9月20日（日）J2 第40節 草津 vs 甲府（16:00KICK OFF/正田スタ）
スカパー！生中継 Ch183 15:50〜（解説：佐藤正美、実況：梨子田友和、リポーター：円戸由香）
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前節、味の素スタジアムで行われたアウェイ東京Ｖ戦。草津の選手たちは試合前、アウェイ側スタンドの一角を埋めた数百人のサポーターをみて気持ちを奮い立たせたという。草津は前々節のホーム熊本戦で０対６というスコアで大敗した。「不甲斐ないゲームをしたあとでも、あれだけ多くのサポーターが来てくれたことに感動を覚えた。サポーターのために戦わなければいけないとあらためて感じた」（廣山望）。今季の草津は、どんな状況に陥ってもチームに熱い声を届けるサポーターによって支えられてきた。しかし、いつまでも、それに甘えるわけにはいかない。今節のホーム甲府戦は、選手がサポーターの想いに結果で報いなければならない。

第２クールまではかろうじて中位に居残ってきた草津だが、第３クールに入り失速し現在12位となっている。一時は大きく差をつけていた13位福岡には勝点で並ばれ、14位熊本とは勝点３差。今節の結果次第では14位まで後退する可能性を秘めている。さらに先日、望月監督の解任を発表した15位愛媛との勝点差もわずか４まで詰まってきている。第３クール１分４敗と白星がない草津は正念場に立たされている。

　最近のチームをみていて気にかかることがある。チーム全体が敗北を淡々と受け入れている印象を受けるのだ。06年のシーズン途中に草津へ移籍した秋葉忠宏（08年まで草津でプレーし現在は相模原ＳＣ所属）はチームに、はびこる「負け癖」を指摘。勝負にこだわる姿勢をチームに浸透させ、鳥居塚伸人（現コーチ）らとともに意識改革を実行した。今季のメンバーは昨季を経験した選手が大半を占める。今のチームに必要なのは、勝負への執着心を思い出すことだ。

　勝負への執着心の一端は、時間帯別得点にも表れている。草津が75〜89分までの時間帯に奪ったゴールは５点、熊本と並んでリーグ最少となる。一方、甲府は、Ｃ大阪に次いで多い17点を奪う。都倉は「今季はゲーム終盤での得点が少ない。苦しい時間帯でゴールを決められるかどうかは、技術ではなくメンタルだと思う」と気持ちの部分を強調する。昨季35節、アウェイ甲府戦で昇格レースの崖っぷちに追い込まれた草津は、終盤に尾本敬が執念の同点ゴールを叩き込んだが、昨季のチームはロスタイムにさまざまなドラマを魅せてくれた。今節、勝負が最後までもつれるならば、スタンドを沸騰させる土壇場のゴールを期待したい。

　今ゲームのポイントとなるのは、草津守備陣ＶＳ甲府３トップ。決定力を持つＦＷ陣が前線に張る甲府の攻撃を、草津のＤＦラインがどう抑えるか。草津は今季２度の甲府戦でいずれもセットプレー絡みで先制を許しただけに、セットプレーへの警戒、そしてＦＫやＣＫを安易に与えない守備が求められる。過去２戦、甲府の術中にハマり自分たちのサッカーができなかった草津がどんな対応を取るが注目だ。さらに最近５戦で５ゴールを挙げるマラニョンをいかに止めるかがカギとなる。左ＳＢ小池純輝は「今、求められているのは結果。点を取る気持ち、失点を許さない気持ちを前面に出していく」と必勝を誓う。

　草津というチームは生え抜きの数選手を除いて、行き場を失ってここに辿り着いた選手がほとんどだ。今季、結果が残せなければ来年以降はＪリーグに残れるかは保障されない。主将・喜多靖は「今のままでは何も残らないし、こんな成績では来年もサッカーができるか分からない。チームのためにも自分のためにも結果を残さないといけない」と危機感をむき出しにする。草津は県１部からスタートし、選手、スタッフ、サポーターの努力によってＪ２まで登り詰めたチームだ。這い上がる意思のある選手だけが、草津でプレーする資格を持つ。今節は、選手たちが草津戦士である証を見せる場だ。

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2009.09.19 Reported by 伊藤寿学