10月25日（日） 2009 J2リーグ戦 第47節
富山 2 - 3 水戸　（12:34／富山／3,891人）
得点者：20' 荒田智之（水戸）、22' 吉原宏太（水戸）、67' 西野誠（富山）、77' 堀健人（水戸）、82' 石田英之（富山）
スカパー！再放送 Ch181 10/26（月）16:30〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
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水戸が3−2で打ち勝って8連敗のトンネルを抜けた。富山は最後まであきらめずに追い掛けたが届かず、今季2度目の3連敗となった。

水戸はリーグ戦5試合連続で無得点、富山も天皇杯を含む公式戦3試合連続でゴールがなく、ともに先取点がほしかった。その1点は前半20分に水戸へ。調子のよくない両チームにとって精神面への影響は大きかったようだ。水戸のＤＦ大和田真史は「『よし行こう』とのムードになった」と振り返り、富山のＤＦ西野誠は「『またか』と自信がなくなった感じがした」と言う。対照的な心理状態を示すかのように、直後の同22分に水戸はＦＷ吉原宏太が鮮やかなミドルシュートを突き刺して勝利を大きく引き寄せた。

開始から富山、水戸ともに攻守の切り替えが早く、交互に攻め合った。やや富山ペースで推移して、前半9分にはＣＫのこぼれ球を受けたＭＦ木本敬介が狙うなどゴールに迫った。だが、同20分に敵陣で失ったボールを素早くつながれて大ピンチを迎える。ＧＫ橋田聡司が水戸のＦＷ荒田智之との1対1からシュートを好セーブ、こぼれ球を拾って続けざまに放たれるシュートをＤＦ堤健吾が、3本目を再び橋田が防ぐ。スタジアムは沸いたが、直後に虚を突かれたように失点した。
水戸は右サイドのスローインからＭＦ遠藤敬佑がクロスを送り、ファーに詰めた荒田が蹴り込んだ。2分後、リードを広げた吉原の2点目も右サイドから。中央へ切れ込みながらコントロールされた左足からのミドルシュートでゴールネットを揺らした。チームが6試合ぶりに得点した勢いが後押しした半面で富山の寄せは甘かった。
反撃に転じたい富山だったが焦りから流れをつかめない。選手同士の距離が開いてパスがつながらず、前半はシュート1本に終わった。

富山は「シュートを打たないとリズムがでない」と楚輪博監督がハーフタイムに奮起を促すと、後半12分にはＦＷ永冨裕也のヘディングシュートがバーをたたく。同18分にはＦＷ桜井正人、ＭＦ景山健司を投入して一気に運動量を上げて攻勢をかける。すると、同22分に左サイドを起点にした攻撃から桜井がペナルティーエリア内でファールをもらい、ＰＫを西野が決めて1点差に迫った。
水戸もひるまず、同32分に荒田へのロングボールを起点にして押し込み、吉原のクロスをＭＦ堀健人が頭で合わせて再び突き放した。富山は同37分にＦＫをＤＦ中田洋平が直接狙ってバーに当たったこぼれ球を桜井、石田とつないで2点目を挙げて追いすがる。ロスタイムには木本からのクロスを永冨が受けてゴールネットを揺らすがオフサイド。水戸は辛くも逃げ切った。

残り4試合。水戸の木山隆之監督は「（現在8位だが）チームとしても、選手も多くの者が大きな経験がないので、今までクラブがはじき出したことのない勝点や順位でリーグ戦を終えることが次につながる。記録を更新していくことが、クラブの力にもなっていく。どこまで勝てるかを追求していきたい」と語った。
一方の富山も記念すべきＪリーグ1年目の歴史を刻んでいる。
連敗で12位に後退して1桁順位の可能性は消えたが、めげるわけにはいかないだろう。次節、11月8日の札幌戦まで2週間あり、持ち味である組織ディフェンスの再整備を図る。同11日には天皇杯3回戦で、現在Ｊ1首位の川崎Ｆとの楽しみな一戦も待っている。楚輪監督は「これまでの47試合どれをとっても、選手たちは最後まであきらめずに90分間精いっぱい戦っている。残り試合もこの姿勢は変わらない。持っている力を100％出して戦い、サポーターとファンに応えたい」。チームは連戦の疲れを癒やして、再びハツラツとした姿をみせてくれるはずだ。

以上

2009.10.26 Reported by 赤壁逸朗