今日の試合速報

10月8日(火)24時〜27時 J.LEAGUE.jp メンテナンスのお知らせ

J’s GOALニュース

一覧へ

【第89回天皇杯2回戦 川崎F vs R山口】プレビュー:勝たなければならないというプレッシャーの中、保有選手を絞っている今季の川崎Fにとっては選手層を厚くする絶好のチャンス。(09.10.11)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月11日(日)第89回天皇杯2回戦 川崎F vs R山口(13:00KICK OFF/等々力)
-試合速報はこちら-
天皇杯特集
----------

さすがに鹿島とのJリーグ史上初の再開試合を勝利で終えただけにチームは一息ついた様子が見受けられる。先日、ACLで敗退するまではそのACLとヤマザキナビスコカップ、そしてJ1リーグ戦の3つの大会を同時進行で戦い、優勝争いの只中にいたのである。ただでさえ試合数が増える中、そこに本来予定されていなかった21分間の試合が追加されれば、蓄積する疲労も相当なものになるだろう。そういう意味では、優勝争いの直接的なライバルにあたる鹿島を下し、精神的な区切りを感じたとしても不思議ではない。ただ、そうした状況に釘を刺すかのように関塚隆監督は、この天皇杯2回戦までを一つの区切りとして認識していた。

今大会から天皇杯は、2回戦からJクラブが登場する事になっている。この2回戦で川崎Fが対戦するのはレノファ山口というクラブで、中国地方のクラブによって行われている中国リーグに所属するチームである。中国リーグはJ2の下部に位置するJFLのさらに一階層下にあたる地域リーグで、便宜的に分けるなら日本では4部リーグに相当するリーグに所属するクラブという事になる。

川崎Fとしてみれば勝って当たり前。しかしレノファ山口にとっては、勝てれば儲けもの。負けても失うものは何もない、という試合となる。そして、そうした、ある意味捨て身で戦えるチームほど対戦相手として厄介なものはない。何しろ通常のJリーグにおけるセオリーが通用しないのである。彼らにしてみれば、走れるところまで走り回り、1点でも奪えればあとは自陣に引きこもり、ただひたすらに守備を固めればいい、というような割り切った戦いが可能となる。もちろん川崎Fが失点する可能性は低いのだろうが、サッカーは何が起こるかわからない。

そうした天皇杯での難しさを見越した関塚監督は、鹿島との再開試合を終える事で「一息つけますね」との報道陣からの問いかけに対し「水曜日の試合(鹿島との再開試合)で勝ち点3を取り、天皇杯(の試合)が明けるまでは気が抜けない」と話していた。日程的に見ても天皇杯2回戦が終わる事で、1週間の時間が取れる状況にあり、この試合が終わるまでは戦う気持ちを切らすべきではない、という事を伝えたかったのだろう。つまりこの試合は、川崎Fにとって相手がどうこうという以前に、自分たちの心の中に生まれがちな油断との戦いという側面がある事を認識しておかなければならないのである。

川崎Fとしてみれば順調に得点を重ねられればいいのだが、もし仮りに早い時間帯に失点してしまうような事があると、難しい試合になる事を覚悟しなければならない。相手は実質4部である。失うものがないチームほど怖い相手はない。ただ、ありえない事が起こりうる可能性については、川崎Fはいい経験をしているともいえる。鹿島との再開試合である。ご存知の通り、この試合で川崎Fは再開の笛が鳴ってからわずかに8秒で失点。どれだけ気をつけていても、相手の勢いや、タイミング、運などが重なれば何が起きるかわからない、という事を身をもって経験した形となっている。
失点しないだろうという思いはあくまでも願望であり、確実に無失点で抑えられる事を確証するものではない。またそういう事実を鹿島戦で体験した川崎Fは、関塚監督の指導もあって、おそらくは磐石の試合運びを見せてくれるものと信じている。

今後のリーグ戦の事を考えて、川崎Fは多少の先発メンバーの入れ替えがありそう。もちろん、代表招集されている中村憲剛や川島永嗣のポジションは言うまでもない。チャンスをもらった選手たちは、ポジションを掴むためのアピールの場として、120%の力を出してくれるはず。そうしたプレーの中に新しい発見ができないか、期待したいと思う。

サッカーは相手のある競技である。しかし前述の通りこの試合に関しては自分たちの心の中にある油断との戦いになるのではないかと思っている。相手はJ1クラブを倒し、一旗上げようと目論んでいるチームだ。全国的に知られた選手はいないが、レノファ山口の選手たちにとって、普段戦うことのできない相手との一発勝負への思いは強いはず。そうした下克上への執念を燃やす相手との対戦を、川崎Fがどのようにコントロールしていくのか。普段とは違った視点でこの試合を見てみたいと思っている。

以上


2009.10.10 Reported by 江藤高志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/10/06(日) 00:00 ハイライト:新潟vs鹿島【明治安田J1 第33節】