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【J2:第44節 岐阜 vs 東京V】レポート:連敗中の両チーム。雨中の一戦は、双方にとってポジティブに捉えられるドローに(09.10.08)

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10月7日(水) 2009 J2リーグ戦 第44節
岐阜 1 - 1 東京V (19:04/長良川/1,791人)
得点者:44' 吉本一謙(岐阜)、89' レアンドロ(東京V)
スカパー!再放送 Ch185 10/8(木)15:00〜(解説:大野聖吾、実況:堂野浩久、リポーター:桑原麻美)
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台風接近とあって、この日の岐阜は朝から雨が降りしきり、試合開始直前には大粒の雨が容赦なくピッチに降り注いだ。このスリッピーなピッチコンディションを先に生かしたのは、アウェイの東京Vだった。東京Vはパスを多く繋ぐよりも、左のレアンドロ、右の河野広貴のドリブラーにボールを集め、彼らの積極的な仕掛けから、果敢にミドルシュートを狙ってきた。
11分〜14分の間には実に4つの決定機を演出。11分には河野の突破からFW飯尾一慶が放ったシュートのこぼれをFW林陵平がシュートを放つが、GK野田恭平に阻まれた。12分にはレアンドロが放ったシュートがポストをたたき、13分、14分の決定機はGK野田に阻まれた。

ピンチの連続を凌いだ岐阜は、ここから東京Vの高いディフェンスラインの裏を狙って、佐藤洸一と西川優大の2トップが飛び出していくようになると、カウンターからチャンスを作り始める。27分には佐藤が抜け出して決定機を作ると、33分には佐藤の突破からマイナスの折り返しをフリーでMF高木和正が狙うが、これはバーの上を越えていった。36分には佐藤から右の嶋田正吾につなぎ、嶋田のグラウンダーのクロスに西川が反応するが、これはGK高木義成のファインブロックに阻まれた。
しかし、前半終了間際の44分に、中央で巧みなボールキープを見せた高木のサイドへの展開のパスから右CKを得ると、高木のキックをファーサイドでDF吉本一謙がヘッドで合わせ、岐阜が先制に成功する。
1点のビハインドを負った東京Vは、前半と同じようにディフェンスラインを高くし、前線のFW林をターゲットにしながら、個人技のある中盤を生かすサッカーで攻めに掛かる。それに対し岐阜は、ボールを持つとバイタルエリアに切り込んでくる河野とレアンドロに対して、高木と嶋田の両サイドハーフを中に絞らせ、バイタルエリアに蓋をし、逆にボールを奪ったら右サイドバックの野本泰崇、左サイドバックの冨成慎司を走らせて、一気にサイドを突破し、裏に抜け出す西川、佐藤、高木、嶋田を生かしていく。

双方が狙いをしっかりと持ち、共に連敗中のチームとはとても思えない白熱した見ごたえある攻防が繰り広げられた。しかし、後半残り15分を過ぎると、試合のペースは岐阜の手中に収まり、落ちることを知らない運動量を生かし、嵩にかかった攻撃で東京Vに襲い掛かった。
一人ひとりが足を止めることなく、2人目、3人目の動きを組み込んだ流れるようなパスワークから東京Vゴールに迫る。しかし肝心の決定力を欠き、追加点を奪えない。そうこうしているうちに、後半ロスタイムに東京Vに一瞬の隙を突かれてしまう。カウンターから中央でボールをキープしたMF柴崎晃誠が、前がかりになってぽっかりと空いた右サイドのスペースに展開すると、岐阜の守備陣が一気にボールサイドに寄ってしまう。フリーでボールを受けた途中出場のMF永里源気が、そのまま突破して、ファーサイドでフリーのレアンドロへピンポイントのセンタリングを送り込むと、これをレアンドロが楽々ヘッドで合わせ、東京Vが土壇場で同点に追いつく。
岐阜も終了間際に嶋田が左サイドから決定的なシュートを放つが、ゴール右ポストに直撃して、跳ね返ったボールがニアサイドに倒れていたGK高木の手元に収まるという不運もあり、そのままタイムアップ。連敗中のチーム同士の対決は、1-1のドローで共に連敗ストップするという結末に終わった。

岐阜にとっては勝てる試合を落とした感はあるが、連敗中でDF秋田英義が出場停止という中で、左サイドに移った冨成、そして右に入った野本、そして加入して間もないセンターバック吉本、そしてディフェンスリーダーに成長した田中秀人が、それぞれの持ち味を発揮し、それぞれのパフォーマンスを融合させて、一つの堅い組織にして高いパフォーマンスを見せたことは非常に意義深い。なぜならば、松永英機監督が掲げる、「誰が出てきてもしっかりと対応できるサッカー」が第3クール終盤というときに、しっかりと出来ていることが実証できたからだ。結果として勝利を挙げることはできなかったが、確かな成長の跡は見ることは出来た。

サッカーは水物で、結果と内容が伴わないことが往々にしてある。それが流れに乗ってすべて陽の方向に出たり、陰の方向に出ることもある。ここ3試合は陰の方向に出ていた結果が、ようやく中間点の結果が出た。だからこそ、ここはポジティブに、次は陽の方に持っていける可能性が増えたと捉えるべきだ。
東京Vにとっても同じことが言える。東京Vも決定的なシーンは岐阜のほうに多く作られたが、スリッピーなピッチを利用し、遠目からでも積極果敢にシュートを打っていった結果が、岐阜の倍以上となる21本というシュート数に繋がり、シュートへの意識の高さが最後の同点弾に繋がった。
両チームともにこの結果がポジティブになるように。今日はこの豪雨の中で、狙いをしっかりと持った素晴らしいサッカーを見せてくれた両チームの選手たちには拍手を送りたい。

以上


2009.10.08 Reported by 安藤隆人
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