スカパー!生中継 Ch181 14:50〜(解説:未定、実況:関根信宏、リポーター:湯本久美)
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第44節 | 第45節 | 第46節 | 第47節 | 第48節 | |
C大阪 | ○1-0 札幌 | ○3-1 愛媛 | △0-0 徳島 | 横浜FC | 草津 |
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今年のJ2のリーグ戦は残り5試合と、シーズンも大詰めになってきた。この時期、1つの勝利、1つの勝点の意味は非常に大きい。昇格争いをリードするC大阪にとって、1つの勝点も落とすことができないのはもちろんだが、初の連勝で最下位を脱出し、現時点で可能な14位に向けて、1つでも順位を上げたい横浜FCにとっても負けられない試合となる。
横浜FCは、前節、こちらも昇格争いを演じている甲府を相手に、終盤の難波宏明の得点を守り切り、リーグ戦初の連勝を果たした。天皇杯を含めると、公式戦3連勝と結果の面では上向きになっている。樋口靖洋監督は、甲府戦の最大の勝因を「ゲームプランを一体感を持って最後まで遂行した」ことと振り返った。ゲームプランという意味では、単に守備的に引くだけでなく、中盤の選手の動きを封じる組織的な守備、そして甲府の3バックに対しての攻撃のアプローチなど、選手間での意識統一がもたらした勝利だった。けが人、出場停止が多い中だったが、「誰が出ても同じやり方ができたし、初めてベンチに入ったメンバーもロッカーの中で役割を果たしてくれた」(樋口監督)というように、チーム全体で積み上げてきたものを勝利という形に結びつけられる手応えを感じている。ただ、まだ勝ち慣れていない面もあり、この連勝の中でも、ばたばたしてしまうシーンは数多く見られている。勝ち癖をつけるためにも、首位に善戦して引き分けに終わることを良しとしてはいけない。あくまでも勝利でゲームを終わらせて、勝ち方を知るチームへの脱皮を果たす必要がある。前回の対戦(8/16 第34節)では、一度は逆転を果たしたものの、小松塁に同点ゴールを決められて勝ちを逃した。ただし、逆転を果たしたときのニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気を含め、前節の戦いの良いイメージは残っているはず。今回は、三ツ沢に比べて格段に広い国立競技場でのゲームとなるが、場所は違えどその良いイメージを勝利に繋げたい。
首位C大阪は残り5試合で4位との勝点差が7あり、昇格争いを演じているチームの中では安全圏とも言えるポジションにいる。この試合に勝利すれば甲府の試合結果によっては「昇格内定王手」となる。ただ、この状況で、少しでも余裕を持ってしまうことがあれば、前節の徳島戦のように勝ちを逃すことになる。徳島戦では、前半から得意とするボールポゼッションを披露し、徳島を自陣深くに押し込めることには成功したが、徳島の冷静かつ粘り強い守備に対してゴールを挙げることはできずに引き分けに持ち込まれてしまった。「足りないのはゴールだけ」と、レヴィークルピ監督は振り返ったが、この時期ゴールが1つ足りないことで涙を飲んできたチームは多い。昇格内定へのラストスパートに向けて、気持ちに余裕を持つことなく、最後のゴールに向けた集中力を高めることが必要だ。
そして、樋口監督は「C大阪戦でもしっかりとしたゲームプランを持って臨みたい」と述べているが、両チームにとってゲームプランをどのように設計するか、そしてどのように遂行するかが問われるゲームになる。C大阪は、前節の轍を踏まないためにも試合開始から積極的に入ることが考えられる。そこで、横浜FCがC大阪のストロングポイントをどのように抑えていくか。出場停止明けの乾貴士が、C大阪の攻撃にスパイスを与えることは間違いない。さらに、途中出場が予想される香川真司投入後のC大阪の「マクり」への対処をどのように考えるか。個の力が優れているC大阪相手だけに、ゲームプランの構築が受け身になってしまうのは若干悔しいが、相手のストロングポイントへの対応が不十分では、良い攻撃にも繋がらない。そして、横浜FCは甲府戦と同じく、また前節徳島が遂行したように、中盤でC大阪がポゼッションしたボールを奪ってからのハーフカウンター狙いが中心になると予想する。甘いプレー、ミスは致命傷だ。お互いに、勝負どころを嗅ぎ分ける嗅覚を最大限に働かせて、試合展開に応じた繊細な戦いを遂行することが求められる。細かな采配、ピッチ上での修正は、大きな見所になる。
横浜FCとC大阪は去年も国立競技場で戦っている(10/5 第39節)。この時は2-2の引き分け。シュート20本のC大阪に対して、シュート6本の横浜FCが少ないチャンスをゴールに結びつけて、C大阪から勝点2を奪うゲームだった。2年連続して、同時期、同じ場所で行われるこのカードが、どのような展開を描くのか、昇格争いの行方も含めて注目したい。
以上
2009.10.24 Reported by 松尾真一郎