9月23日（水）J2 第41節 富山 vs 草津（13:00KICK OFF/富山）
スカパー！生中継 Ch183 12:50〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
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　５試合勝利がない富山が、前節６試合ぶりに白星を挙げた草津を迎える。１１位（富山）、１２位（草津）と順位を接し、残り１１試合での浮上をもくろむ両者とも勝って勢いをつけたい一戦だ。今季の過去２戦は富山の堅守がまさって、１−０、０−０とゴールを許していない。攻撃力で上回る草津との攻防は見ごたえ十分なものになるだろう。

　富山が５試合続けて勝利から遠ざかった（１分４敗）のは第16−20節以来でワーストタイ。好調なチームとの対戦が続いているのもあり、相手の積極性の前に攻撃の時間をなかなか作れないゲームが多い。理想としている、少ないタッチでパスをつなぐ攻めが展開できておらず、内容に比例してその間の得点は１に止まっている。

　失点が計算できる富山にとって得点力は戦績と一致する。未勝利の開幕からの４戦では１得点、第16節からの５試合は無得点が続いた。半面、先制点を奪うと負けがなく（状況別勝敗）、２点以上取った試合は９戦全勝だ。今節も１点が、６試合ぶりの白星を大きく近づけることになる。「（岐阜に順位を）追い越されて、今節も追い掛けられている草津が相手。何も言わなくても選手たちは奮起してくれるはず」と楚輪博監督。MF長山一也は「ボールを奪ってからのつなぎをしっかりすれば得点チャンスは多くなる。FWに思い切ってプレーさせたい」と話した。

　前節の鳥栖戦は０−１で敗れたが、再起に向けての手ごたえはつかんだ。出し惜しみなく序盤からハードワークし、鳥栖の岸野靖之監督に「目いっぱいプレスをかけてきた」と言わせ、楚輪監督は「負けたが清々しい」と選手をたたえた。FW長谷川満を１トップ気味にし、FW石田英之と２列目のMF木本敬介、朝日大輔が動き回る攻撃パターンで好機を作った。木本は試合後、「結果がついてこなくて残念。次の試合は２点取ることを目標にしたい」。強気で状況を打開するつもりだ。
DF濱野勇気が出場停止から復帰し、「勝利に貢献できるよう体を張りたい」と言う。今節も先発メンバーの入れ替えが予想され、心機一転で流れをつかみたい。

　草津には17得点でランキング４位の都倉賢をはじめ、FW、MFにタレントがそろう。ダブルボランチの櫻田和樹と松下裕樹の展開力や前線への飛び出し、ミドルシュートは対戦相手にとって脅威だ。富山は１勝１分だが、いずれの試合も主導権を握られた。０−０だった第２クールもシュート数は富山５本、草津１３本。最後の砦であるGK中川雄二の好セーブも含めた粘り強い守りでしのいでいる。草津としては、富山から無得点のまま終わるわけにはいかないだろう。

　草津は前節、ホームで甲府を１−０で下して５試合勝ちなし（１分４敗）のトンネルを抜けた。移籍後初先発のFW小林竜樹がJ初ゴールを挙げ、１−０で競り勝ったのは今季初めて。今季最多8276人の観衆に応えた。「チームの結果が出ていない中でこれだけ多くのサポーターに来てもらったことに感謝するためにも結果を残したかった。残り試合、こういう気持ちを忘れずに戦いたい」と松下は話している。

　両チームとも、リーグ戦の中で何度も停滞期を経験し、今もその途中にある。残り１１試合、我慢の末に階段を上るのか、下るのかで１年の成否は定まるだろう。同じ踊り場に立つ者の意地のぶつかり合いに注目したい。

以上


2009.09.22 Reported by 赤壁逸朗