10月31日（土） 第89回天皇杯3回戦
Ｇ大阪 6 - 1 福岡大　（13:00／万博／3,459人）
得点者：21' 遠藤 保仁（Ｇ大阪）、33' ルーカス（Ｇ大阪）、49' 永井　謙佑（福岡大）、53' ルーカス（Ｇ大阪）、58' 加地 亮（Ｇ大阪）、64' ルーカス（Ｇ大阪）、87' 下平 匠（Ｇ大阪）
☆天皇杯特集
----------

立ち上がりから力の差は歴然だった。
「ガンバの質の高さもあり前半は若干、消極的に下がってしまったのが大きく響いた」とは福岡大・乾真寛監督の試合後コメントだが、立ち上がりから顕著だったG大阪のレベルの高さに圧倒されたのか消極的なプレーが目についた福岡大に対し、G大阪は落ち着いてポゼッションをとり、攻勢に試合を運んで行く。スタジアム全体を黙らせるかのような、圧巻の先制点は、G大阪MF遠藤保仁選手のFKによるもの。壁の右側を狙ったボールは、福岡大GK河田晃兵の手をかすめることなく、右ポストを叩いてゴールに吸い込まれる。決まった瞬間の、大して喜びを露にするでもない静かなパフォーマンスもまた、福岡大に対して『貫禄』を見せつけるものだった。
だからといって、前半は完全なるワンサイドゲームだった訳でもない。前半の25分にはG大阪のパスミスを拾ったFW永井謙佑がフリーでゴール前に抜け出すシーンを作り出すが、これはG大阪のDF中澤聡太が落ち着いて対応。更に29分にも右サイドのDF宮本卓也からのグラウンダーのクロスに、ファーサイドに詰めたMF末石隼也が合わせるも、ダイレクトで放ったシュートは左ポストを叩いてしまう。そうして2度のビッグチャンスをものにできない福岡大を尻目に、G大阪は33分、FWルーカスがFWペドロジュニオールとのワンツーから豪快にゴールをこじあけ、2-0にし、前半を折り返した。

後半はFWペドロジュニオールに代えてFWチョジェジンを送り込んだG大阪。立ち上がりこそややもたつきも感じたが、相変わらずポゼッションをとりつつ、攻勢に試合を進める。だが、夏の大学王者（総理大臣杯優勝）の意地を示すべく、福岡大も負けていない。35分にMF石津大介に代えてFW高橋祐太郎を投入しシステムを4−4−2に変更してからは、徐々にパスを繋げる時間も増えていたが、そうして繋いで前線にボールを運んだ展開の中、49分にはMF末吉のパスが一度はG大阪のGK藤ヶ谷陽介の手をかすめながらも右にこぼれ、それをエースFW永井がきっちりとゴールにおさめる。

大学生特有の勢いをというものを考えても、2−1の時間帯が長く続けば、G大阪ももう少し苦しんだかもしれないが、現実はそうはならなかった。というより力の差を思えばある意味、致し方ないだろう。G大阪はボランチのMF遠藤を中心に、得意のパスサッカーでボールを動かし福岡大を揺さぶりながら、53分。FWルーカスの追加点で口火を切ると、58分にはMFルーカスからのパスに右サイドから詰めたDF加地亮が今季初ゴール。更に64分にはゴール前中央でMF遠藤からの縦パスを受けたFWルーカスが『ハットトリック』を達成3点目を決めて5−1と一気に福岡大を引き離し、完全なワンサイドゲームとなる。
これは64分にDF山口智に代えてDF下平匠を、71分にMF佐々木勇人に代えてFW山崎雅人を投入し、ややポジションを動かしながらゲームを進めていく中でも変わらず。87分には途中出場のDF下平匠がプロ初ゴールとなる、左足での強烈な無回転のミドルシュートを決めて6−1とトドメを刺し、戦いを終える。この結果、4回戦に駒を進めたG大阪は、11月14日、広島を破って4回戦に進出したJ2の鳥栖と広島ビッグアーチで対戦することになった。

以上

2009.11.01 Reported by 高村美砂