9月12日（土）J2 第39節 富山 vs 岐阜（13:00KICK OFF/富山）
スカパー！生中継 Ch183 12:50〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
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東海北陸ダービーはここまで富山の１勝１分。順位も１０、１１位と隣接して岐阜に勝点４差まで迫られており、負けられない一戦だ。けがや出場停止で前節から先発メンバーは入れ替わるが、着実に高めてきたチームの総合力で４試合ぶりの勝利をつかみたい。

前節の苦戦が良い薬になりそうだ。最下位の栃木に１−１で引き分けたが、楚輪博監督が「完敗」と認めるほど押されまくった。前線へのロングボールのこぼれ球へラッシュしてくる相手に対し、ボール争奪で後手に回り、奪っても勢いに押されてパスミスが多かった。「全体的にバランスが悪かった」と総括した楚輪監督は今週、「守りに戻れていてもファーストディフェンスに行けなかったり、その後の連動が遅れ気味になったりしている」と考え、チームの看板である組織ディフェンスの確認によって建て直しを図った。
　岐阜にはFWのパワーや両サイドの速さ、ハードワークを厭わぬ若さなど、栃木との共通点が多い。「（岐阜は）高さのあるFWを的にしてシンプルな攻撃をしてくる。イニシアチブ（主導権）を握って相手に付き合わされないようにしたい」とGK中川雄二は話した。

攻撃面では前節、ワンチャンスをものにして先制点を挙げる集中力をみせた。右サイドでMF朝日大輔、DF足助翔とつなぎ、センタリングにFW木本敬介が頭から飛び込んで得点した。得点力アップのために強化に取り組んできた攻撃パターンが実を結んだ。朝日は「前節は仕掛ける場面が少なかったが、（得点場面のように）自信をもってつなげばチャンスは作れる」と手ごたえを感じている。

けが人の多い状況に加えて、今節は木本とセンターバック濱野勇気が出場停止だが、楚輪監督は「（前節10試合ぶりに出場したFWの）長谷川（満）や（出場停止が明けるDFの）ケンゴ（堤健吾）が戻ってくるし、心配はない」。
ここまでも、同じように楽ではない状況は何度もあったが、その度に代わって出場した選手が奮起して安定した戦いを続けてきた。J２の１８チームで唯一、シーズン途中の選手獲得を行わなかった。切磋琢磨しながら個人がレベルを上げ、チーム力を高めるという開幕前に決めた真っ直ぐな道を進んでいる。

「大事な試合。存在感を出したい」と長谷川。第２８節での負傷以来、先発から遠ざかっているFW石田英之も「走れるようになってきた。チームに活力を与えたい」。DF金明輝は先発した最近２試合で勝利がないことを悔しがり、「しっかり守るだけでなく、１点決めるぐらいの気持ちで頑張る」と話す。出場のチャンスに思いを巡らせ、ひとりひとりが気持ちを高めている。東海北陸ダービー、０９年９月１２日の富山に注目だ。

以上

2009.09.11 Reported by 赤壁逸朗