10月24日（土） 2009 J1リーグ戦 第30節
神戸 1 - 0 新潟　（16:04／ホムスタ／11,463人）
得点者：76' 松岡亮輔（神戸）
スカパー！再放送 Ch183 10/26（月）14:00〜（解説：本並健治、実況：牛尾淳、リポーター：林智美）
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「試合前にイメージさせたとおりの内容になった」と、神戸の三浦俊也監督。「ゲームの内容は予想していた感じになった」と、新潟の鈴木淳監督。堅い守備から素早く攻め込むという、同じようなゲームプランを持つ神戸と新潟。その両者が顔を合わせた一戦も、両指揮官が言うように、お互いの予想に違わぬ展開となった。

その展開とは、「新潟は今シーズンまずアウェイで強いということ、そして守備が最少失点というチームなので、そんなに簡単に得点が入らない」（神戸、三浦監督）というように、1点を争う厳しい攻防。そのためか、前半は探りあいという様相に。ただ、腰痛の影響もあって大久保嘉人がベンチスタートを強いられた神戸は、前線の茂木弘人、ボッティや、両サイドMFの吉田孝行、朴康造へのロングボールが主体。5位と好調で、神戸戦ここまで無敗という新潟は、少ないタッチでボールをつないだり、相手のミスを突いてのショートカウンターで活路を見出そうとしていた。

前半で決定機が多かったのは新潟。6分に矢野貴章が神戸DFの連係ミスを突いてボールを奪い、左サイドペナルティーエリア内で中に折り返すも、マルシオ リシャルデスのシュートはGK正面。38分には松下年宏の右CKからニアで千代反田充がヘッドで流したところに、ファーでフリーで抜け出した永田充がヘッドで合わせたが、ボールは枠を越えてしまう。シュート数は神戸が上も、チャンスの数では新潟が上回ったなかで、前半はスコアレスで折り返す。

「前半0-0で行けば、後半パッとワンチャンスで入るんじゃないかと思っていたので、そういう意味では予定通りの戦いだった」と振り返ったのは、神戸の吉田。その言葉が示すように、後半は立ち上がりから神戸の出足がよくなる。ただし、一進一退の攻防は変わらず。そこで先に動いたのは神戸。「得点が欲しかった」という時間帯だった66分、吉田に代えてエースの大久保嘉人を投入する。

しかし、逆にその直後から新潟にビッグチャンスが3度到来。それでも、大島秀夫のヘッドはGK正面、内田潤の右クロスからゴール前に飛び込んだマルシオ リシャルデスのシュートは神戸DFの寄せもあり枠を捉えず。70分には松下の左CKから矢野のヘッドのこぼれ球をファーの永田がフリーで、ただ押し込むだけというシュートがありながら、痛恨の空振り。先制の好機を逃してしまう。

すると、図ったように流れが神戸に移り、ホームチームが先制する。我那覇和樹をピッチに送り込んだ2分後の76分、茂木の粘り強いポストプレーからチャンスを作り、ボッティの右クロスのこぼれ球を拾った茂木が、中に入り込んでいた左サイドバックの松岡亮輔にパス。これを松岡はターンして左足で思い切りよくシュート。ボールはゴールネットに吸い込まれ、背番号26のプロ初得点、1日遅れのバースデー弾で、神戸が待望のリードを奪った。

その後、反撃に出たい新潟も、三門雄大がワンツーからの中央突破でゴール前に抜け出し同点機を作る。しかし、神戸GK榎本達也の体を張ったセーブの前に得点ならず。結局、試合はこのまま終了。上位争い中の新潟にとっては痛い連敗、そして神戸戦初黒星となった。

一方、神戸は得点後も三門のシュート以外は決定機を作らせず。終盤にはDF柳川雅樹を前線に置く奇策に出るなど、思い切った采配も実り、カウンターから追加点も狙えるような戦いで、しっかりと勝点3をつかみとった。これでリーグ戦6試合ぶりの勝利となり、勝点は37に。同日、16位柏、17位千葉が揃って敗れたこともあり、最低限の目標であるJ1残留に大きく前進した。

殊勲弾の松岡は試合後のインタビューで興奮を隠すことなく、大絶叫で「皆さんついにこの日がやってまいりました〜！」とうれしさ大爆発。そして、チームも第24節浦和戦以来となるホームでのサポーターとの「神戸讃歌」で、喜びを分かち合った。

以上

2009.10.25 Reported by 前田敏勝