10月11日（日）第89回天皇杯2回戦 大分 vs 横河（13:00KICK OFF/大分陸）
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☆天皇杯特集
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　今年からJ1・J2クラブが2回戦から登場するとあって、トーナメント序盤から楽しみが増えた。今カードは、J1の大分が2カテゴリー下のJFLの横河武蔵野FCに胸を貸すという形になる。ただ、番狂わせや多くのドラマが生まれやすいトーナメント戦とあって、リーグ戦とは異なる面白さや怖さを味わえる戦いでもある。

　大分はここ3試合スコアレスドローが続いている。負ければJ2降格が決定的になる崖っぷちの状態で、選手は何とか平常心を保ちながら戦っている。この試合、キリンチャレンジカップ2009で日本代表デビューを果たした西川周作の代わりにゴールマウスを守るであろう下川誠吾は「選手は降格のプレッシャーを感じているのは確か」と、見えない敵との戦いに苦しむチームの状況を明かした。「ただ、チームとしてのコンセプトは明確になっている。守備は（藤田）義明を中心にしっかりカバーし連携がとれている。攻撃も練習から取り組んでいる形はできている。運もあるが、決めるべきところで決めればチームは一気に波に乗る可能性はある。リーグであろうと天皇杯であろうと試合に臨むスタンスは変わらない。勝利を目指し戦うだけ」と、JFLのチームであろうと全力で“挑戦する”姿勢を示した。今の大分に油断などという言葉はない。内容、結果で相手を圧倒し、一週間後の首位・清水とのリーグ戦に弾みをつけたいところだ。

　対する横河武蔵野FCは、今季は開幕から上位争いを展開。99年からJFLに参戦している古豪は、現在リーグ4位で9年ぶりに天皇杯の出場権を得た。突出した個の力はないが、全員が献身的に動き、攻守一丸となって戦っている。失うものは何もない。一泡吹かせてやろうとの思いは強いはず。引いて守るのではなく、ただひたすら大分ゴールを目指してほしい。実力では劣っていても結果は最後まで分からない。それが天皇杯なのだから。

　会場は、J2時代まで数々の熱戦を繰り広げた大分の聖地・市陸（大分市営陸上競技場）。99年から3シーズン続けてあと一歩のところでJ1昇格を逃した過去がある。ただ、これらの苦労や挫折を経験したからこそ、クラブとしてタフに戦うノウハウがストックできた。そして、J1に昇格し、過去4度も降格争いを演じたが、負けられない試合で勝負強さを発揮してきた。5度目の降格争いを強いられている今、“大分らしさ”を取り戻すきっかけをと願うサポーターは多い。聖地での声援はそんな思いが詰まったものになるだろう。

以上

2009.10.09 Reported by 柚野真也