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【第89回天皇杯2回戦 山形 vs 日文理】プレビュー:J1大分を昇格に導いた指揮官と守護神が対決!日本文理大学は山形との力の差を一体感で埋め、J1の壁に挑む。(09.10.11)

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10月11日(日)第89回天皇杯2回戦 山形 vs 日文理(13:00KICK OFF/NDスタ)
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大分トリニータとのリーグ戦から1週間。天皇杯に舞台を変えるNDスタにモンテディオ山形が迎えるのは、またも大分からの刺客だ。JリーグのG大阪や大分でプレーした元日本代表GK岡中勇人監督が昨年2月から率いる日本文理大学が、2年連続で大分県代表の座を射止めている。昨年は1回戦で熊本・大津高校に1−2と敗れたが、今年はJFLのニューウェーブ北九州に1−0と粘り勝ちして初戦を突破し、「J」への挑戦権をつかんだ。

基本フォーメーションはボランチを2枚置く4−4−2。「飛び抜けた選手はいません。日本や九州の大学選抜に選ばれた選手もいないし、大学にスポーツ特待制度もない。相手どうこうというより、自分たちが全員で守って全員で攻撃ですね。スタイル的にはそれほど特徴はないと思いますが、攻撃においても守備においても一生懸命に頑張る、学生らしいサッカーです」と岡中監督はチームカラーを語る。主戦場となる九州大学リーグ1部では昨年5位。今年もここまで8チーム中5位に着けているが、後期に入ってからは2勝1敗と順調に滑り出している。1敗は10月3日に行われた直近の福岡大戦で、0−4と敗れているが、前期に大量失点を献上して敗れた宮崎産業経営大学や福岡教育大学には、後期できっちりとリベンジを果たしている。

天皇杯1回戦ではシュート数6対13と押される展開ながら粘り強く守り抜いた。0−0の均衡を破ったのは60分。2トップの一角・福井理人が左サイドをえぐり、グラウンダーのクロスにもう1人のFW砂本貴洋が合わせゴールを奪った。正キーパー川端康平が就職活動で不在というにアンラッキーはあったが、代わったGK永田真章を中心に無失点を達成したことも大きな収穫。福岡大戦ではそのまま永田を先発させて大敗しているが、今回は川端を戻すのか、あるいは永田で天皇杯の流れを維持するのか、選択肢がある岡中監督にとってはうれしい悩みの種だ。

「うちはチャレンジャーなので、自分たちの今までやってきたことを出せればと思います。ただ、一生懸命やっても現実的な、体力的な差はある。そこをいかにして埋めるかということですね。一生懸命やるというだけです」とあくまでも謙虚な姿勢の岡中監督に対し、S級ライセンスの同期で特に仲がよかったという山形の長島裕明ヘッドコーチは「ちゃんとやっている人ほどそうやって言うから(笑)」と、その裏でしっかりと準備をしてくるであろうことを見越している。

アップセットを果たし2回戦に勝ち上がってきた日本文理大学の情報は多くない。そのなかで、天皇杯1回戦の映像をチェックした山形・小林伸二監督は、「(日本文理大学は)組み立てという形で、中盤をしっかり使って回していくという感じではなかったですよね。キーパーが蹴ったりロングボールのセカンドを拾ってチャンスになったり、スペースに蹴ったのがチャンスになったりというのが見えます」と分析する。この試合でも山形の押し込む時間帯が多い展開が予想されるが、それだけに、日本文理大学のカウンターには十分な注意が必要だ。

しかし小林監督は、「相手も気にせんといけないし、選手には情報も与えますけど、それ以上に、自分たちでやることの精度が大事だと思います」とプレーの主体性を求めている。「おそらくプレッシャーはJ1よりは甘いと思うので、そのなかでボールが回せたり、意図的にボールを運べたり崩せたりというのができればいいなと思います」。選手にもその意図は伝わっている。「相手も上とやるときはそれなりの強い気持ちで来るから、受け身にならないように、いつもどおりやっていることを出せればいい」とMF佐藤健太郎。DF西河翔吾も「相手もガンガン来ると思うので、それを受けて立つようだったらやられる。徳島時代に国士舘大にやられた苦い思い出(前回大会3回戦)があるので、絶対先にやられないようにしないといけない」と話す。相手の情報が少ない試合は慎重になりがちだが、さりとて受け身になることなく自分たちのペースをつかみ、先制点を奪いたい。
多くのJチーム同様、今年から天皇杯にも導入された「ベストメンバー規定」をどう解釈するかにも注目が集まる。小林伸二監督は「コンディションがいい選手とか、モチベーションが高かったり出番を待っている人が出たほうがいい時もあるし、難しいところですよね」と頭を悩ませるが、金曜日の紅白戦を見る限り、リーグ戦から大幅な入れ替えを想定しているようだ。昨年の3回戦ではやはりメンバーを入れ替え、最後は4−1で突き放したものの延長戦までもつれ込む不甲斐ないゲームをしている。プロとアマの差を示すには、結果だけでは十分ではない。どんな11人がピッチに立つにしろ、ふさわしい内容もセットで求められる。

岡中監督は2002年の大分J1昇格、03年のJ1残留時の守護神で、当時の指揮官は小林監督だった。「選手たちがよくつかみ取ってくれた。Jのチームと対戦するチャンスを天皇杯で与えてもらったということでは、すごく感謝しています」という岡中監督と、「相手は格下になるけど、サッカーはわからない。『勝てるだろう』じゃなくて、『勝つためにどうするか』ということ。それがいい方向に次の神戸戦につながるんだよと選手には伝えています」という小林監督。山形がJ1元年を戦い、大分が降格危機に瀕しているこのタイミングで実現するのも、巡り合わせを数奇なものにしている。

以上

2009.10.10 Reported by 佐藤円
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