今日の試合速報

10月8日(火)24時〜27時 J.LEAGUE.jp メンテナンスのお知らせ

J’s GOALニュース

一覧へ

【第89回天皇杯2回戦 名古屋 vs 沖縄】レポート:地域リーグとの実力差を見せつけ、名古屋が沖縄から4得点の圧勝。順当に3回戦へと駒を進める(09.10.11)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月10日(土) 第89回天皇杯2回戦
名古屋 4 - 0 沖縄 (13:01/刈谷/2,503人)
得点者:42' 三都主 アレサンドロ(名古屋)、68' ブルザノビッチ(名古屋)、80' ブルザノビッチ(名古屋)、86' 巻 佑樹(名古屋)
天皇杯特集
----------

「結果に驚きはない。今日は普通のゲームだった」
試合後の名古屋・ストイコビッチ監督の言葉が、この一戦を最も端的に表している。J1リーグの強豪で、今季はAFCチャンピオンズリーグで4強に進出しているチームと、地域リーグのチームが対戦すればどうなるか。答えはおのずと見えてくる。

沖縄県代表の沖縄かりゆしFCは、1回戦を4−1で快勝し、名古屋との2回戦へ駒を進めてきた。1回戦で2得点を挙げたサイドハーフの櫻田真平をはじめ、この日のメンバーは前戦とまったく同じ11人。九州リーグ1位の力が、どれだけトップチームに通用するかは見ものではあった。

対する名古屋は、1週間前に行われたリーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨んできた。国際Aマッチでチームを離れている日本代表の玉田圭司とオーストラリア代表のケネディの代役には巻佑樹とブルザノビッチ。さらには攻撃の要であるサイドハーフには津田知宏と若い田口泰士を起用し、非常にフレッシュな前線を構成してきた。控えにも松尾元太や佐藤将也、新川織部など若手を多くベンチ入りさせ、J1の強豪としての余裕を見せる。

名古屋にとってはこれがトーナメントの初戦。相手の実力も読めない中で、前半はゆったりとした入り方からスタートした。3分にはワンツーから抜け出した津田が、4分には三都主アレサンドロのFKに合わせた巻が決定機を迎えたが、ここは沖縄GKの高橋信幸が好セーブを連発。高橋はこの後90分を通して出色のセービングを見せ続け、沖縄を鼓舞し続けた。名古屋は慣れないメンバー構成のせいかビルドアップでミスを頻発し、思うようなリズムを刻むことができない。特にサイドハーフで自身初の先発出場を果たした田口は「消極的になってしまった」とチームに推進力を与えることができなかった。

それでも試合は名古屋が支配した。沖縄も「ラインを保って前からいいプレッシャーはかけられた」(仲本洋監督)と果敢なディフェンスで立ち向かったが、やはり実力差は歴然。それでも高橋の好セーブで17分、21分、26分の決定機をしのぎ、前半は0−0で終えそうな展開には持ち込んだ。しかし42分、流れの中でのパスワークに翻弄され、ペナルティエリア内でDFが痛恨のファウルを犯してしまう。三都主がこのPKを冷静に沈め、均衡が破れた形で前半は終了。名古屋の阿部は「前半を0じゃなくて1で終えたのは大きかった」と語ったが、確かに沖縄からしてみれば、緊張の糸が切れかねないショックを受けたことだろう。

後半は一方的な名古屋ペース。2分と5分に沖縄が決定機を迎えたが、これはともにゴールマウスのわずか外へ。10分を過ぎる頃には徐々に沖縄の運動量が落ち始め、名古屋の攻撃が加速し始める。名古屋は後半頭から田口と杉本恵太が交代。11分には津田とマギヌンが、18分には三都主が小川佳純と交代し、前線に次々とてこ入れを図っていた。特にマギヌンと小川はビルドアップからの攻撃の構築を劇的に改善し、沖縄を自陣へ押し込む原動力となった。そして23分、杉本の突破から一度はクリアされるも小川がつなぎ、ブルザノビッチがミドルシュートを叩き込んで追加点。35分には田中隼磨、杉本と右サイドでつなぎ、またもブルザノビッチがゴールを挙げる。とどめは41分。マギヌンのCKを二アサイドで巻が合わせて4−0とし、沖縄の戦意を完全に消失させた。

まさしく順当勝ち。意地もプライドも見せず、ただ普段どおりの戦いで名古屋は地域リーグを圧倒してみせた。ストイコビッチ監督は冒頭の言葉だけでなく、こうも述べている。「何人かの選手にチャンスを与え、玉田やケネディらも出ていない。今日の試合は任務遂行といった感じでした」
カテゴリーの実力差をまざまざと見せつける内容に、さしたる収穫も喜びもない。だが、この1勝はリーグ戦での来季ACL出場権獲得に黄信号が点っているチームにとっては、決して軽いものではない。天皇杯優勝でのACL出場権確保は名古屋に残された今季最後の課題。その「任務完遂」まではあと4つの勝利が必要だ。その意味でこの日の収穫は、3回戦へと無事に駒を進められたことと言えるだろう。ホームで迎える3回戦(11/1@瑞穂陸)はACL準決勝の決着がついた直後となる。名古屋がどのような状態で、どのようなメンバーを天皇杯に送り込んでくるか、次戦を楽しみに待ちたい。

以上


2009.10.10 Reported by 今井雄一朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/10/07(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田Jリーグ全ゴールまとめ【1004-1006】