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【J1:第25節 広島 vs 横浜FM】プレビュー:今季、広島が歴史を創れるか否か、その試金石となる戦い。選手層の厚みを誇る横浜FMが、紫の若者たちの前に立ちはだかる。(09.09.11)

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9月12日(土)J1 第25節 広島 vs 横浜FM(16:00KICK OFF/広島ビ
スカパー!生中継 Ch182 15:50〜(解説:沖原謙、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
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「残り10試合が本当の意味での勝負。チーム力が試される」
佐藤寿人の言葉である。そして彼は、こんなことも口にした。
「この時期でこの順位というのは、今の広島にとっては未知の領域だから」

 過去の広島が優勝を争ったのは、94年サントリーシリーズのみ。93年サントリーシリーズは第8節まで6勝2敗と快進撃を見せたが、その後は5連敗を喫して結局は6位。01年はセカンドステージで3位に入ったが、残り5試合の段階では10位にすぎなかった。05年第20節で3位に浮上したものの、その後の10試合で4勝2分4敗と失速し、最終的には7位にとどまっている。

 首位鹿島と10ポイント差がある状況では、現在3位にいるとはいえ「優勝争い」とは呼べない。しかし05年当時とは違い、上位3位までに入ればAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)出場権が獲得できる。J1復帰を果たした時、本谷祐一社長は「2年以内にACL出場を」と目標を掲げたが、それを1年目で達成できる可能性も、確かに見えてきた。

 ストヤノフは「ACL、ACLと騒ぐのではなく、あくまで1試合1試合、しっかりと戦うことが大切」と語っているが、周囲がACLについて騒がしくなるのは致し方あるまい。天皇杯の決勝には4度進出しているが、J1で何かの栄光を賭けて戦うのは15年ぶり。今のチームでその時代を知っている選手は唯一、下田崇のみでその彼もルーキーだったこともあり、試合には絡めていなかった。

 ここからの10試合、若い広島の選手たちには無形の重圧が襲ってくる。昨年のJ2でも、「1年でJ1復帰」という重荷を背負ってはいた。しかし、それを圧力として感じていたのはシーズン当初くらい。圧倒的な勢いと力の差を見せつけ、最後は7試合を残して優勝を果たしている状況では、ギリギリの本当の意味でのプレッシャーを感じることもなかった。

「自分たちのサッカーをすれば、相手どうこうは関係ない」と佐藤寿は語る。その言葉通り、相手に合わせた戦い方をほとんど採用せず、自分たちが主体的にサッカーを構築することで、伸びやかに勝点を積み上げてきた広島。しかしここからは、その「自分たちのサッカー」を表現しづらい環境下になる。相手は広島に対する研究を徹底し、広島にストロングポイントを出させないように戦ってくる。そこに、順位的な重圧がかかってくれば、経験のない若い選手が今までどおりの伸びやかなエネルギーを発散できる保証はない。「敵は自分たちの中にある」と柏木陽介は表現していたが、まさにそのとおり。相手との戦いの前に、まず自分たち自身の内面との勝負に勝たねばならない。

 チーム事情としては、相変わらず厳しい。李忠成の加入は大きな戦力アップではあるが、一方で青山敏弘や高萩洋次郎が腰に爆弾を抱えたままのプレーを余儀なくされている。攻守の中心であるストヤノフは2010FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選を2試合戦って、試合前日の練習から合流。特に大きな重圧のかかったアウェイのイタリア戦でフルタイム出場を果たしていることもあり、横浜FM戦の出場が可能かどうか、微妙な情勢だ。ペトロヴィッチ監督も練習で様々なオプションを試しており、コンディションに応じたフォーメーションを模索している。

 一方の横浜FMにしても、状況は決して楽ではない。先週はヤマザキナビスコカップを2試合戦って、結果は敗戦。心身の疲労はずっしりと選手たちの肩にのしかかっている上に、第2戦ではGK飯倉大樹が退場。今節は出場できない。守備の大黒柱・中澤佑二も日本代表のオランダ遠征(2試合)で消耗しているはず。コンディションは万全ではない。

 横浜FMも広島同様に後半戦負けなしを続けているが、2勝5分という結果が示すとおり、どちらかといえば「勝ちきれていない」という印象。決してサッカーの内容は悪くないのだがなかなか得点が奪えず、引き分けが多くなっているのが現状だろう。メンバーやシステムもなかなか固定できず、難しい戦いが続いている。

 ただ、選手層の厚みは横浜FMの方が上。経験豊富な河合竜二がケガから戻り、守備陣のタレントはそろった。長谷川アーリアジャスールなど若い選手の台頭も目立ち、山瀬功治をベンチに置いて戦えるほど。GKにも経験豊富な榎本哲也や成長株の秋元陽太がおり、飯倉の穴は埋められそうだ。

 若さと勢いに満ちた広島が、「上に向かう重圧」を跳ね返すことができるか。過去の対戦成績で23勝2分10敗と圧倒的な大差をつけている横浜FMが、またも大きな壁となって広島の前に立ちはだかるか。Jリーグ開幕から17年目、過去に2度も降格を経験し、煮え湯ばかりを飲んできた広島が、栄光の歴史に向かって歩き出すための重要な戦いを、見逃す手はない。

以上

2009.09.11 Reported by 中野和也
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