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【J2:第45節 鳥栖 vs 仙台】レポート:互いに勝点2を逃した試合。昇格争いの大一番は、1−1のドローで終了。昇格争いは、2位仙台は混沌と、5位の鳥栖は一歩後退(09.10.19)

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10月18日(日) 2009 J2リーグ戦 第45節
鳥栖 1 - 1 仙台 (16:03/佐賀/6,338人)
得点者:56' サーレス(仙台)、60' 渡邉将基(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch183 10/19(月)22:00〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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勝利に対する執念は、時に励みとなり、時にプレッシャーとなる。力を出すのも実力ならば、力を出し切れないのも実力。
5位鳥栖と2位仙台との一戦は、互いに痛い引き分けで終了した。

キックオフ直前のコイントスでの出来事。
コイントスで勝ったのはアウェイの仙台で、前半のエンドをグランドに向かって左サイドを選択した。「アップの時の日差しと風向きで、エンドを選んだ」と試合後に仙台のゲームキャプテン梁勇基が教えてくれた。選んだのは風上。しかも、16時のキックオフで日が傾いてきていた。しっかりとブロックを作って、前線の選手にボールを預ける仙台にとっては、格好の風向きである。この狙いが功を奏し、FWサーレスと平瀬智行が鳥栖ゴールに向かって幾度となく、背後から来るボールを追って走った。この対応に鳥栖のセンターバック飯尾和也と渡邉将基は追われてしまい、なかなかラインを押し上げることができなかった。39分、渡邉が目測を誤り、サーレスがGK室拓哉と1対1となる場面があった。狙ったヘディングシュートはゴール左にそれてしまったが、シンプルにDFの裏を狙う仙台の攻撃は、前半においては鳥栖の『攻撃の芽』を摘むことができた。「良いところを消されてしまった」と岸野靖之監督は、試合後の会見で前半の鳥栖のサッカーを問われて苦渋の表情を見せた。鳥栖の前半のシュートは、44分の左サイドMF島田裕介からのクロスに山瀬幸宏が放った1本だけだったことでも、仙台の狙いは的中していたといえる。しかし、仙台もシュート4本しか放てず、狙いは的中したがゴールは遠かった。

この鳥栖にとって閉塞感がある前半の流れを変えたのが、6試合連続で途中出場となるFWトジンである。前線でボールを失わなければ、仙台のロングフィードを防ぐことができる。しかも、中盤から攻撃参加をする時間を作ることができる。こうなると、DFは連動して高いラインと引くことができ、鳥栖らしく『高い位置からのプレス』を掛けることができる。52分には、左サイドDF日高拓磨の深い位置からのセンタリングに、この日2本目のシュートを放った。後半開始直後から鳥栖は流れを引き寄せた。しかし、先制点はエリゼウのロングフィード1本で仙台が挙げた。56分、鳥栖DF裏を狙って前を向いた右MF関口訓充に渡ったボールに対して、鳥栖のDFの対応は遅れてしまった。「彼がボールを上げる前には目線が合っていたし、あとは自分が決めるだけ」と折り返されたセンタリングを強烈なヘディングで叩き込んだサーレスが語ってくれた。
先制点を奪い、押し込まれていた流れを断ち切ったかのように見えた仙台だったが、「昇格の勢いを一番持っているチーム」(手倉森誠監督)である鳥栖が、そのまま引き下がるわけには行かない。59分、左CKからのボールをヘディングで渡邉が身体を伸ばして豪快に決めた。「マークがエリゼウだったから、『ヨッシャ!』と思った」と彼は振り返ってくれた。常々、相手が強ければ燃える男である。ヘディングには絶対的な自信を持っているだけに、エリゼウの強さを知って燃えないはずがない。高さでも強さでも劣ってはいたが、気持ちだけは負けてはいなかった。この失点直後のゴールで、再び鳥栖に勢いがついた。余談ではあるが、先制されたシュートの起点がエリゼウだったことも、そのボールの対応に遅れたことも、渡邉自身が試合中に闘志に変えた要因である。新加入ながら、ここまで35試合に出場し、学んだプレーであろう。

2位仙台と5位の鳥栖。今節を迎えるまでの勝点差は10で、この試合が終了してもその差は縮まらなかった。
しかし、この試合より先に終了した、湘南と甲府が勝点3を上積みしただけに、2位仙台から4位湘南までの勝点差はわずかに3しかない。首位C大阪を含めて、3位以内の争いは混沌としてきた。贔屓のチームだけではなく、他チームの勝敗の行方も気になるところである。
そして、それを追う鳥栖はやや苦しくなってしまった。3位の甲府まで勝点差は8となり、一歩後退と言える。
しかし、それは第45節までを見た結果である。
岸野監督は、日ごろから「12月5日に笑えればいい。そのためには、次の試合が一番大事。どこが相手でも鳥栖は頑張るだけ」と言っている。今節が終了しても同じ事を語ってくれた。
だからこそ、鳥栖を応援している我々が、心配することはない。
まだ、岸野監督からの終焉宣言は聞かれていないし、選手たちもあきらめてはいない。そして、この日スタジアムに集まった6,338人の熱いサポーターたちも、試合終了後には拍手を持って選手たちを迎え入れた事で、みんなが一体となっていることを他のチームに見せつけることができた。まだ、終わっていない。

外したくてシュートを打つ選手はいない。相手に渡すためにパスを出す選手もいない。
負けたくて試合に臨む選手もいないし、勝利を信じていないサポーターもいるわけがない。
それでも、結果はついてくる。期待した内容でなく、信じていた結果でなくても、そこには勝負にこだわった後の結果が残っている。その結果は素直に受け入れるしかないが、今後への期待と励みになることは間違いがない。
応援しているチームの選手たちに、最後まで声援を送ろう。彼らのプレーを支え続けよう。夢に向かって進んでいるクラブを後押ししよう。それが、我々にできる最良のサポートだと思うから。
試合は選手だけでは成立しない。そこにかかわるすべての人の思いがひとつになって、それぞれの仕事の結果が最高の形で出ることが、選手たちに結果を求める最低条件である。
試合に勝つためには、そこにかかわるすべての人がプロフェッショナルになってこそ得られる結果である。
丸いボールが1回転するためには、多くの人がかかわっていることを忘れてはならない。
サッカーが持っている魅力は、人間が作り出している。

以上

2009.10.19 Reported by サカクラゲン
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