本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第45節 東京V vs 水戸】レポート:輝きを取り戻した緑のユニフォーム。『ヴェルディらしさ』を随所に見せ、水戸を圧倒。松田新監督初陣を晴れやかに飾る。(09.10.19)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月18日(日) 2009 J2リーグ戦 第45節
東京V 2 - 0 水戸 (16:03/味スタ/9,076人)
得点者:3' 飯尾一慶(東京V)、37' 土屋征夫(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 10/19(月)17:00〜(解説:都並敏史、実況:右松健太、リポーター:藤井貴彦/寺島淳司)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------

東京Vの選手たちが実に楽しげにプレーをしていたのが印象的であった。
「(監督交代が)選手たちの気持ちの部分でプラスに向いたのかな」と松田岳夫新監督が語るように、今週、突然の監督交代を経て新たなスタートを切った東京Vがこれまでの停滞した流れを断ち切るかのごとくアグレッシブなサッカーを披露。水戸を圧倒する華麗なパスワークと破壊力を見せ、わずかな準備期間の中で『ヴェルディらしさ』を取り戻していることを証明してみせた。

これまでの東京Vとの一番の違いは前への意識だ。「東京Vは基本的なスタイルはさほど変わってないが、前への意識が出ていた」と水戸・木山隆之監督が言うように、前節まで培ってきた中盤でのポゼッションを重視したサッカーに加え、前に向かう力強さが色濃く出ていた。それが開始早々に実る。序盤から果敢に水戸ゴールを襲った東京V。3分に右サイドを突破した福田健介からのクロスを飯尾一慶がボレーシュート。1度はDFに当たるものの、こぼれ球を自ら押し込んで先制する。
リードを奪い、余裕が生まれたことで、東京Vらしい巧みなパス回しも出始め、水戸のプレスを翻弄する。ショートパスをつなぎながら水戸の守備組織を寄せておいて、一気にサイドチェンジをしてすばやく攻める。それを繰り返すうちに、かつてのヴェルディがよく見せていたふてぶてしいほどの堂々としたプレーが蘇り、水戸を一方的に押し込む展開が続いた。緑色のユニフォームに輝きが戻り始めていった。

さらにこの試合際立っていたのが3人目の動きだ。以前の東京Vは中盤でボールを回すが、前に進まないことが多かった。しかし、「選手には背後にサポートするだけでなく、前線に飛び出すこともサポートの一種だと話をした」(松田監督)ことで、これまでなかなか見られなかった2列目、3列目の選手が前線に飛び出すシーンが再三見られるようになり、攻撃の勢いが増した。中盤でのパス回しと前線に飛び出す動きがうまくかみ合い、厚みのある攻撃で水戸陣内に押し入り、そして37分に右CKを土屋征夫が頭で叩き込み追加点を挙げた。

「これまで個々は頑張っているけど、つながりが少なかった。そういう意味でそれぞれの力が100%出る状況を作っていきたかった」と松田監督は語る。監督就任後、まずは守備の組織作りに着手。チーム全体をコンパクトにしながら1人1人の距離を縮める意識を選手たちに求めた。それにより、全体のバランスがよくなり、攻守において連動性が生まれることとなった。チーム内に組織力が生まれたことで個々も躍動。「今までで一番良さが活きた」(飯尾)河野広貴をはじめ、全員が思い切ったプレーをし、力を発揮してみせた。守備でもDF陣が奮闘。後半途中から運動量が落ち、水戸の反撃を食らうこととなったが、「最後まで選手が全員で守備をするんだという意識を継続しつつゲームを進められた」(松田監督)東京V。「個」と「組織」、「攻撃」と「守備」が融合したサッカーで完勝をおさめることとなった。

クラブの体制も変わり、また、監督交代が行われるなどピッチの内外で新たな出発をした東京Vだが、その初陣となるこの一戦で限りない可能性を示すこととなった。後半には期待の18歳高木俊幸もデビュー。ゴールこそならなかったが、4本もシュートを放つアグレッシブなプレーで存在感を示すなど明るい話題ばかりがこの勝利につきまとった。まだ新体制になって1試合が終わっただけで今後に向けて不確定要素は多いが、それを差し引いてもこの完勝がチームに及ぼす影響は小さくないはずだ。今後、胸を張って前進できるだけの自信を手にしたことは間違いない。東京Vにとって新たな歴史に残る1勝と言えるだろう。

『らしさ』を取り戻した相手に対して、水戸は最後まで自分たちの『らしさ』は見つけることができなかった。チーム全体でボールの取り所がはっきりせず、DFラインは下がらざるを得なくなり、攻め込まれる展開を招いてしまった。また、攻撃においても形を作ることができず、流れの中からチャンスを作り出すことができないなど全体的にチグハグな展開だけが目についた。今週はもう一度水戸のサッカーを取り戻すために「前に選択肢を持ってプレーしていく」(木山監督)ことを徹底したが、この試合でそれを見ることはできなかった。「やろうとしたことの意識はあったけど、ピッチで表現できなかった」と森賢一は肩を落とした。チームの方向性を打ち出せなかったことが敗戦よりも悔やまれるのではないだろうか。
公式戦8連敗、リーグ戦4試合無得点という泥沼にはまっている水戸。この敗戦で3位以内に入る可能性は完全に断たれた。まずは一刻も早く『らしさ』を取り戻したい。

以上


2009.10.19 Reported by 佐藤拓也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/01(木) 12:00 Jリーグ審判レポート(シンレポ!)審判の舞台裏 #5「VARトレーニングに突撃取材!」