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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第28節 名古屋 vs F東京】レポート:連勝の勢いも連戦の疲労には勝てず。名古屋が喫したF東京からの今季3敗目は、来季のACL圏内が遠のく痛い黒星に。(09.10.05)

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10月4日(日) 2009 J1リーグ戦 第28節
名古屋 1 - 2 F東京 (16:04/瑞穂陸/13,796人)
得点者:18' 吉田麻也(名古屋)、24' 石川直宏(F東京)、29' 鈴木達也(F東京)
スカパー!再放送 Ch183 10/6(火)03:15〜(解説:川本治、実況:下田恒幸、リポーター:西岡明彦)
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前節はホームで完敗を喫した鹿島をアウェイで圧倒し、週半ばのAFCチャンピオンズリーグ準々決勝では川崎Fから実に4年ぶりとなる勝利を収めた。ここまでシーズンで作った借りを着実に返してきた名古屋が迎え撃つのは、今季最大の仇敵・F東京だ。アウェイでのリーグ戦は0−3、ヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦のアウェイでは1−5と惨敗し、ホームでの第2戦は2−1と勝利するも大会からは姿を消す憂き目にあわされた。F東京戦における名古屋のモチベーションの高さたるや、推して知るべしだろう。

ここ9日間で3試合目となった過密日程の名古屋だが、ストイコビッチ監督は3日前にACL準決勝を勝ち取った11人をほぼそのまま先発させてきた。唯一の変更点は中村直志に代わって吉村圭司がスタメン出場したことのみ。それも役割としては変わっておらず、同じメンバー構成でACLの快勝劇の再現を目論んだことは容易に想像できる。鹿島戦でローテーションを成功させた実績があるにも関わらず、あえて選んだこの11人には指揮官の厚い信頼感も感じられる。

対するF東京も勢いの面では負けてはいない。1日に発表になった日本代表メンバーに、今野泰幸と長友佑都、そして石川直宏と徳永悠平の4名が選ばれる充実ぶり。前節の磐田戦も土壇場で逆転勝利を収めており、後半戦からの不調からも脱しつつあることを印象付けていた。ACL出場圏内の3位はまだ射程内。こちらも勝利へのモチベーションは高いといってよさそうだ。

勢いは互角でチームのスタイルも同じポゼッション型。フォーメーションもそれぞれのポジションの役割も似たような選手が並ぶ中で、試合は互いに持ち味を発揮するアグレッシブな出だしとなった。名古屋が得意のサイド攻撃でチャンスを作れば、F東京も細かいパスワークからゴールに迫る。序盤の攻防は五分といったところで、動きのある好ゲームが期待できる展開となった。

だが、それも前半18分までの話となった。やや押され気味になっていた名古屋はCKから吉田麻也が先制。左からの小川のキックをケネディが折り返し、中央の吉田が頭で押し込むファインゴールだったが、これが逆に名古屋の気の緩みを呼んでしまった。すると9日間で3試合という過密日程で蓄積した疲労が一気に顕在化。「名古屋は前半の途中から運動量が落ちてきた」(米本拓司)ところを、F東京は見逃さなかった。前半24分、平山相太からのパスを石川が「5割の力で打った」シュートで正確にゴールに流しこみ同点。5分後には梶山陽平のサイドチェンジから、最後は鈴木達也がニアで合わせ逆転を許してしまう。短時間での連続失点という悪癖がまたも首をもたげた名古屋は、ビハインドを背負った状態で45分を折り返した。

後半は疲れの見えるピッチ内に刺激を与えるためか、ストイコビッチ監督は一気に2名の交代に打って出た。マギヌンに代えてブルザノビッチ、三都主アレサンドロに代えて中村直志を投入。ブルザノビッチをFWに据え、玉田圭司をサイドハーフに置くことで状況の打破を図る。23分には玉田に代えて杉本恵太を入れ、前線の圧力を強化したが、後半だけで4枚のイエローカードをもらったF東京の激しい守備の前に効果は上がらず。終盤にはケネディをターゲットにしたパワープレーも織り交ぜたが、ここでも運動量の欠如がゴール前での迫力を奪い、逆にF東京のカウンターの脅威にさらされることにもなった。後半のロスタイムはF東京・茂庭照幸の負傷により異例の6分間。だが、数度訪れた決定機も、名古屋がついにものにすることができなかった。

試合後のストイコビッチ監督は「選手は少し疲れていた」と淡々。選手たちも一様に疲労を敗因に挙げた。そこで耳を傾けるべきは、浦和、横浜FMというチャンピオンチームからやってきた選手たちの言葉だ。「疲れのせいにしてもいいけど、強いチームはここで踏ん張らないといけない。頭を使ってやらないと」(三都主)。「全てにおいて得点したあとの時間の使い方。もう少し頭を使ってゲームをコントロールしたい」(田中隼磨)。不調や劣勢をやりすごす賢い戦い方。名古屋はそれができないチームではない。コンスタントに発揮できていないだけである。この敗戦で来季のACL出場圏内からは一歩後退。初出場となる今季のACLでは快進撃を続けているが、同大会に出場する強豪としての安定感はいまだ見せられてはいない。F東京と川崎Fから喫したシーズン3敗という屈辱から何を学ぶか。その答えとなる完勝劇を、残りのシーズンで見せてもらいたいものだ。

以上

2009.10.05 Reported by 今井雄一朗
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