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【J2:第33節 栃木 vs 横浜FC】レポート:新たな生命の誕生。20試合ぶりの勝利。歓喜の揺りかごダンス。ひたむきな姿勢が、ようやく報われた栃木。17位・横浜FCとの勝点差を1に縮めた。(09.09.11)

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9月10日(木) 2009 J2リーグ戦 第33節
栃木 1 - 0 横浜FC (19:03/栃木グ/4,507人)
得点者:53' 河原和寿(栃木)
スカパー!再放送 Ch182 9/11(金)17:30〜(解説:セルジオ越後、実況:飯島誠、リポーター:新井謙一郎)
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右サイドでスローインを受けたレオナルド。3人に囲まれるも、チェックに来た1人をふっ飛ばし、縦方向にドリブルを仕掛け、対応にきた2人目も一瞬のスピードとフェイクで置き去りに。「カワ(河原和寿)もシン(向慎一)も見えていた」レオナルドは、グラウンダーのボールをゴール前へと届ける。ニアサイドで崔根植がDFを誘き出し、空いたスペースに飛び込んできた向がスルー、その奥に走り込んできたのはレオナルドにスローインを入れた河原。190cmのGK大久保択生が懸命に手を伸ばすも、河原のダイレクトシュートは綺麗に逆サイドネットへと収まった。
「力づくではなくて、しっかりイメージを持ち、人のいないところにパスする感じ。(中略)パーフェクトなスキルが出た」
松田浩監督は、きっちりと仕上げの作業を行った河原を絶賛した。53分の先制点は、決勝弾となり、勝点3に繋がった。2桁10ゴール目をマークした河原だが、これまでの9ゴールはいずれも勝利に結び付かなかった。それだけに、「サポーターになんとか勝利をプレゼントすることができて本当によかった」と胸をなで下ろした。5月28日のカターレ富山戦(18節)以来20試合ぶり、ホームでは4月5日のファジアーノ岡山戦(6節)以来15試合ぶりに、栃木SCは勝利を掴み取り、サポーターと歓喜の瞬間を分かち合った。

栃木と横浜FCの一戦は、「戦前の予想通り、我慢比べになった」(松田監督)。開始18秒、向がファーストシュートを放ち栃木がイニシアチブを握り、左右から攻め入るが、スピードに欠けた。連戦からくる疲労は隠しきれず、素早い攻守の切り替えは難しかった。運動量も豊富だったとは言い難い。
それは、横浜FCも同じだった。「ラインも押し上げられず、プレスも上手く掛からなかった」(吉本岳史)。前節、水戸ホーリーホック戦で見られたコンパクトな守備は、ひとりひとりの距離が遠かったことで機能しなかった。復帰した難波宏明が果敢にDFラインの背後を狙ったが、時間の経過とともに鳴りを潜める。前半のシュート数は、たった1本。単調なロングボール攻撃に終始した45分間だった。
過去2戦と比較して良質なサッカーを展開できなかった栃木だが、CKから崔が、河原がレオナルドとのコンビネーションで好機を迎える。が、崔も河原も決めきれなかった。結局、無得点に終わるも、窮地を招くことなく、無失点で前半を終われたことは小さくなかった。

「0−0で耐えたことが後半の1点につながった」とは鴨志田誉。先制を許さず、先手を取ったのは、実に6試合ぶり。河原はゴール後、チームメイトを呼び寄せ、栃木ゴール裏に向けて「揺りかごダンス」を披露。このパフォーマンスは、試合日の9月10日の午前6時、第1子を授かった米山篤志へのお祝いの意味が込められていた。
ゴールで勢い付いた栃木の攻撃を横浜FCは跳ね返すのが精一杯。前への推進力が働かなかった。守から攻へのシフトが遅く、攻撃に人を割けない。J初出場のエデルのスピードは確かに脅威だったが、タメを作れる安孝錬と小野智吉が不在では変化をつけるのは困難だった。交代カードを切って活性化を図るも、一時的なものであり、持続しなかった。
一方、攻勢に転じていた栃木も加点できなかった。パパとなった米山がジュニアへ捧げる一発をCKから何度も狙うが、決定機を逸し続け、ロスタイムの絶好機も崔にはシュートを打ち切る力が残っていなかった。しかし、ロスタイム5分間を上手くやり過ごし、逃げ切りには成功。初の同一カード勝ち越しを決めた。

「今日は不完全燃焼」。そう話したのは根占真伍。横浜FCは攻守に精彩を欠き、自分達の思い描く展開に持ち込めなかった。今節へ向けて樋口靖洋監督はペナルティエリアへ人数を掛けること、ミドルレンジから積極的にシュートを打つことを攻撃面の課題としていたが、球際の厳しさとセカンドボールへの働きかけで劣り、守勢に回ったことで攻撃に全く時間を掛けられなかった。「ここ最近はいい試合をしていた」(吉本)だけに、悔やまれる敗戦。次節は湘南ベルマーレとの『神奈川ダービー』。気持ちを引き締めなければ、同じ轍を踏むことになるだろう。出場停止が明けるベテラン早川知伸と前節に劇的な同点弾を決めた中野裕太には、リーダーシップとゴールが期待される。

17位・横浜FCとの勝点差を1に縮めた栃木。勝因が先制点にあることは間違いない。また、先に点が取れたのは、相手を無失点に抑え、0−0で試合を進められたからに他ならない。勝機を引き寄せるのに必要な要素を全て満たしたことが、勝点3という形で結実した。ここ数試合は「限りなく勝利に近い状況が続いていたが、勝てない状況が続いたことが選手にとっては凄くストレスになる」(松田監督)厳しい状況だったが、腐らずに黙々とトレーニングに励み、試合では自分達の志向するサッカーを貫き通した。例えハードワークが報われなくとも、ハードワークが勝利への近道ならば、ハードワークを繰り返した。真摯にサッカーと向き合ってきたからこそ、相当頑固な勝利の女神を振り向かせることが出来た。下を向かずに戦った選手達の姿勢は尊い。

未勝利はストップしたものの、最近は複数得点を得られていない。課題は残り、修正を図る必要があるが、中2日で迎える水戸との『北関東ダービー』には、ネガティブな考えを持ち込まず、勝利したいいイメージで臨む方が結果は出る。富山戦の勝点1を勝点3に変えられた。今度は勝点3に勝点3を上積みし、今季初の連勝に繋げたい。「せっかくいい試合をして勝点3を取ったので、今後も続けないといけないな、という気持ちの方が強い」。指揮官は久方ぶりの勝利にも浮かれることなく、むしろ勝って兜の緒を締めた。慢心が入り込む余地などなく、最高の状態で水戸戦に挑めるはずだ。

以上

2009.09.11 Reported by 大塚秀毅
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