10月11日（日）第89回天皇杯2回戦 清水 vs 佐川印（13:00KICK OFF/アウスタ）
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☆天皇杯特集
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　今年は2回戦からＪリーグ勢が出場することになった天皇杯。そのため、現在J1で首位に立つ清水も、元日の国立競技場で栄冠を勝ち取るには、6試合を勝ち抜かなければならない。その初戦としてホームのアウスタに迎える相手は、JFLで7位の佐川印刷SC（京都代表／6回目の出場）。当然、チームの地力に差はあるが、少しでも油断すれば足下をすくわれかねない力を持った相手でもある。

　この試合に向けて、清水は日本代表に選出された、岡崎慎司、岩下敬輔、山本海人の3人が不在。その他にもコンディション的な問題で休ませたいメンバーも何人かいて、今後のリーグ戦を考えて試合経験を積ませたい選手もいる。そのため、ある程度メンバーを入れ替えてくることが予想されるが、今年から天皇杯にもいわゆるベストメンバー規定が設けられた。大会規程に「その時点における最強のチーム（ベストメンバー）をもって試合に臨まなければならない」という条項が加えられたわけだが、Jリーグのような明確な基準はなく、罰則も設けられていない。そう考えると、清水がこの規定をどう解釈し、どのようなメンバーを組んでくるかというのは興味深いところだ。
　いつものように試合前2日間は非公開練習となっているため、スタメンを正確に予想するのはむずかしいが、FW原一樹の公式戦15試合ぶりの先発出場、GK西部洋平の17試合ぶりの出場は、ほぼ確実なところ。西部は「つねに準備はできている。試合に出られれば、思いきりやって良いプレーをしたい」と意気込み、原も日本代表での岡崎の大活躍（10/8 香港戦）に刺激を受けて気合い十分。とくに原は、J1での優勝を賭けた残り6試合に向けて、何としても調子を上げてきてほしい選手だ。
　左ふくらはぎの痛みも癒え、原にとっても完全復活を印象づけたい試合。天皇杯で3回戦に進むためにも、当然チームとして点を取って勝たなければいけないため、ぜひこの試合でゴールを決めてほしいところだ。
　また、その他にも貴重な出場機会を得た選手たちが、どれだけチームを活性化する働きを見せられるか。今後、リーグ戦でも出場停止などでチャンスが巡ってくる可能性があると考えると、彼らのアピールにも大いに期待したいところだ。

　その清水に挑戦する佐川印刷は、1回戦でびわこ成蹊スポーツ大学（滋賀代表）を1-0で破って2回戦に駒を進めてきた。1986年に創部し、2002年には関西社会人リーグで優勝し、入れ替え戦を経て2003年からJFLに昇格。JFLでは昨年まで最高11位という成績だったが、今季は28節を終えた時点（残り6試合）で7位と、チーム力を伸ばしている。
　かつて京都や湘南といったＪリーグのチームに所属していた選手も何人かいるが、基本的には監督、スタッフ、選手のほとんどが佐川印刷の社員で、会社の業務にも従事しているというチーム構成だ。

　清水は天皇杯において、2006年には栃木SC（当時JFL）に6-4、2007年には明治大学に3-3からPK戦で辛くも勝利と、フレッシュな挑戦者に大いに苦しめられた経験がある。佐川印刷としても、ぜひその再現を起こし、あわよくば大金星をと意欲的な戦いを仕掛けてくるはずだ。
　清水がそれを許さないようなスキのない戦いを見せられるか。また佐川印刷がJ1でも有数の美しさを誇るアウスタのピッチ上で100％以上の力を発揮できるか。天皇杯でしか見られない楽しみが、この試合にはたっぷりと詰まっている。

以上

2009.10.10 Reported by 前島芳雄