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【第89回天皇杯2回戦 仙台 vs 金沢】レポート:要所でのミスが目立ち、仙台は延長まで持ち込まれた。関口訓充の得点で3回戦に駒を進めたものの、チームは課題をかみしめることに。(09.10.11)

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10月10日(土) 第89回天皇杯2回戦
仙台 1 - 0 金沢 (13:00/ユアスタ/4,429人)
得点者:90' 関口訓充(仙台)
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待ちに待ったゴールなのは間違いないのだが、それを決めた関口訓充に、喜ぶそぶりは見られない。これがせめてあと1分早ければ大団円もあり得たが、ゴールは既に延長に入ってしまった直後の延長前半0分(公式記録では90分となる)。たった1分の違いで、仙台は30分間の延長戦を戦う羽目となってしまった。
この日のメンバーには、ゴールを決めた関口の他にも、3日前に行われた横浜FC戦などリーグ戦での出場を重ねている選手が存在していた。それゆえに、勝利はもちろんながら、出来ることなら90分でしっかりと試合を終えておきたかったし、ユアスタに詰めかけた仙台サポーターの願いも同じだったはず。
もっともそのことは、「最低限の結果は出した」という言葉を試合後に揃って発した仙台の監督、選手たちが、とやかく言われずともよく理解していることと思われるが。
要所での連携が欠けたり、ラストパス、もしくはFWに打ち込むパスなど、大事な局面での精度が失われていては、どんな試合であれ苦しむ結果になる。30分の「延長レッスン料」を取り返すには、残りのリーグ戦7試合、そして3回戦に勝ち進んだ天皇杯で、同じことを繰り返さない姿を見せる以外にない。

試合立ち上がりの10分間は、仙台が出足良く金沢ゴールを攻め立てた。高い位置でボールを奪ってからの攻めが機能し、強烈なシュートが金沢のGK田代祐平を脅かす。
だが、後が続かない。徐々に勢いが落ちてくると、基本4-3-3ながら両ウイングが自陣奥深くまで下がり、実質4-1-4-1と呼べる状態となって、しっかりとした守備ブロックを形成した金沢を崩せなくなる。
ただこれには、冒頭で触れた仙台側の相次ぐミスという理由も大きかった。そして悪い流れは後半、さらに加速する。ミスを恐れてか、個々の積極性まで欠け始め、ペナルティーエリアまで押し込んだ後も、譲り合うかのごときパス回しで、結局シュートに到らずボールを奪われる場面が何度も続いた。

対照的に、金沢はさらに勢いづく。序盤はセットプレーやロングスローでのチャンスが主だったが、90分終了の直前には流れからチャンスを作り出した。86分、中央の根本が浮き球のスルーパスをゴール左に送り、そこへ左サイドを駆け上がってきたサイドバックの園田清次(守勢に回ることの多かった金沢の中で、その攻撃性が終始目立っていた)が飛び込んできた場面や、88分、スルーパスに抜け出したボランチの山道雅大がGK桜井繁をもかわした場面(結局はドリブルが長くなってゴールラインを割る)など、仙台側の肝を冷やすに十分なシーンが何度もあった。

しかし結局、脅かすだけではダメだった、ということになる。延長に入った直後、仙台は共に途中投入の三澤純一と飛弾暁がコンビで右サイドを崩し、センタリングがゴール前に入ってくる。正面の中原貴之のヘッドはファーサイドに流れていくが、そこにボールが来ることを読んでいた関口が詰めていた。迫るGKの上を抜くヘッドがようやくネットを揺らし、仙台が先制する。
かつてのVゴール時代と異なり、仙台にゴールが決まっても最後の30分まで続く延長戦。試合感覚の短さから体力面で劣る仙台としてはまったく息の抜けない展開となり、100分に金沢のデニスが2枚目の警告により退場となっても、大きく流れを変えることはできない。カウンターのチャンスも中原が左ポストに当てて実らない中で、延長後半にはきわどい場面を作られるものの、最後は何とか逃げ切った。

「今日のゲームの内容では、満足してはいけないと思うし、勝って次に進めるというところは逆に良かったと思う。出たメンバーも『これじゃいかん』というところは気がついたと思うし、私もいろいろ見させてもらったところがある」。試合後の手倉森誠監督に笑顔はなかったが、それも無理はない。
視点を変えれば、今回は延長有りのトーナメント戦だったから、なんとか「勝利」という結果を得ることができた。だがこれがリーグ戦だったら、仙台は貴重な勝点を失う結果となっていた。その意味でも、今回の苦戦を仙台は、貴重な経験としなければいけない。

以上
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