10月17日（土）J2 第45節 草津 vs 岐阜（15:00KICK OFF/正田スタ）
スカパー！生中継 Ch183 14:50〜（解説：秋葉忠宏、実況：吉田学、リポーター：円戸由香）
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５１試合という長丁場のリーグ戦も残すところ７試合。今節は中位で激しい順位争いを繰り広げる１１位・草津と１２位・岐阜が対戦する。１５勝１０分１９敗の草津と、１４勝１３分１７敗の岐阜の勝点はともに５５で、得失点差でわずかに草津が上回る。両チームは今ゲームで勝利を収めると富山の結果しだいでは１０位までランクアップが可能、１ケタ順位が視界に入ってくるだけに重要な一戦となる。

今季の対戦成績は草津の２戦２敗。第１クールは、草津が開幕３連勝を果たした直後の４節で激突、岐阜のハードワークとカウンター１発に沈んだ。第２クールの対戦は草津にとって雪辱を果たすためのゲームだったが、チーム力が上昇した岐阜にオウンゴールを献上し敗れた。今節、「９３２５プロジェクト」と題して集客作戦を進める草津は、サポーターの力も借りて岐阜から勝利をもぎ取りたい。

第１クールを４勝４分９敗と大きく負け越した岐阜だが、若い選手たちが急成長。第２クールはクラブ初の４連勝を記録するなど大きく順位を挙げた。４１節から４３節までは栃木、甲府、鳥栖に３連敗、前節東京Ｖ戦はドローとなりリーグ戦では４試合白星から遠ざかったが、松永英機監督が「ネガティブにとらえる必要はない」と語るように状態は悪くない。１１日の天皇杯２回戦では栃木を１対０で下して再浮上の気運をつかんだ（３回戦では、浦和を倒した松本山雅と対戦）。草津戦ではリーグ戦５試合ぶりの勝点３を狙う。

今季の岐阜を支えるのは、やはり中盤だ。トップ下・菅和範、左右ＭＦに高木和正、嶋田正吾、そしてワンボランチに橋本卓を配置する「ダイヤモンド」は、上位陣をも苦しめている。菅、高木はもちろん、チーム唯一の全試合出場を続ける嶋田も攻撃にバリエーションをつける。草津・櫻田和樹は「岐阜は中盤の選手の能力も高いし、上位陣と比べてもそん色のないチームだ」と警戒する。最近の草津がゾーンディフェンスを選択しているため岐阜は、切り替えの速いサッカーを出来るかがポイントとなる。９０分間を通じて走り抜く中盤４銃士が、草津のギャップを突ければチャンスは広がる。

草津は１０日の天皇杯２回戦でＪＦＬのＳＡＧＡＷＡ ＳＨＩＧＡ ＦＣを順当に下して３回戦（ＦＣ東京戦）へと駒を進めた。草津は第２クールまで前線からプレッシングを仕掛けていたが、第３クール途中からブロックディンフェンスへと守備システムを変更。両サイドのスペースを埋めたことと、コンパクトなスペースでの戦いができるようになったことで、「個」の力が発揮されるようになった。草津のカギは、４−４−２の「フラット」な中盤が握る。

今節は、中盤の要・松下裕樹の出場停止が解けてチーム戦力は完全に整った。前節までは出場停止やケガ人が重なり苦しい状況だったが、チャンスを得た小林竜樹、佐藤穣や有薗真吾らが好パフォーマンスを魅せて存在感を示した。「チーム内に競争が生まれて、良い方向に進んでいる。若い選手たちは気持ちの入ったプレーをみせているし自分らも負けてはいられない」（喜多靖）。草津は１４日にテストマッチを行い、控え組のパフォーマンスをチェック。今節は三澤慶一らフレッシュな選手にチャンスが巡ってくる可能性が高い。

１１位・草津と１２位・岐阜の「借金」は、それぞれ４と３。今季の戦績を勝ち越しとするためには、今ゲームは落とせないゲームとなる。廣山望は「第３クールで４連勝はしたが、まだ負け越しているので成績を五分に持っていきたい。今は、勝つことがチームの財産となる」と結果へのこだわりをみせる。残り７試合、Ｊ２は第４コーナーを回り、直線コースもいよいよ最終局面へと突入した。ここから先は、持てる力を信じて全力で駆け抜けるしかない。

以上

2009.10.16 Reported by 伊藤寿学