてしまった。
ただ、2点目はまったく別の形から。センターバックの岩下敬輔が右足首を痛めて交代し、18分に急きょ入ったマスクマン・児玉(尾骨骨折をガードするため)が、20分にディフェンスラインの背後にフィード。そこから絶妙な動きでオフサイドをかいくぐって裏に飛び出した永井が、GKの直前でコースを変えてゴール右に流し込み、初ゴールから20分後には2点目を決めた。

だが、清水が圧倒したのは、前半の終盤まで。前半の途中から札幌にも落ち着きが出始め、ボールをつないでサイドに起点を作ることができるようになり始めた。さらに後半に入ると、石崎信弘監督はハファエルをトップ下に入れ、宮澤裕樹をボランチに下げて、4-2-3-1の布陣に変更。バイタルエリアのスペースを埋めて、前半の問題を修正し、チーム全体に積極性も出てきたため、前からのプレスも厳しくなって、自分たちのサッカーができるようになっていった。
とくにポイントになったのは、サイドの高い位置でタメを作ることができるようになってきたこと。ボランチのダニルソンらがうまくサイドを変えながら、サイドハーフに対してサイドバックもよくサポートしてボールをキープしたため、清水の守備ブロックがじりじりと下がって、札幌が押しこむ時間が増えていった。
それに対して清水のほうは、なかなか良い形でボールを奪うことができず、奪った場合でも、その後のパスにミスが目立って、なかなか自分たちのリズムを作れない。このあたりの流れは、前回のリーグ戦30節・F東京戦( /jsgoal_archive/result/2009/1025/20090100010220091025_detail.html )と同様で、「良い形で守れれば良い攻撃ができるし、良い攻撃で終われれば良い守備から入れる。そのためにはボールの失い方が良くないので、しっかりシュートまでいって終わるという形を増やすことが大事」と市川大祐も指摘する。シュート数も、後半はわずか3本で、札幌(6本)の半分。ボールを奪った後、しっかりつないで自分たちの時間を作っていくということは、清水にとって今後も継続する課題となる。
ただ、押しこまれても最後のところではきっちりと守り、危ないシーンを最小限に抑えて90分を完封。2-0で札幌の挑戦を退け、清水は4回戦でまたJ2の甲府と当たることになった(11/14@とりスタ)。

両チームの課題と手応えは、両監督のコメントに表われている通り( /jsgoal_archive/game/2009/20099999999020091031.html )。清水としては、トライする姿勢は十分に見えたが、一気に課題が解決できたわけではない。しかし、永井の活躍や山本真の頑張りなど、個の面でも収穫はあった。
少なくとも間違いなく言えるのは、今回リーグ戦の合間にこの試合が入ったことは、清水にとって非常に大きかったということ。今後1週間の練習で、次の柏戦(11/8@柏)に向けてどれだけ自分たちのサッカーを高められるかに期待したい。

以上

2009.11.01 Reported by 前島芳雄
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