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【J2:第44節 甲府 vs 水戸】レポート:勝ち続ける甲府。1点打線が2ゴールで難敵・水戸をねじ伏せた(09.10.08)

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10月7日(水) 2009 J2リーグ戦 第44節
甲府 2 - 0 水戸 (19:03/小瀬/5,582人)
得点者:17' 金信泳(甲府)、88' オウンゴ−ル(甲府)
スカパー!再放送 Ch183 10/8(木)22:30〜(解説:堀井岳也、実況:酒井康宜、リポーター:土橋諒)
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守備のブロックを作り、ロングボールを長身の高崎寛之に合わせようとする水戸は、決められたことをしっかりやろうとしていた。しかし、10分もしないうちに予想した怖さはないと感じた。甲府は主導権を取りながらも最後の部分では攻めあぐねていたのだが、攻守の切り替えの速さとプレスの連動で主導権をガッチリ掴んでいたからだ。水戸がパスミスで助けてくれた場面もあったが、パスが通っていても強面の秋本倫孝とダニエルが水戸の2トップが掴もうとするチャンスを潰し、山本英臣が2人をカバーしてGK・荻晃太がボールに触る機会も奪った。

同時刻キックオフの湘南、仙台、C大阪の状況が気になっていたが、不具合で速報の配信を停止している携帯サイトがあったようで湘南が2分に先制していることを知らない記者が少なくなかった。1点打線の甲府はダイジェストで見直すと決定機は作っていたが、生で見ている印象は「攻めあぐね」。3−3−2−2(3−5−2)ではマラニョンと金信泳がどうも活かせない。この2人の関係だけでも無理だから、2人を別々に活かすことが必要だと思っていたら、大西容平のスルーパスでディフェンスラインの裏を取ったマラニョンが右から金に柔らかいクロスを入れて、金が滞空時間の長いジャンプから強烈なヘッドを打つ。GK・本間幸司が反応して両手でかき出したが、ボールがゴールラインを越えていたことを見ていた副審がゴールの判定をして甲府が先制する。選手は副審に抱きつきに行くのかと思ったが、みんな金に寄って行った。17分と早い時間帯に先制できたことはよかったが、1点打線の課題は2点目を取ることと失点をゼロにすること。前節は無失点だったが、それ以前は6節連続で1失点とよく守りながら1点は許してしまっていた。

守備のスタートポジションと2トップが守備に入る速さを意識して見ようと思っていたが、悪くないと思っていた。2トップの守備が遅れても中盤より後ろは運動量を惜しまずよく守れていた。しかし、試合後に石原克哉と荻にそのことを聞くと「まだ遅いところがある(石原)」、「前節より良くもなく悪くもない(荻)」と、全否定に近い答えだったからもっと修行をしないと解説者にはなれそうもないことが判明。でも、水戸の木山隆之監督は会見で甲府の守備の堅さを挙げていた。これは守備的ということではなく攻守の切り替えの速さや連動に対することだと思っている。エース・ストライカーの荒田智之も「(守備が)連動している。アグレッシブなだけではなくて頭を使った守備」と言う。甲府のJ2最少失点(37点)守備力は自信を持っていいことだけは確かだろう。選手がそれに満足していないことが心強い。ピンク新聞の水戸担当には「消耗する守備してるねぇ」なんて言われたが、これが甲府の生きる道だしフィジカルやシンプルなスピードでは世界のトップレベルに及ばない日本サッカーの生きる道だと思っている。

前半は25分のコーナーキックからの混戦で打った荒田のシュート以外は決定機のなかった水戸は、ケガを押して先発していた高崎に代えて遠藤敬佑を後半のスタートから投入。ラインを少し下げて守備をし、ボールを奪ってからはサイドを使うこと意識する水戸は、後半開始直後に吉原宏太がサイドを突破してクロスを入れる。彼のように賢い選手は怖いが、「水戸はチャンスを全員が感じてボールを回しているのか、ただ空いているところにパスを出しているのか。全員で感じるサッカーをしないと駄目だと思う。時間をかけてサイドにボールを出されても(厳しくマークされるから)難しい」と、ストレスを感じていた。この課題をどう乗り越えるのかは木山監督の手腕に頼ることになるが、第48節の仙台戦(11月8日/Ksスタの杮落し)では最強・水戸になっていてほしい。

後半も半ばに来ると水戸が2枚目、3枚目と交代カードを切って主導権を奪い始め、甲府の安間貴義監督は松橋優を最初のカードに選ぶ。そして、その松橋が甲府に足りなかったものをピッチに持ち込んだ。藤田健からのパスを左サイドで受けた松橋は、小さなボールタッチでスピードに乗ったドリブルを見せてゴールライン付近まで駆け上がる。DFを振り切って打ったシュートはゴール前でクリアをしようとした大和田真史の足に当たってオウンゴールを奪い取った。1点打線にとって勝利を確信できる貴重なゴールだった。ロスタイムにGKとの1対1を外したことには目をつむることができる大きな1点。昇格争いのライバルが1点差で勝っている中、2点差をつけて勝つことが出来たことは大きな前進。残り7試合全部勝てば、ライバルが負けることを期待しなくても昇格できる場所にいることは自信になる。雨の小瀬の空には星が見えなかったけれど、ホテルの自動販売機で買ったビールには金色の星があった。他所のチームの星っぽいが、勝利の夜に出会う星は全部甲府の星。イエローカードを1枚ももらわずに勝ったいい夜だった。

以上


2009.10.08 Reported by 松尾潤
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