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【J2:第47節 横浜FC vs C大阪】レポート:プレッシャーを感じる前に試合を決めた。C大阪が「昇格内定王手」となる完勝劇。(09.10.26)

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10月25日(日) 2009 J2リーグ戦 第47節
横浜FC 0 - 3 C大阪 (15:03/国立/3,584人)
得点者:2' カイオ(C大阪)、12' オウンゴ−ル(C大阪)、89' 香川真司(C大阪)
スカパー!再放送 Ch183 10/27(火)05:00〜(解説:長谷川治久、実況:関根信宏、リポーター:湯本久美)
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この試合の両チームのゲームプランは、C大阪にのしかかるかもしれないプレッシャーがポイントになっていたことは間違いない。C大阪にとっては、得点できない時間が長くなることで昇格争いのプレッシャーを感じないように早い時間に点を取ること。横浜FCにとっては、逆にC大阪に得点を与えないことで焦りを誘い、カウンターを決めて逃げ切ること。ゲームは、そういうゲームプランを語る以前のきわめて早い時間のC大阪のゴールで流れが決まってしまう。

立ち上がりから、C大阪は横浜FCのサイドバックの裏のスペースを徹底的に狙う。そして、その最初のトライで得た2分のコーナーキックをカイオが高い打点で押し込み、C大阪がまんまと先制を果たす。このゴールを皮切りに、試合はオープンな展開に。横浜FCが4分、5分の西田剛、8分の難波宏明のシュートを見せれば、C大阪も裏のスペースを使いながら4分にコーナーキック、6分には絶妙のクロスからの決定機を作る。そして、このオープンな打ち合いを再びC大阪が制する。12分、カウンター攻撃で乾貴士がフリーで走り込んだチアゴにパス、チアゴが放ったシュートはポストを叩くが、その跳ね返りが吉田正樹に当たりオウンゴールに。C大阪は12分で2点をリードし、プレッシャーを感じる以前の時間帯に横浜FCのゲームプランを粉砕し、試合の大勢を決めてしまう。横浜FCは、「腰の引けたプレーが多かった」と樋口靖洋監督が振り返るように中盤での出足でも負けて、C大阪のサイドの裏スペースへの展開の狙いを抑えられず、逆にC大阪のボランチから厳しいチェックを受けて攻撃の形が作れないまま、前半を終える。個の力の差以前の問題として、ゲームプランの遂行力の差が現れた前半だった。

後半は、レヴィークルピ監督のハーフタイムコメント「しっかりとブロックを作って守り、速い攻撃を仕掛けよう。相手に付け入る隙を与えず、3点目、4点目を狙っていこう」が全ての展開。C大阪は中盤でのチェックの手は全く緩めず、冷静にカウンターを狙っていく。一方、横浜FCもC大阪の「隙」を作り出そうと55分にエデルを投入すると、エデルのキープ力を鍵に徐々にボールを回し始める。そして、59分にはエデルが1対1の場面を作りこの日一番のチャンスとなるが、このチャンスを逃してしまう。すると、C大阪は62分「まずディフェンスをやること」という指示を与えマルチネスを投入し、万全の逃げ切り体勢に入る。その後の展開は、先のハーフタイムコメントの通り。中盤で完璧な守備組織と、後半頭から投入された香川真司を中心とした鋭いカウンターが、残り30分のピッチ上に表現される。象徴的なシーンは82分。ポゼッションから香川が放ったシュートはゴールマウスを外れる。その瞬間、石神直哉がマッチアップしている西田をケアするために全速力で戻った。この、守備意識の高さ、ゲームプランを遂行する力が、横浜FCを圧倒しつづける。そして仕上げは89分、カウンターから香川が今季27点目となるゴールを挙げて、格の差を見せつけた。シュート数だけ見れば、横浜FCが16本とC大阪の15本を上回っている。しかし、ゲームの流れを見た時、横浜FCから見れば、90分間を通じてC大阪にコントロールされ続けた完敗であった。

これで、C大阪は次節のホーム草津戦(11月8日)で勝利すれば自力でJ1昇格内定を決める「王手」を決めた。立ち上がりの相手の隙を逃さない完璧な勝利は、ラストスパートの開始にふさわしい勝利だと言える。次節まで2週間、怪我を押しながらも出場してきた選手も、十分に準備する時間がある。この2週間は、トレーニングの段階から様々なプレッシャーが掛かることが予想されるが、この試合のように立ち上がりから得点をもぎ取る積極性が一番の対処だ。チームのメンタルを、いかに上手くコントロールするか、レヴィークルピ監督の手腕が楽しみだ。

横浜FCは、3連勝の夢は打ち砕かれ、首位との格の差を見せつけられる敗戦となった。個の力の差もある中、ゲームプランを成立させるためには、高い集中力を試合開始から保つ必要があることを身を以て学ぶ結果となった。局面での粘り強い守備も見せ、後半はC大阪がペースを落としたとは言え、エデルを中心に狙いとする攻撃的な動きも表現できた。だからこそ、ゲームを勝利するための肝となる時間での集中力を高める必要がある。次の公式戦は、天皇杯の新潟戦(10月31日)。J1でも上位につける格上との対戦となる。そのゲームプランは、この日の試合のように容易なものではない。だからこそ、このゲームで教訓をどの程度生かすことができるか、こちらもこれからのトレーニングでの修正が重要になる。

今季のJ2は残り4試合。昇格を狙うC大阪、来季に繋げるためにも1つでも順位を上げたい横浜FCの両チームにとって、その1分1分が大事になってくる。勝負どころの1分の大事さが表現されたこの試合が、より白熱した、すばらしい4試合に繋がることを期待したい。

以上

2009.10.26 Reported by 松尾真一郎
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