10月7日（水）J2 第44節 草津 vs 鳥栖（19:30KICK OFF/正田スタ）
スカパー！生中継 Ch185 19:20〜（解説：小田島隆幸、実況：梨子田友和、リポーター：円戸由香）
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前節横浜FCを逆転で下して４連勝を果たした１１位草津が、同じく４連勝中の５位鳥栖をホーム正田スタに迎え撃つ。今季の対戦成績は、草津の２戦２敗。草津にとっては過去２試合は完敗だったが、３連敗するわけにはいかない。草津は、鳥栖を止めて自らの存在感を示したい。一方、「４強」を追いかける鳥栖は、草津を「３タテ」にして昇格へのラストスパートをかけたいところだ。

第２クール以降の鳥栖の戦績は、驚異だ。第１クールは得点力不足に苦しみ５勝５分７敗と出遅れたが、１８節から前節までの２６試合で１７勝５分４敗と勝点５６を荒稼ぎしている。ちなみに首位Ｃ大阪は１３勝８分５敗（勝点４７）、２位仙台は１５勝６分５敗（同５１）、３位甲府は１３勝９分４敗（同４８）。第２クールからの鳥栖の成績は昇格圏内３チームを大きく凌ぎ、現在のＪ２で最強チームと言える。

全員攻撃を主体とした攻撃のバリエーションも豊富で、第３クール９試合で奪った得点は１８点。大黒柱のハーフナー・マイクの５点を筆頭に、終盤の切り札トジン４点、セントラルＭＦ高橋義希４点、左足の魔術師・島田裕介３点など多くのプレーヤーが得点に絡み、日替わりでヒーローが誕生している。前節岐阜戦はゲーム終盤８６分にハーフナーが決勝ゴールを叩き込み今季初の４連勝、絶対に落とせない試合をチーム一丸となった戦いぶりで制した。岸野靖之監督を「男」にすべく戦い続ける選手たちは１戦ごとにたくましさを増す。昇格の重圧がかかる今節も、鳥栖の選手たちは魂のこもったゲームを展開するはずだ。

４−４−２の守備組織をベースに、素早い切り替えから後列の選手がゴール前へと飛び込む鳥栖スタイルは、短い期間で完成するものではなく過去の積み重ねの上に成り立っている。草津にとっては格好の手本となるチームだ。草津・櫻田和樹は「今の鳥栖相手に、うちのチームがどれだけ戦えるか試したい」と話す。鳥栖は８月下旬にボランチ・ホベルトが加わり中盤の安定感が増大。今ゲームは、松下裕樹、櫻田、廣山望らが構成する草津ＭＦと、島田、高橋、ホベルトらで作る鳥栖ＭＦとの中盤対決の行方が勝敗に直結する。

一方の草津は前節横浜FC戦で、エース都倉賢の２ゴールで今季初の逆転勝利。さらに今季初の４連勝となり、ようやくチームが機能し始めた。３８節熊本戦で０対６と大敗し、守備システムを全面的に見直したことが好結果につながっている。センターバック陣に出場停止とケガが重なり前々節に続いて厳しい状況での戦いだったが、急きょセンターバックを任された松下、デビュー２戦目となった有薗真吾が奮闘。横浜FCの攻撃を１失点だけに抑えて逆転勝利へとつなげた。前半はセンターバック、後半はボランチに入った松下のプレーがチームを支えた。今節は、田中淳、藤井大輔の両センターバックの出場停止が解けるが有薗の先発出場が濃厚で、センターバック残り１枠を田中と藤井が争うことになる。

好調・草津は、都倉と小林竜樹の２トップがチャンスを確実に決めて連勝街道をばく進する。４連勝した４戦でチームが挙げた７点すべてが２トップによるゴール。チームの救世主となった小林は４ゴール、エース都倉は３ゴールで、両ＦＷともにストライカーとしての役割を果たしている。都倉は前節の得点で２０点の大台へと到達。２４点でトップを走る香川真司（Ｃ大阪）を視界に捉えた。抜群の決定力を誇る草津の２トップが鳥栖のゴールを狙う。

第１クールで鳥栖が４点を奪って大勝、第２クールも鳥栖がチーム力、意識の違いを見せつけて３対１で快勝した。草津、鳥栖ともに４連勝で迎える第３クールの対戦は、今季最後の敷島ナイトゲームとなる。「連勝など数字的なことは関係ない。１試合１試合の結果が大事」（室拓哉）。「１戦１戦を戦うだけ」（櫻田）。連勝という過去を忘れて、この１戦に集中できたチーム、そして勝負への執念を見せたチームに勝点３が転がり込むことになりそうだ。

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2009.10.06 Reported by 伊藤寿学