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【ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 清水】清水側レポート:所々で微妙に歯車が狂った清水が、アウェイで無念の完敗。国立でのリベンジの夢もついえる(09.09.07)

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9月6日(日) 2009 ヤマザキナビスコカップ
F東京 1 - 0 清水 (18:00/味スタ/22,181人)
得点者:16' 平山相太(F東京)
☆ナビスコカップFINALチケット情報
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 疲労の蓄積、故障者の増加、岡崎慎司の不在…清水にとってはタイミングの悪い時期に行なわれた準決勝だった。だが、それでも勝ちたい、勝ってチームの底力を見せなければいけないゲームだったが、結果はF東京に完敗。それだけに、試合直後に残ったのは、大きな喪失感と悔しさだけだった。

 長谷川健太監督は、勝つしかないこの第2戦で、ひとつ大きな賭けに出た。それは、攻守にある程度計算が立つ藤本淳吾ではなく、5月30日以来の出場となる永井雄一郎をFWとして先発起用したこと。狙いは、「先制点を取れるかどうかが非常に大きなポイントだったので、永井のスピードを生かし、一発に賭けたかった。永井は非常に経験のある選手だし、前半の頭から行った方が本人も入りやすいだろうと考え、先発から切った。それで行けるところまで行かせて、状況を見ながら次の手を考えたいと思っていた」(長谷川監督)というものだった。
 ただし、リスクもあった。攻撃では周囲との連携という部分で、守備では前線からの追い込みという面で、問題が生じる可能性があったが、長谷川監督としてはそれらも承知のうえで、永井の勝負強さに賭けた。
 だが、試合が始まってみると、やはり永井とヨンセンの距離が離れがちになり、2トップのコンビネーションという形はなかなか表れてこない。永井自身も良い形でボールを受けることができず、ヨンセンへのロングボールに対しては、そのこぼれ球も含めてF東京が厳しい対応を見せてきたため、セカンドボールを拾って攻撃を継続することができない。そのため清水は、前線で起点を作って攻撃のリズムを高めていくことができなかった。
 守備のほうでも、F東京に簡単に縦パスを通されてしまうシーンが多くなり、F東京の選手たちはそれをしっかりとキープし、周囲も素早くサポートしてサイドに展開していく。立ち上がりこそ清水がパスをつないである程度イニシアチブを握ったが、流れは徐々にF東京に傾いていきつつあった。

 そんな過程での16分、F東京が左サイドから攻め込み、羽生直剛が右足で速いクロスを入れると、ニアに平山相太が飛び込み、強烈なダイビングヘッドでゴールマウスを割られてしまう。発熱から復帰した青山直晃もタイトなマークを見せていたが、あれだけ速いボールをニアでピンポイントに合わされてしまっては止めようがなかった。F東京は、最初のワンチャンスを見事に生かして先制点を奪った形だが、先制点だけは絶対に与えたくなかった清水にとっては、本当に重くのしかかってくる1点だった。
 これで流れも完全に変わって、F東京は守備での清水対策を徹底させながら、マイボールのときにはしっかりとポゼッションして自分たちのリズムを作っていく。逆に清水のほうは攻撃のリズムが上がってこないまま。永井に対しても生きたボールが入らない状況は変わらず、期待された一発を発揮するチャンスすらなかった。
 この状況を何とか変えなければいけないと感じた長谷川監督は、前半42分という時間で、永井に代えて藤本をFWとして投入。前半のうちに少しでも流れを変えようとしたが、それにはあまりにも時間が短すぎた。

 だが、1点を返して同点に追いつけば、逆にF東京が浮き足立って、流れが変わる可能性も十分にあった。それを目指して後半に仕切り直しを図った清水は、ヨンセンが頭で流したボールに藤本が飛び出すという形も出てきたが、F東京のヨンセン封じに緩みが生じることはなく、逆にヨンセン自身が消耗して、蓄積した疲労による影響が出始めてしまう。ならばサイドからということで、ボランチや最終ラインへのプレッシャーはそれほど強くなかったため、サイドチェンジを意識しながらサイドからの攻略を図った。
 しかし、それに対しても、F東京は分析の成果を見せる。右サイドバックの市川大祐、左サイドバックの太田宏介の攻撃参加に対して、縦のスペースを消すと同時に、利き足でクロスを蹴らせないという対応を徹底され、市川も太田も深い位置まで入ってクロスを上げるというシーンをなかなか作ることができない。それでもアーリークロスを入れることはできたが、ゴール前の守備は人数も多く、とくにヨンセンには厳しく対応されてノーチャンス。F東京のボランチがクロス対応に参加することが多かったため、セカンドボールを拾うチャンスはあったが、それを生かせなかったことも残念な部分だった。
 いつもは清水が相手チームに対して行なっているような守り方を、逆にやられたような形だったが、運動量という面でも苦しくなっていた清水は、選手同士が追い越しあってサイドを崩すという形を作れない。焦りからかイージーミスも増え始めて、なかなかチャンスを作れないまま時間だけが経過していき、さらに焦りが増していく。先制点を奪われたことで、完全に相手の術中にはまってしまった。

 後半11分に青山が右膝を痛めて、平岡康裕と交代せざるをえなかったことも、清水にとっては非常に痛いアクシデント。青山は重症の可能性もあり、月曜日に精密検査をする予定だが、非常に心配されるところだ。
 これで残った交代のカードは1枚となり、25分に伊東輝悦に代えて191cmの長沢駿を投入し、残り時間が少なくなるにつれてパワープレーが多くなっていった。だが、長沢はパワープレーで持ち味を発揮するタイプではなく、F東京に佐原秀樹(35分)、平松大志(41分)と2人の守備要員を投入されて、これも効果を発揮しない。
 結局、清水のシュート数は、前半2本、後半4本に抑えられ、ヨンセンのシュートは0本。思惑通りにF東京に守りきられ、国立で昨年のリベンジを果たすという夢は絶たれてしまった。
 清水にとっては、さまざまな意味で本当に悔しい敗戦。だが、もう一度試合をやり直すことはできない。この悔しさを、今後の成長につなげることができるかどうかが、チームとして問われるところだろう。

以上

2009.09.07 Reported by 前島芳雄
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