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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第46節 水戸 vs 熊本】プレビュー:今季笠松ラストゲーム。水戸は大幅な選手交代で勢いを取り戻すことができるか。熊本も前節の屈辱を払拭する勝利を狙う。(09.10.21)

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10月21日(水)J2 第46節 水戸 vs 熊本(19:00KICK OFF/笠松
スカパー!生中継 Ch173 18:50〜(解説:川本治、実況:田中雄介、リポーター:佐藤愛美)
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「1点取れば、変わると思った」。前節・東京V戦、87分にDF裏に飛び出した吉原宏太が思い切りシュート。しっかりボールの真芯を捉え、GKの横を鋭く抜けたが、惜しくもゴールポストに跳ね返され、悪い流れを変えるゴールは生まれなかった。「試合の流れを変えるだけでなく、残り試合に向けて悪い流れを断ち切るためにもゴールを決めたかった」と吉原は唇を噛んだ。結局、東京V戦は0−2で完敗。リーグ戦7連敗を喫し、泥沼から抜け出せずにいる。

東京V戦は今季でも1、2を争う低調な内容であった。「全然ダメだった。自信がないし、練習の成果も出てこなかった」と木山隆之監督は怒りを露わにし、森賢一は「根本的なところの問題」と厳しい口調で語った。技術だけでなく、運動量や球際の激しさなどすべてにおいて相手に劣った。「東京Vに対して1人1人の技術ではかなわないけど、これまではチームで打開してきた。運動量や連動、奪い返す意識で対応することができていた。でも、今はそれができていない」(木山監督)。調子がよかったときには勝っていた部分で負けてしまっていることがこの連敗の原因と言えよう。この状況から抜け出すためにも「もうちょっと1人1人が戦わないとダメ。気持ちを前面に出す選手が出てこないといけない。それができないと負ける」という森の言葉が示すように、技術や戦術よりも今は精神的な部分でのテコ入れが必要のようだ。

そのために、木山監督は大幅なメンバー交代とシステムの変更を示唆。鶴野太貴や堀健人、加藤広樹(もしくは星野圭佑)といったこれまで出場機会に恵まれなかった選手たちの勢いに懸けるつもりだという。中2日での試合ということで、確認する時間が限られているため、連携面など不安要素も大きいが、それよりも彼らの試合に対する熱い思いがチームに変化を及ぼすことを期待しての起用となることが予想される。星野は眼光鋭く「ラストチャンスと思って、死ぬ気で戦いたい」と意気込みを語った。彼らの熱いハートこそ、今のチームに足りないもの。まずはファイトすること。前節できなかったそれを90分間貫くことが勝利の絶対条件である。

残り試合に向けて希望を抱くためにも新戦力の台頭は必要不可欠。この試合、もしかすると水戸にとって思いがけない収穫があるかもしれない。転機となる可能性を大いに秘めている一戦だ。

そして、今節で今季の笠松運動公園陸上競技場での試合は最後。次のホームゲームからは改築されたケーズデンキスタジアム水戸に拠点を移すこととなる。いい思い出も悪い思い出もいっぱい詰まった笠松と最高のお別れをするためにも、勝って締めくくらなければならない。水戸の強い残像だけを残して、笠松を後にしたい。

熊本にとってもこの試合にかける思いは強いはずだ。前節の福岡との九州ダービーで1万2千人を超える観客の前でたったシュート3本で敗れるという屈辱を味わった。その悔しさから這い上がるためにも今節での戦いぶりが重要となってくる。石井俊也をけがで、山本翔平と市村篤司を出場停止で欠く苦しい状況だが、熊本が培ってきた攻撃的なサッカーで勝ち星を挙げたいところだろう。また、水戸に対しても今季は2戦2敗という屈辱を受けており、同じ相手に3連敗をするわけにはいかないというプロとしてのプライドを持って乗り込んでくるに違いない。

5戦勝利がなく、3試合無得点とチーム状態はよくない。また、順位も14位から上がらず、なかなか向上の兆しが見えてこない。しかし、天皇杯2回戦で対戦した横浜FCの戸川健太は熊本のサッカーに感銘を受けたという。「結果が出てないと自信を落としがちになるけど、熊本の選手は違った。自信を持ってボールを回そうとするし、ボールを引き出そうとする。それはできそうでできないこと。たまたま僕らが勝ったけど、第1クールよりも大きく成長していたのは熊本だった。貫いてきたサッカーが本当に形になってきている。すごく可能性を感じましたよ」と熊本のサッカーを絶賛していた。

シーズン開幕から一貫してポゼッションサッカーを貫いてきた熊本。組み立ての途中でミスが出たり、攻撃に人数をかけすぎて守備が手薄になるため、リーグワーストの失点を喫していることが低迷の原因となっているが、今季目指しているサッカーに向かって突き進んでいるのは間違いない。結果が出ない中でも、いかにぶれずに自分たちのサッカーが貫けるか。今節の勝利も、今後の熊本の命運もそこに懸かっていると言えるだろう。

以上

2009.10.20 Reported by 佐藤拓也
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