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【J2:第44節 福岡 vs 富山】レポート:互いの良さをぶつけあい、つぶし合った好ゲーム。3度目の対戦もドローに終わる(09.10.08)

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10月7日(水) 2009 J2リーグ戦 第44節
福岡 1 - 1 富山 (19:03/レベスタ/2,869人)
得点者:52' 田中佑昌(福岡)、59' 西野誠(富山)
スカパー!再放送 Ch185 10/9(金)08:00〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:森田みき)
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 福岡にとっては、富山のパスワークを封じ、堅固な守備ブロックをどうやって崩すのかがテーマ。そして富山にとっては、第3クールに入ってぶつかったJリーグの壁を乗り越えて、目標である1桁順位を視界に捉えるための大事な試合。それぞれにテーマを持ってぶつかり合った試合は、ともに一歩も譲らない白熱したゲームとなった。

 まず自分たちの特長であるパスワークを発揮して主導権を握ったのは富山。ボランチを経由して縦への楔を打ち込み、ボールを中心に適度な距離を保ったトライアングルを形成すると、小気味良いテンポでボールを運ぶ。最初の決定機は5分。中盤の低いところから、まるで教科書のようにボールをゴール前まで運んで上園和明がシュートを放った。出し手からパスが出ると同時に、ボールを受ける選手、それをサポートする選手、さらに次のパスに備える選手が、それぞれ連動して一斉に動き出す姿は、この日も十分にその威力を発揮。「立ち上がりは少しバタバタしてしまって相手にボールを握られた時間があった」と篠田善之監督(福岡)は振り返る。

 一方、立ち上がりは富山のパスワークに混乱した福岡も、時間とともに落ち着きを取り戻す。この日は、いつもよりも10メートルほど最終ラインを高く設定。コンパクトなゾーンを形成して高い位置からボールにプレッシャーを与え、楔のボールに対して強く行くことで富山のパスワークを寸断していく。そして大きなサイドチェンジを合図にして2列目から城後寿の長いダイアゴナルランで富山の守備を慌てさせ、マークが甘くなった田中佑昌がスピードを活かしたドリブルでチャンスを窺う。楚輪博監督(富山)は、「大久保と黒部の前からのチェイシングが我々にとっては難しかった。それと城後選手が2列目からダイアゴナルに走りこんできて、そのマークに付ききれずに田中佑昌が浮くという状況になってしまた」と話す。

 後半になって風上に立った富山は、さらに高い位置からボールを追いかけることで主導権を奪いに来る。一方の福岡は、ボールサイドに人数をかける富山のプレッシャーをはがしてボールを回しながらチャンスを窺う。そして、均衡を破ったのは福岡。左サイドの深い位置で得たFKのチャンスに、ゴールを狙うと見せてグラウンダーのパスをゴール前中央へ。ペナルティエリア内でフリーになった田中が左足でゴールを捉えた。時間は52分、相手の裏をかいた見事なサインプレーだった。

 しかし、富山もすぐに反撃に出る。同点ゴールが生まれたのは59分、決めたのは西野誠だった。右サイドでのドリブル突破からチャンスを得た富山は、そのままペナルティエリア内へ持ち込み、最後はゴール前の混戦の中でこぼれたボールを西野が押し込んだ。「嫌な失点の仕方をしてチームはイライラしていたが、自分自身は冷静にプレー出来ていたし、チャンスはあれば絶対に点が取れると思ってた」とは西野。チームの通算ゴール42(第43節終了時)は多くはない数字だが、ここまで5つの逆転勝ちを記録している勝負強さを見せたゴールシーンだった。

 ここからは互いに一進一退の攻防が続く。同点ゴールの勢いを力に変えて攻め込むのは富山。風下に立ってラインが下がってしまった福岡は、前からプレスがかけられずに後手に回り、何とかボールをクリアするものの、それを拾われては再び守勢に回らざるを得ない苦しい展開を強いられる。
 しかし、この時間帯を凌いだ福岡は、城後の見事な飛び出しから決定機を演出。城後の技ありのループシュートはポストに嫌われたが、これを合図に攻勢に転ずると、足が止まった富山を自陣に押し込んでいく。だが、押し込まれる富山も堅固な守備ブロックは健在。勝負を決める2点目のゴールを許すことはなかった。

 ホームでの引き分けに悔しげな表情を浮かべた篠田監督だったが、「互角のゲーム。お互いにいいゲームだった」と楚輪監督が振り返ったように、現在の力をぶつけあった好ゲームだった。守備に安定感が見えてきた福岡だが、この日は、課題とされていたボールホルダーに対するアプローチと、それに連動する動きにも変化が見られたのが収穫。富山は堅固な守備ブロックと、ハードワークをベースに全員でボールを運ぶスタイルを随所に見せた。
 その一方で課題を挙げれば、福岡はラストサードの崩し方、そして富山は局面での力強さが足りないこと。その課題の修正が残されたシーズンの仕事だと言えるだろう。残り試合は7。ともにJ1昇格レースとは無縁の場所に身を置いているが、置かれている状況に変わりなく、たゆまなく前進を続けるチームが、やがては成功を掴む。両チームが次の試合でさらなる変化を見せてくれることを期待したい。

以上

2009.10.08 Reported by 中倉一志
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