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【J2:第47節 仙台 vs 札幌】レポート:緊張の一戦を1−0で乗り切った。仙台、いよいよ昇格に手をかけさせる、大きな勝点3をつかみ取る。(09.10.26)

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10月25日(日) 2009 J2リーグ戦 第47節
仙台 1 - 0 札幌 (12:34/ユアスタ/16,515人)
得点者:66' 中原貴之(仙台)
スカパー!再放送 Ch183 10/27(火)10:00〜(解説:鈴木武一、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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仙台にとって、今節の勝利は大きい。内容、勝点、心理、さまざまな面で、本当に、本当に。

前日に湘南がまさかの敗戦。3位以内がさらに現実味を帯びてきたこともあってか、晴天となった日曜昼、ユアテックスタジアム仙台では今季最多となる16,515人ものサポーターが詰めかけた。試合前の時点で、スタジアムの四方八方から、屋根に反響した声援が降り注ぎ、山場の一戦という雰囲気は自ずと高まっていった(それには仙台サポーターだけでなく、アウェイ席を完全に埋めた札幌サポーターの、圧の高い声援の力も小さくなかった。あなた方の声援もまた、やはりJ1でこそふさわしい)。

そんな空気に触発されてか、試合は一進一退の好ゲームに。前半の流れを大きく振り返ると「攻める仙台、逆襲の札幌」となるか。札幌は試合の立ち上がり、ダニルソンをアンカーの位置に置き、前線はキリノの1トップとした4−1−4−1の布陣を敷いたが、最終ラインは高く押し上げられ、全体として極めてコンパクトな陣形を構築しようとする意図がありありと見えた。やろうとしているサッカーの志の高さが、ピッチ上にもしっかりと表現されていた。
だが今の仙台には、そうした相手の意図にやすやすと飲まれない強さがある。高く設定されたDFラインを、仙台はまずサーレスをめがけたロングボールで下げさせた。すると、自ずと、1ボランチのダニルソンの脇、左右のスペースが空く。そこで仙台は起点を作り、細かなパス回しからサイドを丹念に崩した。
一方で札幌のサッカーも完全に破壊されたわけではなく、狙い通り高い位置で仙台のボールを引っかけられれば、素早いカウンターで仙台のゴールを脅かすことができた。しかし幾度かチャンスのあったサイドから、藤田征也と古田寛幸の両サイドが入れたセンタリングは、往々にしてGK林卓人の守備範囲へのボールとなり、決定機を作るには至らない。また、前に出てきた札幌からボールを奪い、仙台が「逆カウンター」に出てチャンスを生み出す場面もあり、徐々にスピードが上がってきたところで前半終了。

そして後半に入ると、ゲームの流れが札幌へと傾き始める。オーソドックスな4−4−2へと布陣を変えた札幌は後方が安定したことで、前半の仙台のようにボールを保持して相手を押しこむ時間帯に入った。仙台は前半は低い位置とはいえブロックを組んで守れていたはずの守備が、少し最終ラインと中盤の間で間延びし始めたこともあり、なかなかボールを仙台ゴール前から遠ざけることができない。
ここを勝負所と考えたか、札幌の石崎信弘監督は、2トップの一角となっていた宮澤裕樹に代えて、切り札のハファエルを投入。このハファエルが効きに効いたことで、仙台はこの試合最も難しい局面を迎える。63分、ペナルティーエリア内でのキリノのポストプレーを受け、ゴール正面に飛び込んできたのはハファエル。仙台守備陣の対応が追いつかず、完全フリーで右足での強烈なシュートを許す。
右のサイドネットが揺れる。やられたか…しかしボールはゴールをわずか右にそれ、外からネットを揺らしていた。最大のピンチを仙台は乗り切る。

65分にもポストプレーから、大きくゴール前をロールする形でペナルティーエリア右深くへハファエルの侵入を許すが、低く鋭いセンタリングには林が素早く反応、ワンハンドでボールを押さえる。このビッグセーブが、仙台にとっての悪い流れをも断ち切った。そして実際にその直後、66分に仙台は決勝点を得る。いささか前がかりとなっていた札幌の布陣にはスペースが生まれていたのだが、中盤低い位置の梁勇基から、左前方の関口訓充へ長いパスが通る。応対できたDFは1人。そうなれば、前を向いた関口を容易に止めることはできない。意のままに関口は、中央へ向けてドリブルを開始すると、黒いユニフォームの大柄な選手が札幌ゴール前へ疾走しているのに合わせ、短いスルーパスを送る。
反応していたのは、途中投入の中原貴之だった。一瞬止まってしまった札幌守備陣の裏へ出た中原は、パスに対しダイレクトボレーで合わせる。飛び出しが遅れたGK高原寿康の肩越しを柔らかく抜いたボールがゴールネットを揺らした。なお中原はこれで、ついに念願の1シーズン2桁得点を達成している。

残り時間は20分強あったが、元々この試合は、先手を取ったチームが逃げ切り濃厚と思われていた一戦。その予想通り、こうしたシチュエーションでの「勝ちパターン」を我がものとしている今の仙台にとって、リードは1点で十分だった。3バックに変えて仕掛けてきた札幌の意図を逆手に取り、奪ってからの素早い前への持ち出しで時間も巧みに使った仙台は、ボルテージが青天井のごとく高まっていったスタジアムの歓声の中で、大きな大きな勝点3を告げるホイッスルの音を聴いた。

試合後、プレスルームでは、さまざまな条件での今後の勝点計算が随所で行われていた。筆者も含めて一時は誤報を流してしまうなど、ちょっとした賑わいもあったが、結局出された結論はこうだ。第49節に甲府対湘南という直接対決が控えており、この両チームが「残り試合全勝」というシチュエーションは絶対にあり得ないため、次節「仙台が勝利、甲府と湘南が揃って引き分け以下」で、仙台は今季の3位以内を確定させる。甲府、湘南の結果に関係なく、次節の草津戦に勝利した時点で3位以内が決まるC大阪に比べるといささか厳しい条件ではあるが、最短で次節に3位以内が決まることは間違いない。
思えば2003年のJ2降格から、今季を含めてJ2で6年間戦ってきた仙台だが、入れ替え戦進出をかけた順位を手にした、もしくは手にかけたことはあったものの、自動昇格のかかる順位を、リーグ戦の中で確定させようとするのは、6年目にして初めてのことである。

…とはいえ、間に天皇杯を挟むため、次節は2週間後。思いは、その時に改めて述懐していくこととしよう。

以上
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