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【国際親善試合 日本 vs ガーナ】レポート:大逆転で「点を取って勝つ」のノルマ果たすも、身体能力や球際、1対1の部分で「世界との差」を痛感させられた岡田ジャパン(09.09.10)

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9月9日(水) 国際親善試合
日本 4 - 3 ガーナ (19:00/ユトレヒト/人)
得点者:31' ギャン(ガーナ)、47' ギャン(ガーナ)、53' 中村憲剛(日本)、66' アモアー(ガーナ)、78' 玉田圭司(日本)、79' 岡崎慎司(日本)、83' 稲本潤一(日本)
■10月は日本代表3連戦
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 強行日程でオランダ入りしたガーナは序盤から予想外の本気モードだった。エシアンらの当たりや球際の強さ、爆発的なスピードは普段、感じられない頭抜けたレベルのもの。「実際にガチっと当たった時、ボールがほとんど向こうにこぼれる」と、世界レベルを熟知するはずの中村俊輔(エスパニョール)さえ、改めてすごさを痛感したほどだ。
 そんな相手に長友佑都(F東京)が前半30分にハンドを犯しPKを与え、先制を許した日本。前半は15分の中村憲剛(川崎F)のシュートチャンスなど3度の決定機があったが、肝心なところで決められない。岡田武史監督も「前半の五分の戦いの時に取りたかったのが本音」と悔しさをにじませた。さらに後半3分には、ゴールキックからギャンと中澤佑二(横浜FM)が1対1になり、いとも簡単にかわされて2点目を決められた。日本最強DFと評される彼が圧倒的身体能力を封じ切れなかったところが「世界との差」を象徴していた。

 それでもオランダ戦惨敗以降、指揮官が「相手に脅威を与える攻撃を見せ、貪欲に点を取る」と言い続けたことを、日本選手たちは決して忘れていなかった。後半8分の中村憲剛の1点目が反撃ののろしとなる。その後、アモアーにまたも個の力を突きつけられ、再び2点差とされてもひるまなかった。指揮官が投入した稲本潤一(レンヌ)、玉田圭司(名古屋)、本田圭佑(VVVフェンロ)という交代カードが流れを変え、疲労困憊で動きが止まったガーナにたたみかけ、後半33分からの5分間に玉田、岡崎慎司(清水)、稲本が立て続けにゴール。4−3の大逆転勝利で欧州遠征最終戦を飾ることができた。

 この試合の収穫は、何と言っても「得点」という結果が出たことだ。ここ3日間、岡田監督も選手たちも「いかに攻めに迫力を出すか」を模索し続けてきた。そのために、アジア最終予選終盤戦から採用してきた4−2−1−3の布陣を4−4−2に変更。前田遼一(磐田)と岡崎を2トップに並べるトライをした。駒野友一(磐田)、都築龍太(浦和)も先発させたが、中盤4人とセンターバックの2人の構成を変えなかったのは「最強メンバーでもう一度勝ちに行く」という指揮官の強い意志の表れだったのだろう。
 この新布陣が成果を挙げた。万能型のFWである前田は前線でしっかりタメを作り、攻撃に時間を与えた。彼の存在によって岡崎も飛び出しの回数が増え、中村憲剛も2列目からゴールを狙うことができた。「2トップの方が攻撃しやすくなる」と長谷部誠(VfLヴォルフスブルグ)も前向きにコメントした通り、前田の起用と2トップの採用はチームに新たなオプションを与えることになった。
 その結果、日本は喉から手が出るほどほしかった「流れの中からのゴール」が4つも手に入れた。2010年ワールドカップ南アフリカ大会のアジア最終予選では引いた相手に自陣を固められ、ゴールをこじ開けられなかった。得点パターンは中村俊輔のFKなどセットプレーが大半を占めた。が、今回は玉田の左45度、岡崎のダイビングヘッド、稲本のミドルなど、それぞれの個性が出て得点につながった。「オランダ戦では自分を出そうと思っただけで終わった。だからこそ今回は自分を出してやりきりたかった。シュートなり、ドリブルなり、中途半端にやるんじゃなくて、リスクを冒して、取られてもいいから1点を狙いたかった」いう玉田の言葉がチーム全体の意識改革を強く物語っている。
 この欧州遠征が事実上の国際デビューとなった中村憲剛が、機転の利いた動きでこのレベルでも十分やれることを示し、大舞台に強い稲本潤一が使えるメドが立った。これらも非常に前向きな材料だった。

 その反面、課題も噴出した。その最たるものが圧倒的な身体能力の差だ。
 日本はオシムジャパン時代の2006年10月にも横浜でガーナと対戦しており、相手の強烈なフィジカルは十分分かっていた。が、多くの選手が活躍する欧州でのプレーはそのすごみが全く違った。中澤と田中マルクス闘莉王(浦和)が左右に流れるギャンに翻弄され、彼についていくと、今度はエシアンやムンタリに飛び込まれる。Jリーグでは球際に強い部類に入る長友らも何度か倒された。その結果、2試合連続3失点と守備が想像以上にズタズタにされた。攻撃面でも相手のスピード、激しい重圧は少なからず影響した。前半13分に闘莉王からのロングパスに抜け出した前田がトラップミスをしてしまったシーンなどが典型例といえる。
 そんな相手に正面からぶつかっても勝てない。やはり工夫が求められる。欧州9シーズン目を迎える稲本の「身体的な強さは、本大会への残り時間を考えるとそう向上できないけど、走力や技術的な部分は向上できる。人数をかけて組織で戦うことが日本が上へ行ける道だ」という発言は、実に説得力がある。
 守備面は組織をもう一度立て直すべきだ。ギャンの2点目について「ボンバー(中澤)1人が悪いんじゃない。ゴールキックが出た時にボランチが挟めたかもしれないし、サイドバックが助けられる距離に行っていなかったのも問題。そういう細かいところを突き詰めるしかない」と中村俊輔が言うように、集中を高め、連係を再構築することが求められる。
 そして攻撃面も連動性で対抗することが肝要だ。「俊さん(中村俊輔)とオカ(岡崎)が作ってくれて、自分が走ってボールが来たシーン(前半15分)もイメージ通り。あれは誰にもコンタクトしてない。日本はああいうのを増やしていかないといけない」と中村憲剛も強調していた。

 世界との距離はまだまだ遠い。ワールドカップ4強という目標も全ての面でレベルアップしなければ不可能だ。それを実感できたことがこの遠征の最大の成果だった。選手たちにはオランダやガーナのすごさをつねに意識してクラブでプレーしてほしい。

以上

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■10月には国内で日本代表戦が3試合開催されます!
10月8日(木)19:20(予定)AFCアジアカップ2011 予選 vs香港@アウスタ
10月10日(土)19:20(予定)キリンチャレンジカップ2009 vsスコットランド@日産ス
10月14日(水)19:30(予定)キリンチャレンジカップ2009 vsトーゴ@宮城ス

★チケット情報を今すぐチェック!
http://ticket.jfa.or.jp/top.html
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