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【J2:第40節 草津 vs 甲府】レポート:草津が虎の子の1点を守り抜き今季初の1対0の勝利。甲府はゲームを支配しながらも無念の敗戦。(09.09.21)

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9月20日(日) 2009 J2リーグ戦 第40節
草津 1 - 0 甲府 (16:04/正田スタ/8,276人)
得点者:55' 小林竜樹(草津)
スカパー!再放送 Ch185 9/21(月)19:00〜(解説:佐藤正美、実況:梨子田友和、リポーター:円戸由香)
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試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた瞬間、松下裕樹はペナルティエリアで両ひざを落としながら両拳を突き上げて勝利の喜びを全身で表現した。12位草津と4位甲府との対戦は、草津が虎の子の1点をチーム一丸の守備で守り抜き、昇格争いを繰り広げる甲府に痛恨の一撃を浴びせた。草津にとって1対0のスコアでの勝利は今季初めて。草津は、勝負に徹した戦いを披露しスタジアムにかけつけた多くのサポーターに勝利をプレゼントした。

一戦必勝の甲府は前線にマラニョン、金信泳、大西容平の3人を配置する3−3−4の基本システムでゲームに挑む。迎え撃つ草津は、今節直前に負傷した守護神・本田征治に代わって常澤聡がゴールマウスへ。さらに前節東京V戦で負傷退場した高田保則のポジションには湘南から期限付き移籍をした小林竜樹が入った。草津は、ベテラン2人の戦線離脱によってチャンスを得た常澤と小林がチームの勝利に大きく貢献した。

立ち上がりは甲府がリズムをつかんだ。6分に金が右クロスに飛び込み最初の決定機を演出すると、15分には不安定な草津DFラインの裏を突いて再び金がゴールへ迫る。さらにはマラニョンが左足でシュートを放ち、セットプレーから林健太郎もゴールを狙うなど、甲府はエンジンのかからない草津を尻目に次々とチャンスを築いていく。だが、ゴール前に立ちはだかったのが常澤だった。抜群のシュート反応で甲府のシュートをゴール外へかき出すと、緩んだ守備陣を自らのプレーで鼓舞していく。「後ろからパワーを与えてもらった」(喜多靖)。

甲府の迫力は後半になっても留まるところを知らなかった。藤田健、林健太郎、石原克哉のベテラン3人が作る絶妙なパスワークに3トップが絡み、ゴールへの道筋を創り出す。だが、その裏にピンチは潜んでいた。54分、金が右サイドから決定機を作るが、草津は常澤が決死のブロック。そして素早いカウンターで一気に甲府陣内へと切り込んでいく。熊林親吾がバイタルエリアでタメを作ると、外側を走る小林へ絶妙なノールックスルー。それを受けた小林が思い切り左足を振り抜くと、そのシュートはGK荻晃太の足元を抜けてゴールへと転がり込んだ。小林は「前半はアンカーへのマークに力を入れ過ぎて仕事ができていなかったので後半は攻撃に力を向けた」とJ初ゴールの喜びをかみしめた。

先制に成功した草津はその後の時間帯を冷静に対応した。2枚の守備ブロックを形成し、チーム全体が連動して甲府を網にかける。前節、先制しながら後半に逆転を許した東京V戦の反省が活かされていた。草津守備陣は、パワープレーを仕掛けてゴール前へとボールを入れてくる甲府を、体を張った粘りの守備で弾き返して、価値ある勝利をつかみ取った。決勝ゴールを挙げた小林、ゴールを死守し続けた常澤、さらには右サイドでマラニョンを抑え込んだ佐田聡太郎、中盤の底で激しい守備を見せた松下など、草津はチーム全員がそれぞれの役割を果たした。

次節に仙台との大一番を控える甲府は、12位・草津相手に痛い星を落とした。前半、ゲームを圧倒的に支配しながらも決定機を決め切れなかったことが、自らを苦しめる結果になった。「チャンスを決められなかったことよりも、失点をしたことが悔やまれる」(大西)。試合後、肩を落とす選手たちを、正田スタに詰め掛けた約2千人の甲府サポーターは大きな声援で迎えた。ゴール裏には「We are one」と書かれたゲーフラが掲げられていた。甲府は選手、サポーターが一体となって昇格への最終コーナーへと突き進む。

甲府相手に勝点3を獲た草津だが、臨機応変な戦いが勝利を呼び込む結果になった。甲府のプレッシングを嫌った草津は、頑なに「理想」を追う窮屈なポゼッションではなく、シンプルにロングボールを蹴る「現実」的なサッカーで甲府のリズムを崩した。それは今季の草津が否定してきた戦い方だ。安間監督は「なりふり構わず勝点3を取りにきた感じだった」と話し、石原は「強いFWと速いFWがいるので、(ポゼッションよりも)蹴られるのが一番嫌だった」と振り返った。この日草津が演じたサッカーは追及するサッカーではなかったが、闘争心をむき出しにした草津らしいサッカーだった。草津が「理想」と「現実」を融合できれば、残り11試合でチームは劇的な変化を遂げるかもしれない。

以上

2009.09.21 Reported by 伊藤寿学
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