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【J2:第45節 栃木 vs 甲府】レポート:甲府キラー・河原の一撃も実らず。トップ4からの金星を奪えなかった栃木。甲府は辛くも3位を死守した。(09.10.19)

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10月18日(日) 2009 J2リーグ戦 第45節
栃木 1 - 2 甲府 (13:03/栃木グ/5,030人)
得点者:3' 大西容平(甲府)、17' 河原和寿(栃木)、79' マラニョン(甲府)
スカパー!再放送 Ch183 10/20(火)10:00〜(解説:田中真二、実況:篠田和之、リポーター:萬代裕子)
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数字は嘘をつかなかった。44節終了時点で75分から89分までの失点数が22(総失点66だから占める割合は30%)と試合終盤に我慢しきれない栃木SCから、「残り15分に自信を持ってやっている」と安間貴義監督が豪語したように75分から89分までの得点数が21(総得点66だから占める割合は30%)のヴァンフォーレ甲府が79分に決勝点を挙げ、クラブ史上初となる4連勝を飾った。栃木は最も難のある時間帯に脆さを露呈し、甲府は最も得意とする時間帯で強みを発揮した。数字は嘘をつかなかった。

甲府に先手を取られると苦しい試合運びを余儀なくされる、とプレビューに書いたが、栃木は開始3分にあっさりとゴールを割られた。入江利和と落合正幸がともにクリアボールを藤田健に当ててしまう、いささかアンラッキーな形ではあったものの、厳しく言えばセーフティにタッチへ蹴り出しておけば、ルーズボールを拾ったマラニョンにドリブルで突っかけられてラストパスを大西容平に通されることも、大西にゴールを決められることもなかった。
立ち上がりからアグレッシブだった甲府は狙い通りに先制点を取り、その後は無理をせずに試合を運んだように見えた。だが、実際はあまりにも早くゴールを奪ったことで、「仕掛ける回数が減ってしまった」(大西)。栃木としては嵩にかかって攻め込まれなかったことで、落ち着きを取り戻せた。
16分、左サイドから入江が失点のミスを帳消しにするような果敢なドリブル突破でマラニョンをかわし、前方の河原和寿へとスルーパス。パスを受けた河原は迷うことなく左足を振り抜いた。「河原のシュートはブレ球だった。なんでこんな時に打ってくるのだろう」とは、J2での100試合出場を果たしたGK阿部謙作。ビューティフルな一撃を逆サイドネットに叩き込まれてはお手上げだ。これで河原は対甲府戦、3戦3発。
試合を振り出しに戻した栃木は若林学の高さ、3‐5‐2の甲府を揺さぶるサイドチェンジを駆使し、両サイドから攻撃を繰り出して主導権を握る。24分には左クロスから岡田佑樹と若林が立て続けにシュートを放ち(岡田のシュートはGKがセーブ。若林のシュートはクロスバーに嫌われる)、43分には岡田が崔根植にクロスを合わせるもシュートに威力はなかった。3バックの両端のスペースを突き、好機をこしらえたものの、2点目が遠かった。

栃木が前半に仕留め切れなかったことで、甲府が後半に息を吹き返した。開始5分間で金信泳、大西、藤田がシュートを打ち込むなど圧力を掛ける。これを栃木は耐え凌ぎ、前掛かりのDFラインの背後へ河原が絶妙のパスを通す。鋭く反応した崔が1対1のシーンを迎えるもGK阿部が阻止。決定機を逸した直後にも、入江の良質なクロスに岡田と若林が頭から突っ込むも、一歩届かず。甲府もマラニョンが裏に抜け出したり、クロスからシュートを放つが決定打とはならない。
絶好機と危機が交互に訪れる試合展開に終止符を打ったのは、マラニョン。カウンターから途中出場、片桐淳至の左クロスをヘディングシュート。「ヘディング練習の成果が出た。第1クールの栃木戦で簡単なシュートを外してから、安間さんに『外しても気にするな。自信を持ってチャンスで決めればいい』とアドバイスをもらった」と第1、第2クールの対戦では決定機を外しまくったものの、3度目の正直で値千金の一発を決め、安堵の表情を浮かべた。失点後、栃木は交代カードを3枚切るが効果なく敗れ去った。

データはあくまでもデータに過ぎない。しかし、甲府は森田浩史、松橋優、そしてアシストを決めた片桐と勝負を掛けるべき時間帯に適した人材をピッチに送り出したことで、データを単なるデータで終わらせることなく、意味あるものとした。
「勝点3を取れたことが一番よかった」と大西が言うように、今は内容に乏しくても結果が最優先され、チーム「ICHIGAN」となって勝点3を得られたことは小さくない。次節も最下位の横浜FCと、下位を相手にした難しい試合になるが、栃木戦で苦戦したことで過信や慢心など生まれないだろう。「負けなければ昇格」というプレッシャーにさらされながらも、3位・甲府は昇格圏内を死守していくのではないだろうか。

今季のJ2を牽引してきたトップ4(C大阪、仙台、甲府、湘南)から金星をひとつも獲得できなかった栃木。先行されてもリハーサル通りに事を進め、同点に追いついたが、その後は「行ったり来たりの展開になるも、甲府の決定力にやられた」(落合)。決定力を執念と置き換えてもいいだろう。河原は言う。「チャンスでしっかり点を取れるから甲府は上位にいる。そこだけの差だが、そこが大きい」。落合も「組織だけではなく、個の力も上げていかないといけない」と個のレベルアップを訴える。
組織力はトップ4と遜色ないことが証明された。残り6試合、来季へ向けて個の力量(勝利への執念)を少しでも高める作業を行わなければならない。

以上

2009.10.19 Reported by 大塚秀毅
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