9月12日（土）J1 第25節 京都 vs Ｆ東京（13:00KICK OFF/鴨池）
スカパー！生中継 Ch182 12:50〜（解説：名波浩、実況：高野勝正、リポーター：和田りつ子）
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「京都に来てから全部引分け。今度、勝てればいいと思う」と増嶋竜也は語った。京都がＪ１に昇格してからＦ東京とは4度対戦し（08年J1第3節・3-3、第18節・1-1。09年J1第11節・0-0、ヤマザキナビスコカップ予選第4節・1-1）その全てが引分け。今度こそ、決着をつけたい。

1年ぶりの鴨池決戦。
対戦相手のＦ東京は、先週のヤマザキナビスコカップ準決勝で清水に競り勝ち5年ぶりの決勝進出を決めた。石川直宏が戦列に復帰したのは心強いが、FWカボレがカタール移籍のため7日に離日、さらに、左サイドバックの長友佑都は日本代表の欧州遠征で連戦と、今節、Ｆ東京はベストメンバーを組むのは難しいと言わざるを得ないだろう。
もう1つのポイントは13時という試合開始。京都はリーグ中断2週間を、試合開始13時を想定し、9月5日には阪南大学と13時から試合を組むなど、練習を重ねてきた。加藤久監督は「日差しがあると消耗しやすくなる」と、ナイトゲームから昼間の試合への順応の難しさを指摘する。Ｆ東京は6日にヤマザキナビスコカップでナイトゲームをこなして1週間の準備での今節となる。13時試合開始、さらに南国・鹿児島での戦い。コンディション調整は勝負の行方を占う1つのポイントと言えよう。

とはいえ、Ｆ東京の攻撃力は京都にとって脅威であることに変わりはない。右の石川、左の羽生直剛の運動量は豊富で、縦だけでなく、中央へも積極的に動き、DFを撹乱する。京都としては人の動きに翻弄されず、しっかりとゾーンで守りたい。
Ｆ東京の攻撃力について水本裕貴は「どんどん攻めてきた方がやりやすい。カウンターも狙えると思うから」と話す。京都は李正秀が韓国代表から合流。ここ最近の試合でも堅い守備でチームを支えてきただけに、Ｆ東京の攻撃をどれだけ跳ね返せるか見ものだ。

もう1つの注目が京都DF水本とＦ東京FW平山相太とのマッチアップ。ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦でも決勝点をマークするなど決定力を見せつけている。5月30日のヤマザキナビスコカップ予選での対戦後に「前線でつぶれ役が多い、もっといい位置でプレーしたい」と話していたが、今では得点源として働いている。
この平山に対し水本は「もともと得点能力は高い。ウチの年代ではNo.1だと思っています。勝つ確率を高めるためには相太を止めないと」と話す。同年代の意地のぶつかり合い、見応えのある戦いとなりそうだ。

「ウチの年代」。水本、平山に代表される、いわゆる北京世代がこの両チームには多く在籍する。京都では増嶋、中山博貴、豊田陽平、松井謙弥、Ｆ東京の主力にも長友佑都、梶山陽平、中村北斗と揃っている。彼らの戦いもこれから注目を集めること必至。
その中でも京都、中山に注目したい。
ここまで1試合しか出場しておらず、サテライトのゲームでもサイドバックを守るなど出場チャンスには恵まれていない。だが加藤監督は中山に対し「トップの試合でサイドバックの起用は最初から考えていません。あの位置でアップダウンの運動量を増やし、そこでシンプルにプレーする、そうしたベースの部分を上げて欲しい」と中山に期待しているのだ。さらに加藤監督は「今、中山と豊田のコンビネーションが非常にいい。お互いにやりやすいと話しているし、柳沢敦、ディエゴのコンビのように中山、豊田のコンビもオプションとして可能性を感じる」と評価する。
パウリーニョが、シャムスカ監督の「低迷するチームを救って欲しい」という要請を受けてスポルチ・レシフェ（ブラジル）へ移籍した。彼の移籍に寂しさを感じるのは確かだが、他の選手にとっては大きなチャンスでもある。
中山にとっても試合から遠ざかることで様々な懊悩（おうのう）はあるだろう、だが、彼は「考えすぎず、メンバーに入れたら自分の良さを出したい」と口にする。
チャンスを掴んで結果を出せるか。是非とも殻を破っての飛躍に期待したい。

鴨池の地でＦ東京との戦いに決着を―。選手たちの熱い戦いに好ゲームの予感は高まる。

以上

2009.09.11 Reported by 武田賢宗