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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第28節 川崎F vs 横浜FM】レポート:川崎Fが気持ちで勝利。ACLの挫折をバネに優勝戦線に踏みとどまる。(09.10.05)

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10月4日(日) 2009 J1リーグ戦 第28節
川崎F 2 - 0 横浜FM (13:03/等々力/19,951人)
得点者:74' 谷口博之(川崎F)、83' レナチーニョ(川崎F)
スカパー!再放送 Ch185 10/6(火)07:30〜(解説:野々村芳和、実況:野村明弘、リポーター:高木聖佳)
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 先日行われた名古屋とのACL準々決勝で敗退し、川崎Fは大きな目標を喪失した。またリーグ戦では3試合勝ちから遠ざかっており、これ以上の敗戦はリーグタイトルへの挑戦権そのものを失う事にもつながりかねない状況だった。だからこそ、この一戦はどうしても負けられない試合だった。

 誰もがこの試合の意味を知っており、だからこそ川崎FはACLのホームでの名古屋戦に続き、煽り映像を用意した。通常選手が試合前のピッチ練習を終えた後に流されてきた映像は、強化部との打ち合わせの結果、選手たちも見られる時間帯へと前倒しして放映される事となった。横山知伸は「アレが心に来ました。あれは良かったです」と謝意を口にしていた。

 中村憲剛は試合後に「今日は戦術とかではなかったです」と率直な感想を口にしていたが、内容的な観点で試合を振り返ったときに、強かった頃の川崎Fらしさは見られなかった。

 川崎Fは前半の立ち上がりの時間帯でチャンスを作っていたが、試合に慣れてきた横浜FMが徐々に反撃に転じる。ACLの名古屋戦がそうだったように、両サイドを崩されはじめ、守勢に回る事となった。苦しい試合を裏付けるかのように、前半の川崎Fのシュート数はわずかに3本。対する横浜FMは倍の6本ものシュートを放っていた。

 おそらくあのまま負けていれば、森勇介が話すように「ACLの負けを引きずっている」という評価になっていたのだろう。ただ、実際のところ「引きずるような事はなかった」(森)という状況の中、選手たちはギリギリのところで失点を回避していた。関塚監督によると、前半の問題点は「(ディフェンスと)ボランチの間を14番の狩野選手、長谷川選手に使われて危ない場面があり、その辺の修正に前半、時間がかかった」という事のようで、ハーフタイムをはさんだ後半に多少持ち直す事となる。

 木村監督は川崎Fが水曜日にACLを戦っている事もあり「連戦のフロンターレのほうが先に足が止まるんじゃないかと思っていました。いつもは立ち上がりの10分くらい前から行かせるんですが、今日は10分以上行こう」と考え、そう指示を出したという。それが前半の試合内容を全て説明しているわけではないのだろうが、前半はある程度川崎Fを押し込めていた。常識的に「相手は暑い中、たぶん後半に運動量が落ちるだろうな」と考えるのは間違いではない。

 運動量で上回りたい横浜FMと、前半の問題点を修正し、ペースを掴んだ川崎Fが対峙した後半は、そうしたバックグラウンドもあって拮抗する事となる。川崎Fにもチャンスはあったが、横浜FMにもチャンスはあった。シュート数は後半になると川崎Fの10本対横浜FMの9本とほぼ同数となっており、どちらが先に点を決めていてもおかしくはなかった。だからこそ、川崎Fの先制ゴールの意味は大きかった。

 74分。関塚監督は村上和弘に代えて井川祐輔を投入。と同時に右サイドバックで先発していた森勇介を左サイドへとコンバートする。その交代采配の直後。左サイドで中村憲剛からパスを受けた森がゴール前へとアーリークロスを上げる。

 中澤佑二は、ペナルティエリア内に入っていた鄭大世をまずはケア。しかしボールはわずかにそれてファーサイドに走りこんだ谷口博之にピンポイントで合うのである。

「森さんからのボールが早かったので当てるだけでいいかなと思いました。すごくいいボールを入れてくれました」と振り返る谷口。それに対し、森は「あそこにタニがいるんですよ(笑)」と笑顔で話していた。

 横浜FMへの影響という点でこの失点は「焦りが出ちゃって、前半みたいな攻撃が出来なかった」(木村監督)という状況をもたらす。体力的に厳しい川崎Fは、横浜FMの猛攻にさらされながら、83分にカウンターで追加点を決め、試合を決定付けた。

 試合後、中村と共にピッチに倒れこんだ森は「1点目が決まったところくらいから足がつりそう」になっており、代えて欲しかったと苦笑いしていた。体力的に限界まで追い込んだ結果として倒れこまざるを得ないところまで体を動かしていたのである。そんなところからわかる通り、川崎Fが気持ちで掴んだ勝利だった。

 試合後。ジュニーニョが呼びかけていたという円陣が組まれ、そのジュニーニョが「あと6試合頑張ろうぜ」と話したという。川崎Fにしてみれば優勝戦線に踏みとどまる貴重な勝ち点3を手にし、リーグ戦での連敗を2でストップした、という試合だった。

 一方の横浜FMは、決定的なチャンスを作り出しながらもつめの甘さがたたり、勝てるチャンスを生かしきれなかった。冒頭にも記したが、技術を超越したところに勝敗を決する要素が入っていたという、そんな試合だった。

以上

2009.10.05 Reported by 江藤高志
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