10月21日（水）J2 第46節 愛媛 vs 富山（19:00KICK OFF/ニンスタ）
スカパー！生中継 Ch179 18:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
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首位Ｃ大阪に挑んだ前節の愛媛は、一度はドドのJ初ゴールで同点に追いつきながらの敗戦。内村圭宏のシュートがポストを叩き、2列目からは永井俊太や赤井秀一がゴール前に顔を出しては厚みのある攻撃でＣ大阪ゴールを脅かし続けていた。それだけに悔やまれたのが失点の形。中途半端なプレーから失った前半の2失点が愛媛にとっては致命傷になってしまった。逆に言えば相手の隙を突き、ゴールを重ねていったＣ大阪が首位の底力を示した結果が1−3という数字に表れた。

その点で言えば、昇格争いを続ける湘南をホームに迎えた前節の富山も同じ。むしろ、内容を振り返れば愛媛以上にゲームの主導権を握り続けていたが、結果は0−3で敗戦。自らのセットプレー後に逆襲を受けて先制を許し、そしてコーナーキックから追加点を奪われ、湘南のしたたかさ、勝負強さを見せつけられた。

愛媛にとっても、富山にしても、敗戦の中にも昇格を争うチームがどのようにして勝点3を積み重ねていくのか、肌で感じられた一戦になったはず。一朝一夕にその強さを手にすることはできないが、今は自らが持つストロングポイントを前面に押し出しつつ、勝利を重ねられるチームに成長しなければならない。その部分では愛媛も富山も中盤での激しい守備が持ち味。連戦の中で、1対1の局面でどれだけ球際で戦えるか、あるいは愛媛はバルバリッチ監督が常々ポジショニングの重要性を選手たちに叩き込もうとしているが、組織が適切な距離を保ちセカンドボールを拾って次の攻撃につなげられるか、中盤での主導権争いが序盤から激しさを増しそうだ。

ただ、富山にとってみれば、その部分でチーム最多44試合に出場するボランチ長山一也を出場停止で欠く。濱野勇気や朝日大輔ら、チームの中心選手を相次いで欠いたリーグ戦のこの10試合は1勝2分7敗となかなか結果を出せずに苦しんでいるだけに、楚輪博監督の選手起用にも注目したい。一方で愛媛も前節、守備の要でもあるアライールが負傷して退場を余儀なくされた。逆にキャプテン三上卓哉の出場停止が解けるという明るい材料もあるが、まだまだ読めないバルバリッチ監督の選手起用。しかし、愛媛も現在リーグ戦8戦未勝利、リーグ戦に限ればホームで3試合ゴールも生まれていない停滞した状況だ。ゴールを目指し、就任後の初勝利を狙うバルバリッチ監督がどのような布陣で富山を迎えるのか、こちらの采配にも注目だ。

ただ、いずれにしても選ばれてピッチに立つ選手たちにとってみれば、先にも挙げた中盤でのハードワークを体現することが勝利への鍵。富山は10試合、愛媛に関しては実に16試合失点が続いているが、中盤で規律を保つことが失点のリスクを減らし、より多くの得点チャンスを生む。繰り返しにはなるが、連戦の中のその攻防でいかに「らしさ」を発揮できるかが、両チームにとって勝敗を分ける重要な要素になるだろう。

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2009.10.20 Reported by 近藤義博