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【J2:第44節 札幌 vs C大阪】レポート:勝負を決めたのはやはり香川。拮抗した厳しいゲームながらも、負傷を抱えたエースの一発で首位・C大阪が勝点を90点台に乗せた(09.10.08)

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10月7日(水) 2009 J2リーグ戦 第44節
札幌 0 - 1 C大阪 (19:04/札幌厚別/7,035人)
得点者:89' 香川真司(C大阪)
スカパー!再放送 Ch183 10/8(木)15:00〜(解説:都並敏史、実況:永井公彦、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:藤井孝太郎)
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シーズン終盤が近づき、上位も中位も下位もいよいよ混戦となってきたJ2リーグ。そのなかで2巡目中盤から調子を上げつつあるのが札幌だ。シーズン序盤は攻守ともに詰めを欠いていたが、ここに来て全体のパフォーマンスが安定。前節までは4試合連続で完封をしている。対して、敵地に乗り込んできたC大阪は首位にいながらもここ数試合はなかなか勢いに乗れていない。得点ランクトップのエース・香川真司は右足負傷の影響でこの試合もベンチスタートとなるなど苦しい状況だ。

前半は五分五分か、若干札幌に分があったと言っていい。キックオフ直後こそ小松塁、乾貴士、カイオのアタッカー陣が積極的にプレスを仕掛けて札幌を押し込んだが、時間が経つにつれて徐々に札幌のグループとしての守備が勢いづく。だが、全体的には中盤で潰し合う展開と表現してもいいのかもしれない。
札幌の布陣はキリノの1トップで、負傷から復帰したダニルソンをアンカーに据える4−1−4−1。そしてC大阪は4バックの前に黒木聖仁、船山祐二という2枚の守備的MFを置き、その間を守備力のある藤本康太が状況に応じて最終ラインに加わったりサイドを見たりという攻守のバランスが取れた4−3−2−1。この2つの布陣が対峙すると、どうしても中盤の人数が多くなってしまい、パスが相手選手に引っかかってしまったり、少しでもトラップが大きくなると相手選手にボールを蹴り出されてしまうという状況が多くなってしまう。芝生が濡れて滑りやすくなっていたことも、その流れに拍車をかけた印象だ。

そして、さすがの今季3度目の対戦。しかも1回目の対戦( /jsgoal_archive/result/2009/0419/20090200030120090419_detail.html )は札幌が4−1のスコアで、2回目の対戦( /jsgoal_archive/result/2009/0802/20090200030420090802_detail.html )はC大阪が3−0のスコアで勝利しているとあって、どちらも相手に長所を嫌というほど見せてきたし、見せられてきた。中心選手の特徴や、チーム戦術はほぼ研究されてしまっている状態である。実際に、札幌のエースストライカーであるキリノが、得意とする裏への抜け出しを図ろうとしてもC大阪の守備陣が簡単に封じてしまう場面はいくつもあったし、もちろん逆に、C大阪が前線に張る小松のポストプレーからスピーディにボールを動かしていこうというプレーにも、札幌の選手は遅れることなく応対できていた。そうして、試合は拮抗したまま続いたのだった。

その拮抗を打ち破れるチャンスは、どちらかと言えば札幌の方に多くあったように思う。札幌の布陣はグラウンド全体をバランスよくケアできるのに対し、C大阪の布陣は最前線の小松を頂点とした三角形に近いもの。この2つを重ねると、札幌は左右サイドバックはマッチアップする選手がおらず、比較的自由な状態にある。ここで起点を多く作れれば良かったのだが、ボールは中盤でピンボールのように動くことが多く、西大伍、芳賀博信という札幌の左右サイドバックがなかなかいい形で顔を出すことができなかったのだ。ここを生かせなかったことが、札幌としては痛かった。

そして後半、試合はいよいよ大きな動きを見せる。C大阪のレヴィー・クルピ監督はベンチに控えていた香川を後半開始と同時に投入した。勝点3を取りに行こうというメッセージである。「向こう(C大阪)は香川が入って甦った」とは札幌・石崎信弘監督。その言葉通り、2列目に置かれた香川は、前半には見られなかったようなゆっくりとした丁寧なボールキープと、両足のアウトを用いたトリッキーなトラップでプレーに緩急をつけ、ゲームをコントロールし始めた。勢いは徐々にC大阪へと移り変わりつつあった。

ここからの展開はまさにリーグ終盤ならではと言っていい。これがシーズン序盤や中盤だったならば、札幌はまずは守備を安定させることを優先させるのだろうが、この時点で6位の札幌としては、逆転昇格のためには勝つしかない。C大阪が香川のコントロールでプレーゾーンを高めてきたため、前に人数をかけてこちらも得点を狙いに行った。砂川誠、ハファエル、中山元気という攻撃の駒を投入し、最終的には4−1−4−1の布陣は、中盤が菱形になった4−4−2へと姿を変えた。そして、試合はカウンターの打ち合いへと移り変わるのだった。

そして、時計が90分に近づくにつれて札幌の足が止まり始めた。前線はフレッシュな選手がいるためアグレッシブに走り回れるのだが、後方からの押し上げが目に見えて減ってしまった。これはやはりスケジュールの部分が多少なりとも影響していると見ていいだろう。C大阪は先週の土曜にホームで試合を行い、中3日でのこの試合。それに対して札幌は日曜日に九州で熊本とのアウェイゲームを行い、中2日という日程である。フィジカル的には難しい状態だった。そして後半ロスタイム、カイオが打ったシュートのこぼれを香川が蹴り込んでC大阪が勝利を掴んでみせた。

さて、あらためてこの試合を振り返ってみると、やはり最終的に勝負を決めた首位・C大阪の力強さが印象に残る。だが、全体のパフォーマンスを見てみるとチームレベルにそれほど大きな差があったようには感じなかった。札幌は6位ながらも、首位を苦しめるに充分なポテンシャルがあることを示したと言っていいだろう。

以上


2009.10.08 Reported by 斉藤宏則
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