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【J2:第39節 甲府 vs 札幌】レポート:マラニョンの2ゴールで首位との勝点差を縮めた甲府。札幌は愛媛戦の再現ならずに更に厳しい勝点差を背負った。(09.09.14)

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9月13日(日) 2009 J2リーグ戦 第39節
甲府 2 - 1 札幌 (16:03/小瀬/11,553人)
得点者:9' マラニョン(甲府)、44' マラニョン(甲府)、49' 藤田征也(札幌)
スカパー!再放送 Ch183 9/14(月)23:00〜(解説:堀井岳也、実況:桜井和明、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:土橋諒)
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前節(第38節)、C大阪と引き分けて首位・仙台と勝点差が4に広がったことで、ちょっと落ち込んでいたけれど、今節札幌に勝って首位返り咲きのC大阪と勝点差が3になると、ちょっと喜んでしまう。最近はこんなことの繰り返しで、最後の第51節までに身体の何処にあるのか分からない「心」が壊れてしまうんじゃないかと心配になる。これが贅沢な心配であることは理解しているが、冷凍と解凍を繰り返したカニのように喜びと悲しみを繰り返して「心」がスカスカになりそうで怖い。どんなときでも期待して、信じて、信じて、信じて、信じ抜いて、甲府の試合を見ることが出来ればいいけれど、傷つかないように「心」のどこかで常にサーモスタットを準備している。バスケットボールのように殆どの攻撃がゴールに繋がるスポーツと違って、サッカーは殆どの攻撃が失敗してちょっとしか点が入らない。だからほんの少しの違いや運があれば勝てると思わせるから罪作り。魔性の女に翻弄されているような気分になる。負けそうな試合でも、何とかなるんじゃないかと思って諦められない。「『だからサッカーは面白い』(C)サカクラゲン@鳥栖担当」。

期待通り容赦ない西日が小瀬を照らしつけた前半。気温も28度を超え、夏が終わった札幌の選手には厳しい条件となった。金信泳を3トップの中央で先発させた甲府は、久しぶりに高圧プレッシャーを相手のディフェンスラインに掛けることが出来た。足元がメッシみたいに巧いわけではないけれど、身体が大きく頑丈だからスピードに乗れば止められないし、寄せられても簡単にボールを奪われないのが彼のストロングポイントの1つ。そして、ゴールには繋がらないけれどイ・ビョンホンに似ているところもストロングポイント。で、その金が機能する前に甲府はラボーナで蹴るロングシュートの成功率ほどしか期待していなかった形で先制ゴールを上げる。最近は張子の虎だったフリーキックだ。9分にペナルティエリアの角から大西容平が柔らかいタッチで蹴ったボールは札幌のGK高原寿康の胸に向かって飛んでいったが、高原がキャッチする手前でマラニョンが頭の高さまで右足を上げてコースを変えてゴールイン。

その後も主導権を持ち続けた甲府だが、札幌のゴール前でボールは回すが勝負する選手が皆無で、藤田健がワンツーで守備のブロックを突破しようとするだけ。主導権を持っているわりには決定機が作れなかった。スペースがあるときは金の縦の突破力を活かそうとするが、パスが強すぎるのか、金の動き出しが遅いのか、バイクに乗っていないと追いつかないような縦パスで札幌を助けてしまう。一方、札幌はサイドチェンジから決定機を作ろうとするが27分に宮澤裕樹に合ったクロス以外はなかなか決定機が作れなかった。暑さの為か、徐々にボールを奪い返すパワーが落ちていき、主導権を奪えなかった。そして、甲府はロスタイムに大西が高い位置から奪ったボールを金に繋ぎ、華麗ではなかったけれど金がドタバタとディフェンダーをかわして、左サイドのマラニョンにパスを出し、マラニョンが素晴らしいワンタッチでGKと1対1の場面を作って2点目を挙げた。

後半の札幌は、足を痛めたダニルソンと持ち味を発揮できなかった古田寛幸を下げ、砂川誠と西大伍を投入。前節の愛媛戦で0−2から逆転勝利を挙げた成功体験があるだけに、選手は諦めていなかった。0−2になっても歌い続けたサポーターも同じだろう。ボールを奪うパワーが戻った札幌が後半の主導権を最初に取った。そして、4分に殆どプレッシャーを受けていなかったキリノが逆サイドからスルスルと上がってきた藤田征也に合わせて1点を返す。後半の早い時間帯のゴールは愛媛戦と同じパターン。3分後には藤田征也のクロスに初先発のハファエルが頭で合わせるが叩きつけることができずにゴール裏の看板を直撃。このシュートが決まっていれば流れは変わっていたかもしれない。

札幌の効果的なサイドチェンジに甲府は我慢のサッカーを強いられる時間が長くなり、安間貴義監督は足がつった吉田豊に代えて御厨貴文を、「足がつるまで頑張れ」と安間監督に言われ続けていた金に代えて美尾敦を投入する。この交替で流れを取り戻した甲府は73分と、75分に「30ゴールが目標(現在15ゴール)」と開幕前に言っていたマラニョンに決定機が訪れる。しかし、73分のシュートは決まったと思ってノートにボールの動きを書いていたが誰も喜ばないから顔を上げるとインプレー。隣の記者に聞くと、「バーに当たってピッチに戻った」ということだった。75分の決定機はダニエルからの縦パスを藤田健がアクロバティックパスでマラニョンに繋いだが、シュートをGK高原に当ててしまってノーゴール。2回あったハットトリックのチャンスを逃したマラニョンは試合後に、「目標は20〜25ゴール」とリーマンショック後の自動車メーカーのように目標を下方修正した。札幌も74分の宮澤のヘッド、ロスタイムの上原慎也のヘッドと決定機があったがともに決められずに愛媛戦の再現は出来なかった。

3位の湘南が勝ったために、勝点差が17に開いてしまった札幌。残り12試合で昇格という目標を達成するには非常に厳しい勝点差になってしまった。藤田征也が「大事な試合だった。でも可能性がある限り、切り替えてやっていく」と話したが、一戦必勝で戦い続けるしかない。前半の入り方は課題だが、後半の内容は悪くなかった。
一戦必勝は4位の甲府も同じ。石原克哉が「前節で首位・仙台と勝点差が4になったが、焦らず一戦ごとにしっかり戦って行くだけ。今日は仙台が負けたから仙台との勝点差は1になった。少しは喜ぶけれど、大きく一喜一憂はしない。今はチームが一丸になっているし、負け数がリーグ最少で連敗もしていない。そろそろ得失点差も意識しないといけないけれど、自信を持てる部分はある」と言うように、目の前の試合を全力で戦うしかない。家具を買うときは「ニトリ」と決めているが、今日は「ニトリ」がサポートする札幌に勝つことだけを考え、勝つことが出来た。こういう勝利を1つでも多く積み重ねるだけ。選ばれた選手、チャンスを貰った選手がしっかり仕事をして勝ったことを誇りたい。

以上

2009.09.14 Reported by 松尾潤
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