10月10日（土）第89回天皇杯2回戦 湘南 vs 明治大（15:00KICK OFF/平塚）
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☆天皇杯特集
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各地で傷跡を残した台風18号は、相模川沿いにある馬入の練習グラウンドも見逃してはくれなかったようだ。前節徳島戦の翌日、湘南は冠水のため人工芝でトレーニングを行なった。ゴールキーパーからのビルドアップが意識されたメニューは、つぎの試合に向けてさまざまなポジションにトライする意図も含まれていた。

週末の天皇杯2回戦を控え、反町康治監督は布陣に手を加えることを示唆している。中3日の連戦を終え、ふたたび中2日で日中の公式戦を迎えることを踏まえれば疲労の考慮は当然の対処といえる。ただ無論、それだけではない。そこにポジティブな意図が潜んでいることは指揮官の言葉が教えてくれる。

「チームとしての戦い方がいかに浸透しているかが試される。また途中出場の多い選手にとっては、オフィシャルのゲームで最初からピッチに立つ大切さを知るという意義もある」

事実、熱を帯びる日ごろの紅白戦では若手中心のチームが勝つことも少なくない。そしてそれを反町監督は「喜ばしいこと」と語っている。出場機会を虎視眈々と狙う彼らの活躍はすなわち、チームのボトムアップに他ならないからだ。「メンバーが変わって戦い方やチーム力が変わってしまうようではいけない」とつねづね口にしている指揮官のもと、シーズンを通したチームとしての取り組みが天皇杯の舞台で発揮されればなおのことである。

熾烈な昇格争いの渦中にあるその湘南が迎え撃つは、JR東日本カップ2009 第83回関東大学サッカーリーグ戦1部で3位につける明治大学だ。中央大学との上位決戦には敗れたものの、前節は法政大学に粘り勝ち、優勝争いに食らいついている。湘南DF村松大輔の藤枝東高時代の先輩で、磐田が獲得に動くと先月伝えられたNO.10山田大記をはじめ、ポストプレーとともに足元の技術も優れるFW久保裕一やリーグ戦4得点のFW山本紘之、1年生FW山村佑樹、広島皆実で昨年度高校選手権を制覇したDF松岡祐介、山田に次ぐアシストを数えるMF小林裕紀など才能が集う。神川明彦監督のもとで運動量豊富に走りきるチームに対するアップセットの期待は高い。実際、一昨年の記憶もそう遠くはなかろう。現東京Ｖの林陵平を擁した明治大学は、くだんの天皇杯3回戦で当時J2の京都を降し、続く4回戦でもJ1清水をPK戦に持ち込むまで苦しめている。

一戦に向け、ふたたび反町監督が言う。
「自分たちにとってのベストメンバーで臨む。湘南としてのベストの闘いを尽くすのみだ」

過去、湘南も例に漏れず天皇杯では苦しんできた。だがホーム連戦で勝ち星をふたつ掴んだ湘南にとって、今後の昇格争いを見据えるうえでも選ばれた選手たちの躍動は欠かせない。

以上

2009.10.09 Reported by 隈元大吾