10月7日（水）J2 第44節 仙台 vs 横浜FC（19:00KICK OFF/ユアスタ）
スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：鈴木武一、実況：松尾武、リポーター：村林いづみ）
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ともに中２日での試合となる今節だが、ホームである仙台の側は、勢いのままに今すぐにでも試合を行いたい心境なのかもしれない。いや、体力面を考慮すればいくらなんでもそれはない気がするが、しかし前節の富山戦の結果は、チームに「ゆうき」を与えるものとなった。

２−２の同点だった８３分、関口訓充からのスルーパスに抜け出し、飛び出したGKの右を抜く冷静なシュートで決勝ゴールを決めたのは、仙台のエースとして常に期待されながらなかなか結果を出せず、第２３節の栃木戦以来１９試合もゴールから遠ざかっていた中島裕希だった。ベンチ入りメンバーからも外す寸前だった彼を最後に起用した手倉森誠監督を含め、チームの全員を喜ばせた彼の一発。その余勢を駆って、今節でのリーグ戦３連勝、並びにホーム戦９連勝につなげたい。
復活を果たした（正確に「復活」と表現できるかは、むしろ今節以降にかかっているといえるが）中島を含め、前線の組み合わせには、手倉森監督も嬉しい悩みを抱えることになるか。ただ、前節に途中交代となったマルセロ ソアレスは、痛めていた左ハムストリングを含め少々体を気にした仕草を見せていただけに、あまり無理はさせられないように（少なくとも筆者の目には）映る。
　FWに限らず、左サイドバックの朴柱成など、細かな負傷を抱えている選手も何人かいるため、この辺りは中２日という事情を考慮したメンバー編成が行われる可能性もある。　

この事情は、横浜FCにも同じことが言える。ホームでの連戦をともに逆転負けで落とし、ここまで２連敗中。さらにコンディションの問題で主力選手を起用できないという問題も重なり、樋口靖洋監督の悩みは深い。
だがその中で光明となっているのが、８月に加入していた２０歳のブラジル人FWエデルが、前節にようやく初ゴールをマークしたこと。身長１７１センチと小柄な体格ながら、小気味よいドリブル突破を持ち、安孝錬の欠場でチャンスを得た前節の草津戦では、草津の守備陣を何度も切り裂いていた。
前節に休みを得た選手たちが今節に再び戻ってくる可能性もあるが、仙台同様、樋口監督のメンバー選考にも注目が集まる。

仙台にとって、横浜FCとの試合には嫌な思い出が。第１クールこそ福島で開催されたホームゲームに勝利（第１７節 /jsgoal_archive/result/2009/0523/20090200030120090523_detail.html ）したが、第２クール（第３２節 /jsgoal_archive/result/2009/0805/20090200030220090805_detail.html ）ではちょうど立ち上がりの失点という悪癖に悩んでいた中でニッパ球でのアウェイ戦に当たり、この試合でも開始５分に集中を欠いたセットプレーでの守備から難波宏明にゴールを献上。反撃に出ても連携を欠き最後まで主導権をつかむことができず、０−１で敗れてしまった。今季は大崩れすることなくシーズンを送れている仙台だが、その中でもこの一戦は、仙台にとって「今季最悪の内容」として数えられる一戦だった。
だが今の仙台は、昇格に向けて諸問題を解決してきたことで、首位C大阪まで勝点２差の２位という順位を得るに至った。そして前節、チームの好調に乗り遅れていた中島がついに復活、クライマックスに向かっていたステージに貴重な役者が戻ってきた。今のチーム状況は、第２クールでの対戦時とは大きく異なる。だからこそその違いを、今節には見せつけなくてはならない。

今節を含むホーム戦３試合で、仙台はクラブ創立1５周年を祝う、漆黒の星空を彷彿とさせるブラックをベースとしたオリジナルユニフォームを着用。さらに今節からは、サポーターの募金によってクラブに寄贈された、クラブカラーのゴールネットがユアスタのピッチに登場する。そうしたイベントに花を添え、昇格へと力強く歩みを進めるための勝点３を、最近無敵を誇るホーム戦で仙台はつかみたい。

以上