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【第89回天皇杯2回戦 愛媛 vs 福岡】レポート:ドドの愛媛初ゴールでカラーゴールネットを揺らしても、届かなかった勝利。様々な困難を乗り越えた福岡が鹿島への挑戦権を獲得。(09.10.12)

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10月11日(日) 第89回天皇杯2回戦
愛媛 2 - 2(PK 2 - 4)福岡 (13:00/ニンスタ/1,216人)
得点者:22' ドド(愛媛)、41' 黒部 光昭(福岡)、44' 内村 圭宏(愛媛)、72' 中払 大介(福岡)
天皇杯特集
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120分間、死力を尽くしても決着がつかなかった天皇杯2回戦、愛媛と福岡の一戦。結果的には田中俊也、三上卓哉と続けてPKを失敗した愛媛に対して、福岡は4人全員がキッチリと決めてPK戦の末に3回戦進出を果たし、J1鹿島への挑戦権を得た。

しかし、不運な出来事が重なり、当初厳しい状況に置かれていたのは福岡のほうだった。「いろんなことがあって、逆にチームがまとまった」と試合後に語ったのは福岡の中払大介。彼自身、試合前のウォーミングアップ中に起きた大久保哲哉の負傷により、急遽スタメンが回ってきたわけだが、試合前から福岡には災難が続いていた。昨日、松山空港では小型プロペラ機が胴体着陸したため、滑走路が閉鎖される事態となった福岡は急遽陸路で松山入り。ホテルに到着したのは午後9時30分ごろだったという。さらに試合前には大久保が負傷し、前半の間に城後寿と田中佑昌も負傷交代を余儀なくされるというアクシデント続きの状態だった。

その福岡に対して、前半は先手を取った愛媛。22分には関根永悟のクロスを永井俊太が落とし、ドドの愛媛初ゴールをお膳立て。9月13日に行われたリーグ戦、四国ダービーから数えて4試合目にして、ようやくチームカラーのオレンジとネイビーのカラーゴールネットを揺らすことができた。さらに、続く32分には横谷繁と三上で左サイドをえぐり、逆サイドの関根がミドルシュートを放つなど、狙いだったサイド攻撃で愛媛は福岡を攻め立てた。そして41分にはワンチャンスを黒部光昭にダイビングヘッドでねじ込まれ、同点に追いつかれた愛媛だったが、すぐさま三上のクロスから最後は内村圭宏が頭で押し込み再びリードを奪った。そのまま、試合を折り返したまでは愛媛にとって決して悪くないゲーム運びだった。

しかし、後半は困難な状況下で粘り強く耐えていた福岡が主導権を奪い返す。中盤の5人が絶えずポジションを入れ替えてボールを保持し続けると、次々と2列目から選手が飛び出して愛媛のゴールに迫った。「後半はサイドハーフも(守備に)引っ張られてズルズルと下がり、ファーストディフェンスもハッキリさせることができずに後手に回ってしまった」と金守智哉は悔やんだが、押し込まれた状況で犯したファウルから愛媛は同点ゴールを許し、試合を振り出しに戻してしまった。

そのまま試合は延長戦にもつれ込んだが、両者ともゴールは奪えず。延長戦の序盤こそ、福岡は高橋泰や黒部がシュートを放ち、愛媛は横谷のロングパスから田中俊也が抜け出したものの決定打には至らなかった。その後は誰かが足をつってはピッチを離れ、戻ってくればまた別の誰かが倒れる消耗戦に。勝負の行方を決めるPK戦で愛媛はバルバリッチ監督ほか、スタッフとベンチメンバー全員が肩を組んで勝負の行方を見守ったものの、勝利の女神は福岡に微笑んだ。

「相手が勝利に値するプレーをしていた」と試合後にバルバリッチ監督は語ったが、確かにPK以外の120分間を見ても福岡の3回戦進出は妥当だったといえる。「愛媛は前半、プレスに来ると分かっていたが耐えられずに2失点したことは課題」と中払は反省したが、それでもアクシデント続きの中で得点差を最少限に止め、後半以降は「弱点は最終ラインが早く下がることだと思っていたので、ボールをつなごうと話していた」と振り返った森下仁之ヘッドコーチの言葉通りに試合を運んだ。

逆に愛媛としては選手たちが口をそろえて悔やんだように、前半のプレーを続けられなかったことが最大の敗因。「無意識のうちに2-1というリードしている状況を守りたくてディフェンスラインが下がったのではないか」とバルバリッチ監督は敗因の一つを分析したが、後半以降は攻撃に移っても勝負を避ける場面が増え、積極性を欠いてしまったことも敗因となった。90分間で言えば負けたわけではないし、2得点に関してもトレーニングの成果がハッキリと見えた。それでも、カップ戦は結果が全て。取り返しがつかない敗戦をどのように生かし、今後の残されたリーグ戦をどう戦うのか。愛媛のサポーターはバルバリッチ監督の初勝利を待ち続けている。

以上

2009.10.12 Reported by 近藤義博
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