本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第39節 熊本 vs 鳥栖】熊本側プレビュー:GK小林は「壁は、よく見ると扉かもしれない」と言った。その扉、九州ダービーのホーム初勝利で開けろ!(09.09.11)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月12日(土)J2 第39節 熊本 vs 鳥栖(16:00KICK OFF/熊本
スカパー!生中継 Ch183 15:50〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:吉田明央)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
★ダービーマッチをスタジアムで見よう!チケット情報はこちら
J2 PRIDE of 10 〜J2ダービーDay〜

 熊本は前節、Jリーグ加入後最多の6ゴールを挙げて草津を降し、6試合ぶりの勝利を飾った。その要因のひとつが、この試合を迎えるにあたってテーマとして掲げていた『インターセプト』と『速い攻め』という要素がピッチ上で表現されたこと。この2つはそれぞれ独立したキーワードとしてではなく、言わばセットでインプットされたもの。

 例えば、前半終了間際の山内祐一の得点。ボールを奪った矢野大輔がクサビのパスを入れると、ペナルティアーク付近でそれを受けた山内はすぐさまターン、草津ゴールに向かってドリブルを仕掛ける。結果的にはこれがゲームの流れを引き寄せる2点目につながった。つまり北野誠監督が選手たちに植え付けたのは、「インターセプトして前へのパワーを持っている時には、シュートまで持っていこう」ということ。攻撃時にスローダウンしてしまい、相手の守備ブロックが整う時間を与えていた場面が多かったことを踏まえての狙いだ。

 草津戦での得点シーンを振り返れば、先制のPKを除いてほとんどがこの狙いが形になったもの。だが「落ち着いて回せるところもあるし、前へのパワーがダウンしたら、またつないで作り直す」と、そこをどう判断するかという問題はもちろんあるが、この点を改めて強調した事で攻撃にメリハリがつくという期待は持てる。もっとも、インターセプトからの速い攻撃も、ボールを奪った瞬間に前線の受け手が動き出していなければ成り立たないわけで、この点については「3人目、4人目が準備することの延長で、今までの取り組みが積み重なってきたんだと思う」と北野監督は言う。

 意図した形からゴールを奪って勝ったこと(そして連敗を脱したこと)はもちろん収穫なのだが、失点が続いていたチームにとっては、ほぼ同数のシュートを撃たれながら無失点に抑えた点も大きい。クロスバーに当たったり、ポストに跳ね返ったりという幸運にも助けられたし、カウンターからチャンスを作られる場面もあったものの、とにかくゴールは割らせなかった。それは、連敗した事で生じた危機感から「ゼロで抑えようという気持ちを全員が持てて、集中していた」(山内)ことも影響しているだろう。

 鳥栖を迎える今節も、この2点が勝敗を左右する要素になる。鳥栖は今シーズン、先制したゲームは無敗という成績を誇っており、熊本としては先に失点する事はどうしても避けたい。そのためにも、第2クールの対戦でもゴールを許している前線のハーフナー・マイクを封じ、「自由にプレーさせると精度の高いボールが入ってくる」と北野監督が警戒する中盤―島田裕介、高地系治、武岡優斗、高橋義希ら―をしっかりと潰し、パスコースを分断することが大きなミッション。「リスクを冒して攻めることも必要だけど、状況に応じたポジショニングが大事」と吉井孝輔が言うように、スコアや時間帯、ゲームの流れに応じて個々が的確な判断をし、さらにそれを共有した上で、攻撃から守備、守備から攻撃の切り替えを、組織として速くスイッチする事が求められる。もちろん、球際での1対1の勝負、局面局面で気持ちのぶつかり合いで負けない事は言うまでもない。

 鳥栖との九州ダービーは今季1勝1敗の五分で、今節が最後の対戦。だが周囲の雰囲気がヒートアップしているのとは対照的に、この一戦を迎える選手たちの思いは、どちらかといえば冷静だ。誰もが「次が大事」と口を揃え、ハットトリックを決めた山内自身でさえ「ちょっとしたところの差で6−0とかになる。流れって怖いなと感じた」と話すなど、前節の大勝でチームが勢いづいたと言うより、むしろ引き締める方向に作用しているのは悪くない兆候。熊本は昨シーズンからホームでの九州ダービーで勝っていないが、「どうしても勝ちたいという思いを皆が持っている」(北野監督)鳥栖が相手だからこそ、自分たちがやろうとする、そしてここまで積み上げてきたサッカーをどれだけ表現できるかが問われるゲームになる。

 草津戦で32試合ぶりの出場を果たしたGK小林弘記が、試合の2日前にこんなことを言っていた。
「選手個人もチームも、連敗してるときって何かしら目の前の大きな壁にぶつかってるんですよ。でもその壁をよーく見てみるとさ、実は…、扉かもしれないんだよね。まあ、この台詞はだれかの受売りなんだけど(笑)」

 オリジナルじゃないにしても、いい事を言う。では6試合ぶりの勝利で扉のノブに手をかけたのだとすれば、次にやるべきことはただ1つ、その扉を開くこと。自分たちの意思と、そして力で。

以上

2009.09.11 Reported by 井芹貴志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/05(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J2リーグ全ゴールまとめ【0803-0804】