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【第89回天皇杯3回戦 山形 vs 明治大】プレビュー:悲願の打倒J1を狙う明治大。山形はリーグ戦の勢いそのままに迎え撃つ!(09.10.30)

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10月31日(土)第89回天皇杯3回戦 山形 vs 明治大(13:00KICK OFF/NDスタ)
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天皇杯において、モンテディオ山形が明治大と対戦するのはこれが2度目となる。前回は11年遡った第78回大会の2回戦。翌年にはJ2参入を控えていた当時JFLの山形との対戦とあって、明治大は「プロなんか関係ない。絶対に勝つ」と息巻いてこの一戦に臨んだ。しかし、勝利したのは1−0で山形。「モンテディオを倒したかった。それが大学最後の試合だったこともあって、すっごい悔しくて泣きました」という明治大のキャプテンは現在、山形の7番をつけ、チームキャプテンとして活躍している。当時の明治大・神川明彦コーチは、現在は監督としてチームを率いているが、先週は日立台に山形のリーグ戦の視察に訪れ、決勝ゴールを挙げる教え子の姿を目に焼き付けている。試合後には、その教え子の携帯電話に連絡を入れた。「『思いっきり、明治らしくぶつかるのでよろしく!』って、すごい元気な声でしたよ」と、電話を受けた宮沢克行がその内容を明かした。

その明治大が9年ぶりに出場した第87回大会は、いまだ記憶に新しい。のちに山形の一員となるキャプテン・石井秀典や長友佑都(現FC東京)らを擁する布陣で、3回戦では当時のJ2京都を下すと、4回戦ではJ1清水と対戦。3−3と打ち合った末にPK戦で4−5と敗れている。今大会でも2回戦ですでにJ2湘南を倒しているが、明治大にとっては、2年前と同じ位置に立ったに過ぎない。「我々はそもそもJ1に勝とうということで、シーズン当初から立ち上げてやってきています。やるからには勝つつもりでやりたい」(神川監督)と、この一戦に向けた志気は高い。1回戦でグルージャ盛岡を破り進出したその2回戦では、メンバーを大幅に入れ替えた湘南に対し、立ち上がりから相手のパスを網にかけ、奪ったあとは落ち着いてつなぎボールを支配した。31分、ユニバーシアード代表・山田大記のドリブル突破とクロスから、三田啓貴がフィニッシュして先制。後半は4−4−2から3−4−3にシステムを切り換え、さらに田原豊など主力級の選手を投入してくる湘南に防戦一方となったが、粘り強く1点を守りきった。

不安材料はその湘南戦後、関東大学リーグ1部での内容が芳しくないこと。駒澤大とは1−1、直近の神奈川大戦では、PKで挙げた1点をコンパクトなブロックで守る相手に最後まで苦戦して0−1の敗戦を喫した。順位は3位をキープしているが、この敗戦で首位・流通経済大との勝点差が11と広がったことで、今季の照準を全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)に切り換え、リーグ制覇を事実上断念している。しかし、神川監督は「むしろ天皇杯のモチベーションがある分、リーグ戦のモチベーションが難しいというところが、僕は正直あるんじゃないかなと思う。思いきって天皇杯で戦って、また何かつかめたらいい」と、この対戦を絶好の転機ととらえている。

迎え撃つ山形は、J1残留に絡む直接対決を3勝1分けと一気に安全圏に到達。残り4試合で1勝を挙げれば自力で残留が確定するところまで来ている。この状況はチームにとって、もちろんプラスだ。「リーグ戦が落ち着いて進んでいるから、もうリーグ戦を中心に考えることはない。天皇杯もバンバン行って、この勢いを持って行ったほうがいいんじゃないかな」と小林伸二監督はこの一戦への意気込みを語る。いい形で勝てれば、リーグ戦に向けてさらに勢いが増すことになるが、逆に敗れたり、2回戦の日本文理大戦のように不完全燃焼で終わるようでは、その勢いも減退する。ましてや、相手は天皇杯きってのアップセッター。「メンバーを落として戦う相手じゃない」(小林監督)とリーグ戦と遜色のないメンバーで臨む。

試合は立ち上がりから迫真のマッチアップが予想される。湘南に対してもパスをつなぐ自らのスタイルを崩さなかった明治大が、山形の連動したプレスをどうかわしていくのか。特にボランチ宮阪政樹を数多く経由することで攻撃のリズムが上向くだけに、宮坂が自由にプレーするのか、それとも山形が2人のボランチやトップから古橋達弥が下りることで自由を奪うのか。この関門を抜ければ、明治大は山田のほか、ユーティリティなMF小林裕紀などが要所で起点をつくるが、ペナルティーエリア内で泥臭いプレーを厭わないFW山村佑樹までボールが渡ることになれば、明治大にも得点のにおいが漂ってくる。

その一方、流動的にポジションを崩して攻め込むスタイルだけに、奪われた直後に遅れを取れば、切り換えの早い山形にスペースを与えることになる。また、湘南戦ではセットした状態から次々にスペースを埋め、全員守備の意識を徹底していたが、山形がこれを破るために有効なのがサイドチェンジだ。変えたサイドで数的優位をつくり一気に仕掛けることができるのか、それとも、明治大が粘り強い守備でしのぎきるのか。ゴール前には、湘南戦でも好セーブを連発し無失点勝利の立て役者となった190cmのGK笠原?史が構えているだけに、山形としてはキーパーが反応しにくい形のシュートを狙いたい。

小林監督は明治大の印象を「すごく丁寧なんだけど、強さがない。球際だったり、空中戦だったり、セカンドボールだったり、走ってプレーするとなるとちょっとバタバタするのかなという印象がありますね」と語る。山形が実力差どおりに勝利を収めるのか、明治大がトーナメントの怖さを見せつけ、打倒J1を成し遂げるのか。冬の空気が混じるNDスタで、13時にキックオフを迎える。

以上

2009.10.30 Reported by 佐藤円
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