10月21日（水）J2 第46節 福岡 vs 岐阜（19:00KICK OFF/レベスタ）
スカパー！生中継 Ch185 18:50〜（解説：乾眞寛、実況：南鉄平、リポーター：森田みき）
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第41節の徳島戦から数えて5戦負けなしの福岡。いい時と悪い時の波の激しい試合を続け、思うような戦いが出来なかったシーズンも、ここへきて安定した戦いが出来るようになってきた。その最大の要因は安定した守備。第32節の札幌戦を最後に、前半に失点を喫した試合はなく、第3クールに入っての失点は10試合で9。直近の5試合では僅かに1失点しか喫していない。第2クールまでに56失点を喫した守備は改善できたと言っていいだろう。「最後のところでみんなが体を張れるようになってきたし、大きく崩れなくなってきた」と久藤清一も話す。

もちろん、その守備にもまだまだ改善の余地はある。守備組織をオーガナイズする丹羽大輝は話す。「数字的にはやられていないが、危ないシーンはまだまだあるし、もっと上手い守り方があるはず。理想は、もっと高い位置でボールを奪ってゴールに直結するプレーにつなげること。中盤でボールが奪えるような守備をしないといけない」。
それは、福岡の最大の課題である攻撃の改善にもつながる。ここまで42得点はJ2では15位の成績。ここ5試合を見ても3得点しか挙げられていない。安定してきた守備のレベルを上げながら、攻撃とのバランスをどう保っていくのか。それが現在の福岡に求められていることだ。中2日で迎える岐阜戦では、フィジカルコンディションを整える程度の準備しか出来ないが、それでも、結果とチームの変化を手に入れる戦いであることに変わりはない。

そして、レベルファイブスタジアムに乗り込んでくる岐阜にとっては、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えるための戦いになる。
チームを大幅に若返らせて4年後のJ1昇格を目指すチームの今シーズンの目標は10位以内。第1クールは4勝4分9敗と苦しい戦いを強いられたが、第2クールは6勝7分4敗と勝ち越し。第3クールも確実に勝点を重ねて一時は10位にまで順位を上げた。ところが、第41節から5戦勝ちなし。再び上昇気流に乗り、自らの成長を確たるものにするためには、福岡との試合は勝たなければいけない試合。今シーズンの福岡との対戦は1勝1敗ということもあり、決着をつけるという意味でも高いモチベーションで臨んでくる。
布陣は中盤をダイヤモンドにした4−4−2。最大の特長は中盤の豊富な運動量と、攻守の切り替えの速いカウンター攻撃。前から激しくプレッシャーをかけて相手を囲い込み、奪ったボールを素早く、そしてテンポよくつないでゴールへ運ぶのがスタイルで、中盤で不用意に引っかかると一気にピンチにさらされることになる。
チームの中心はボランチの橋本卓。高い守備能力でバイタルエリアに蓋をするだけではなく、ボールを捌いて攻撃のタクトも振る。そして、ここまで全試合出場を果たしている嶋田正吾が、スピードを活かした突破と急所を突いたパスでゴールを狙う。また、高さのある西川優大と佐藤洸一の2トップも要注意だ。

その岐阜を迎えるにあたり、福岡の守備から入ってゲームを作るという基本的なゲームプランは変わらない。ポイントのひとつは立ち上がりから仕掛けてくるであろう岐阜のパワーをどうかわすかということ。前節の熊本戦（ /jsgoal_archive/game/2009/20090200030720091018.html 1-0で勝利）では、後半になって前へ出るパワーを強くした熊本に対し、上手くボールが捌けずにラインを下げてしまったが、それでは安定した守備は望めない。プレッシャーを恐れずにシンプルにボールを回して前へ出ること、ラインを高くしてコンパクトなゾーンを維持することが勝敗のカギを握る。

そして、攻守のバランスの改善もチームのテーマ。安定したプレーを見せる黒部光昭や、熊本戦では「らしい」動きで決勝ゴールをアシストした高橋泰をはじめ、出場停止開けとなる大久保哲哉と田中佑昌もコンディションを上げており、篠田善之監督がどのような選択をするかにも注目が集まる。前半を無失点で折り返すのがチームの最大の狙いだが、早い時間帯に先制点を奪うことでゲームを有利に運びたいところだ。
もちろん、勝利を掴むことが最大の目的。順位を1つでも上げるためにも、勝点3差ですぐ上の12位にいる岐阜との対戦で後手は踏めない。六反勇治は話す。「今は勝ちしか必要ない。勝ちにこだわって戦いたい」。レベルファイブスタジアムの夜空に勝利の雄たけびを響かせてくれることを期待したい。

以上

2009.10.20 Reported by 中倉一志