10月4日（日）J1 第28節 Ｇ大阪 vs 大宮（15:00KICK OFF/万博）
スカパー！生中継 Ch363 15:00〜（解説：金田喜稔、実況：土井敏之、リポーター：金山泉）
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前節、上位決戦となった川崎F戦を2-1勝利。上位陣が足踏みを始めた状況の中、後半戦は10試合を戦って、7勝2分1敗と順調に勝点を積み上げ、暫定ながら順位を３位まであげたG大阪。今節、ホーム・万博に迎える大宮は、前節・京都戦では連敗を抜け出す白星を挙げており、また、昨年からG大阪が３連敗中の相手だけに難しい試合となるのは間違いなさそうだが、「確かに昨年から勝てていない相手だけど特に苦手意識はないし、ナーバスにもなっていない。相手のサッカーを受けるのではなく、うちが主導権を持って試合を進めたい」とG大阪のゲームキャプテンDF山口智。J1リーグの残り試合7つの中には、現時点でG大阪の上位をいく鹿島や清水との直接対決が残されていることを踏まえても、下位のチームに取りこぼしは許されない。前節、大宮戦と同じく昨年から３連敗中だった川崎Fを破ったこの万博で、その再現といきたい。

「堅守速攻型のスタイルの相手にやられていることが多いからね。うちがポゼッションをとれる相手であるほどカウンターを受けやすいというか。実際、内容はコントロールしていて、ラインも高くとれるほどカウンターを受けて…という形でやられることが多いので」
　G大阪・西野朗監督が言うように、G大阪は神戸、山形、京都など『堅守速攻』をスタイルとする相手に勝ち切れない試合が多い。今季も、そうした相手に対し、殆どの時間帯でポゼッションをとり、優勢に試合を進めながらも攻撃が中途半端になり「悪いボールの失い方」をしたことから、あるいは、攻めている際に個のミスを拾われたところから、逆襲を食らうというパターンで勝点を落としてしまっている。その課題をいかに克服するかが今節のカギ。そのためにはまず、中途半端に攻撃を終わらせずにしっかりとフィニッシュまで「やり切る」攻撃が求められるだろう。しかも、守備的な相手を崩すには当然、一辺倒な攻撃ではスペースを見出せない。最近の試合では緩急のある攻撃がみられる中で先手をとった戦いを展開してきたG大阪だが、そうした攻撃を今節でも示せるか。FWペドロジュニオールの先発復帰が濃厚な今節だが、思えば、彼のデビュー戦となった25節の神戸戦は明らかに周囲との連携が悪く、一人、G大阪の攻撃に絡んでいない印象が残ったが、あれから約１ヶ月を経た今、ケガで別メニューだった時間も多かったとはいえ、チームのスタイルは彼自身もしっかりと理解できている。また周囲も彼のスタイルを理解する中で、コンビネーションも上向きの状態だ。その中で、FWルーカスやMF二川孝広、MF遠藤保仁ら、J屈指の高い攻撃力を備えた選手たちと共に、FWペドロジュニオールの『個性』を活かした攻撃が新たに示せれば、イコール、G大阪の新たな攻撃の形を見出せることにも繋がる。と同時に、それはこの大宮戦での勝利に直結するものになるだろう。
「もともと僕は周りにあわせるタイプの選手なので。お互いが活かし合いながら、というより、うまく彼の持ち味に合わせることで攻撃に厚みを作れたらと思う。ただ、２列目からの得点はチームとしても求められるところなので、自分もしっかり狙いにいきたい（MF二川孝広）」

対する大宮は移籍加入後、21節の磐田戦がデビュー戦となったFWラファエルがフィットをみせている。コンビを組むFW石原直樹をはじめ、他選手とのコンビネーションも良く…というより、エゴイストになることなくチーププレーに徹することで、右肩上がりになりつつある大宮の得点力を支えているという印象。実際、エースFW石原もFWラファエルが前線でボールをキープできることでよりゴールににじり寄る回数も増えていると言えるだろう。特に前節、京都戦では京都のセンターバックとボランチの間のスペースをFWラファエルが巧くつくことで攻撃の起点となるシーンが目立った。今節も堅守はベースとした上で、そうした連動性のある攻撃を示せるか。ホームでの対戦時は幸先よく２点を先行した中で、うまく相手の焦りを引き出し、G大阪が前がかりになったところで加点、と優位に試合を進めたが、今節でも同じように先手をとる戦いができれば、アウェイとはいえG大阪戦連勝もあるだろう。

以上

2009.10.03 Reported by 高村美砂