9月26日（土） 2009 J1リーグ戦 第27節
京都 1 - 3 大宮　（18:04／西京極／9,206人）
得点者：12' 石原直樹（大宮）、19' 藤本主税（大宮）、54' ラファエル（大宮）、74' 柳沢敦（京都）
スカパー！再放送 Ch183 9/29（火）10:30〜（解説：上田滋夢、実況：下田恒幸、リポーター：和田りつ子）
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「こういうふがいない試合を見せてしまったことをお詫びしなくてはいけない」。良い所なく大宮のサッカーに翻弄された結果に試合後、京都・加藤久監督は素直に敗戦を認めた。

佐藤勇人を欠く京都は、安藤淳をボランチに置き、中山博貴を右サイドハーフに、左サイドに角田誠を配置した。試合は、京都の守備時のマークが甘く、ボール際の厳しさを出せなかったため、大宮のカウンターを簡単に許す内容となった。
そして１２分、大宮の左サイド、パク　ウォンジェのクロスを裏で合わせた石原直樹に決められ先制を許し、さらに１９分、左サイドをラファエルに持ち込まれ、落ち着いて中を確認したラファエルは中央走り込んだ藤本主税へ送ると、これを藤本がボレーで決め、あっさりと京都は２点のリードを許す。

後半、京都は中山に代えて中村太亮を投入。しかし、５４分、左サイドのパク　ウォンジェから中央のラファエルに送られると、京都・李正秀まで巧みなステップでかわされ３点目を献上してしまう。
京都は金成勇（58分、out増嶋竜也）、豊田陽平（77分、out角田誠）を投入するも、７４分の右Ｃ．Ｋからディエゴのクロスに柳沢敦が頭で合わせて挙げた１点止まりで、結局１−３で敗れた。

「うまく京都がハマってくれた」とは大宮・藤本のコメント。前線から積極的にチェックに行き、京都のパスミスを誘い一気にカウンター。この大宮のやり方に京都は打開策が見いだせなかった。
そして守備時の「甘さ」（加藤監督）。ボールを奪うところが明確でなく、京都の選手全員に、コースを限定させ後ろの選手に奪わせようとする姿勢が見えた。結果、大宮へのプレッシャーが甘くなっていたように感じさせた。３点ともサイドからのクロスだが、簡単に中に入れさせてしまった所はその象徴だろう。

前節の磐田に続いての３失点に、「（失点後の）ばたつきを繰り返してしまった」と加藤久監督は語ったが、マークに厳しく行かなければならない、という修正が全く効かなかった点が大きいように感じさせた。
「中盤でのボールの取られ方が悪かった面はある」とは監督、選手らから反省として出たが、中盤でのミスはサッカーでは絶対に出るもので、やはり「攻守の切り替えの遅さ」（加藤監督）で、大宮のカウンターを止められなかったことを反省点とすべきだろう。

加藤監督は試合後、柳沢の得点以外に「良いところが無かった」と語ったが、一つ、希望もあったように思う。ゲーム終盤、水本裕貴がラファエルに対し体を張って１対１を仕掛けていたこと。前半のマークを甘さを修正してのこと。本人は、前がかりになり１対１に厳しく行かなくてはいけない状況だったこともあった、と明かしたが、こうした修正が（遅すぎた面もあるが）できたことは大きいと感じる。
素直に、水本対ラファエルは面白かった。あるいはF東京戦の水本対平山もまた、観ていて楽しかった。今節、こうした対決の構図がほとんどなかった。大宮のカウンターに対し京都もカウンターで攻撃とか、大宮のカウンターに対し京都がサイドバックの攻撃参加で対決、でもいい。あるいは前述した水本対ラファエル、または李正秀対ラファエルでも。中谷勇介対藤本の、安藤対塚本泰史のサイドの攻防、または柳沢VSマトでもいい。それこそ様々な「見せ場」を見たかった。だが今節、京都にそうした「見せ場」はほとんどなかったように感じさせた。
目の前の相手に勝つ、という意識が薄かったのではないだろうか。観ているものを熱くさせてくれる対決、これを期待したい。
次節、神戸との関西ダービー。累積警告でディエゴを欠くが、京都の意地、ここでは絶対に見せて欲しい。

以上

2009.09.27 Reported by 武田賢宗