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【第89回天皇杯3回戦 山雅 vs 岐阜】レポート:岐阜が勢いに乗る松本山雅を退け、秋田の地で勝ち名乗りを上げる!!(09.11.01)

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10月31日(土) 第89回天皇杯3回戦
山雅 1 - 4 岐阜 (13:00/秋田陸/560人)
得点者:22' 吉本 一謙(岐阜)、55' 佐藤 洸一(岐阜)、60' 小林 陽介(山雅)、81' 高木 和正(岐阜)、85' 西川 優大(岐阜)
天皇杯特集
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2回戦でJ1浦和を破る大金星を挙げ、さらに全国社会人サッカー選手権大会を制するなど、勢いに乗っている松本山雅が、J2リーグでここ7試合勝ち星から遠ざかっている岐阜と対戦。松本はエースの柿本倫明にボールを集め、甲府からやってきた若きアタッカー・木村勝太らが果敢に最終ライン突破を試みる。しかし、岐阜は【4-4-2】の形を崩さない松本に対し、うまくポゼッションをして、相手が食いついてくるのを待った。10分過ぎると、体調不良でスタメンから外れたMF菅和範の代わりにトップ下のポジションに入ったMF永芳卓磨が、バイタルエリアで質の高いプレーを見せ、岐阜のポゼッションのポイントを高くしていく。

岐阜の高い位置でのつなぎに、松本は徐々に2トップとMFラインの距離が広がり、2トップが孤立をしていくと、ボールを奪う位置が低くなり、奪ってもロングボールでしか攻撃を構築できない苦しい展開に陥った。そして22分、岐阜が先制点を奪う。右CKからDF吉本一謙がヘッドで合わせた。その後も岐阜が攻勢に出るが、アタッキングサードでのミスが多く、攻め込めど追加点を奪えない。逆に徹底したロングボール戦術に切り替えた松本が、時折見せる鋭いカウンターにひやりとする場面も。結局スコアはこれ以上動かず、1-0で折り返した。

後半、岐阜は「前半は相手の前でボールを繋いでばかりいた。特に左からの攻撃に偏っていたので、後半はもっと両サイドからのクロスや縦パスを使いながら、DFの裏に抜けていく選手を活かして行こうとした」とDF冨成慎司が語ったように、同サイドの狭いスペースで横パスばかりを繋いでいた前半の反省を活かし、両サイドの一方がワイドに開いて、サイドチェンジを織り交ぜるなど、ピッチを広く使ったサッカーを展開。松本の堅いブロックディフェンスを横に揺さぶりに掛け、出来たギャップにクロスや縦パスで攻撃のスイッチを入れる形を取った。しかし、松本もハーフタイムに修正を施し、MF大西康平と木村の両サイドハーフが高い位置に張り出して、中盤の間延びを解消にかかった。

先に修正策が結果に結びついたのは岐阜だった。56分、松本の両サイドハーフが上がったことで出来たサイドのスペースを見逃さなかった。中央でFW西川優大が粘って、MF橋本卓が拾うと、橋本から右の高木へ繋ぎ、高木から右サイドのスペースにオーバーラップしてきたDF冨成慎司へ。冨成の折り返しを、中央でフリーになったFW佐藤洸一がダイレクトで合わせ、岐阜が素晴らしい形で追加点を奪った。

すると松本も60分に左スローインから、FW小林陽介がDFを引き連れながらも一人で持ち込んで、角度の無い位置からGK野田恭平の股を抜く技ありゴールを決め、反撃の狼煙を上げる。これで勢いに乗った松本は、得点直後に高沢尚利と斎藤智閣のダブルボランチを同時に代え、MF中田健太郎とMF今井昌太を投入。左サイドハーフだった大西をボランチに、右サイドだった木村を左に、今井を左サイドハーフに配置。フレッシュな今井と、木村の両サイドアタックに加え、豊富な運動量を誇る大西が果敢に前線に絡んで、厚みのある攻撃で岐阜を圧倒する。だが、岐阜も体を張ったディフェンスで対抗すると、81分にはカウンターから、DF秋田英義の突破がPKを誘い、これを高木が決めて3点目。
「1点差になって、自分たちの時間帯になったのに、カウンターからPKは本当に痛かった。いい流れの中だったので、なんとか3点目は防いでほしかった。あれが悔やまれる」と吉澤英生監督が唇をかんだように、このゴールが松本の選手たちの反撃ムードに水を差し、同時にトドメとなった。
85分には「集中を欠いてしまった」(吉澤監督)形で、西川にダメ押しの4点目を奪われ、万事休す。岐阜が松本の勢いを止める形で、4−1と快勝し、ベスト16進出を決めた。

敗れはしたが、松本のサッカーは非常に狙いがはっきりしていて、見ていて面白かった。ただ、90分という時間の中の試合運びという点では、岐阜に一日の長があった。岐阜はJ2という長丁場のリーグ戦において、開幕から一貫したサッカーを展開していた。時には結果を生んだり、時には結果に繋がらなかったりしたが、彼らの戦いには一本の芯が通っていた。だからこそ、この試合でもその芯を外すこと無く、流れが悪い局面も乗りきって勝利に結び付けた。リーグ戦では7試合勝ちなしだが、やっているサッカーが悪化しているわけではなかった。ただ、勝利を得るまでのしたたかさが足りなかった。格下のカテゴリーのチームが相手とはいえ、こうしたしたたかさをこの試合で出せたことが、大きな収穫だった。この得た貴重な収穫を無駄にしないためにも、次なるリーグ戦で結果を残し、J1チームに挑みたい。

以上

2009.11.01 Reported by 安藤隆人
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