10月21日(水) 2009 J2リーグ戦 第46節
徳島 0 - 0 C大阪 (19:04/鳴門大塚/3,554人)
スカパー!再放送 Ch183 10/22(木)15:00〜(解説:西村昭宏、実況:高松良誠、リポーター:藤原美佳)
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体力、精神力、集中力。徳島はそれらの全てをこの90分に出し切ったと言えよう。「前節と変わらず高いモチベーションを持っていたと思う」と美濃部直彦監督も評したが、選手たちはその言葉通り気持ちのこもった全身全霊のプレーを展開。C大阪に真っ向から立ち向かった。だからこそ、首位を打ち負かすには至らなかったものの、手にしたこの勝点1は決して小さくないはずだ。徳島にとっては今季の残り5試合、また来季にまでも繋がる確かな収穫となったに違いない。
試合を振り返れば、確かに徳島は前半からポゼッションを握られた。連動性あるグループでの組み立てや幅のある展開を見せるC大阪に守勢を強いられたと言えるだろう。ただ、そのような戦況にも徳島はしっかりとやるべきことを実践していく。前節から変更した3バックの三木隆司、ペ・スンジン、登尾顕徳が中央を素早いブロック形成で固く締めれば、左右のゆさぶりに対しても全体のスピーディーなスライドで迅速に対応。ボールを持たれながらも危険なバイタルエリアでの自由はほとんど与えなかった。さらに徳島はC大阪のボールホルダーへも的確なアプローチをしていく。個々としてもグループとしても能力の高い相手に対し、果敢にアタックする所と落ち着いて待つ所を上手く使い分けていたと言っていい。
そうした結果として前半危険なシーンを迎えたのは、船山祐二にカイオとのワンツーで抜け出された一度だけ。いずれにしても徳島の守備に高い安定感が存在したのは間違いない。
しかし、迎えた後半は香川真司を投入してきたC大阪に深くまでの侵攻を許してしまう。切り札として送り込まれた背番号8にアタッキングサードで変化を出され、バイタルエリアも徐々に使われるようになっていった。また徳島は、「ポゼッションを大切にしたサッカーが効果となって表れてきた」と敵将レヴィー・クルピ監督が語ったように、後半半ば以降には体力的ダメージが出始め、それによってチーム全体のラインがやや後退。そのため、たびたびミドルシュートも狙われてしまい、そのこぼれ球からヒヤリとするピンチにも陥った。
が、そうした状況にもゴールを割らせなかったのは、この一戦において徳島が冒頭にも書いた全てを注ぐ戦いをしていたからこそ。苦しい中でも密なコーチングで必死に組織を整え、ひとりひとりも責任を持って局面に対処。高い集中を切らすことなくボールに反応し、どんな場面でも執念を見せてボールへと食らいついていった。中でも74分のシーンはそれを象徴するもので、GK上野秀章がはじいたボールを鋭く詰めたカイオよりも一瞬早く触りかき出した登尾のクリアはまさにチームを救ったプレー。勝負への執念と勝利への執着が強く強く伝わってきたものであった。
こうして最後までC大阪の猛攻を全員で凌ぎ切り、ゴールを割らせなかった徳島。もちろん前記のようにラインが少し後退してしまったという反省点はあるが、それでも今節の守りは評価に値するものであるし、今季のチームの成長を証明するものともなったであろう。
ただ、この一戦で真のチャンスと言えたのが徳重隆明の個の力を発揮したカウンターだけだったことを踏まえれば、攻撃についてはまだまだ積み上げが必要のように思われる。特にミスを多発させたボールを奪った後のファーストパスは大きな課題で、「それがつながるといい形の速攻に移ることが出来る」(ペ・スンジン)ことからその精度向上が求められる。「いい守備をした上でいい攻撃につなげることがこのレベルの相手に出来るようになれば我々が本当に力を付けたということになると思う」と話した美濃部監督のもと、チームにはその改善が不可欠だ。
対して、「足りなかったのはゴールだけ」とレヴィー・クルピ監督が振り返ったが、それこそが今のチームの最大の悩みだろう。香川、乾貴士(今節まで出場停止)という爆発力抜群の2シャドーが揃わない場合、どのように得点を奪うのかが求められるところだ。チームの成熟度は文句のつけようがないくらいなだけに、その部分を解決できればこのまま昇格も叶うだろう。
以上
2009.10.22 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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