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【J2:第38節 鳥栖 vs 福岡】福岡側レポート:鳥栖との九州ダービーで1勝も出来なかったのは初めて。チーム力の差と屈辱を味わされた1戦。(09.09.07)

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9月6日(日) 2009 J2リーグ戦 第38節
鳥栖 3 - 1 福岡 (19:03/ベアスタ/10,606人)
得点者:8' 大久保哲哉(福岡)、53' 高橋義希(鳥栖)、80' トジン(鳥栖)、83' ハーフナーマイク(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch183 9/7(月)15:00〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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 サガンブルーのユニフォームを身にまとい、久しぶりにアビスパサポーターの前に姿を現したホベルトは、その凄味をさらに増していた。後半からピッチに登場していきなり見せた鮮やかなサイドチェンジ。その1本のパスはスタンドにどよめきを呼び、そして、前半は全く戦えなかった鳥栖の選手たちを目覚めさせた。
 たった1人で中盤のバランスを整え、攻撃の起点を作るホベルトのプレーは、鳥栖の攻撃陣から守備の負担を取り除いた。そして、トジン、ハーフナー・マイクに加え、高橋義希、高地系治、島田裕介、さらには両サイドバックまでもがゴール前へと駆け上がる攻撃は、分かっていても止められない。その勢いに耐えきれずに53分に同点に追いつかれると、終盤の80分、83分にも失点。必勝を期して臨んだ九州ダービーだったが、結果は1−3。相手の力を認めざるを得ない完敗だった。

 ホベルトにやられたという思いは強い。しかし、プレーのひとつひとつを見ていけば、現在の福岡と鳥栖の間にチームとしての差があったことは確かだ。篠田善之監督は「攻撃と守備において、少しのところの差でこの順位になっていると思う」と今シーズンの九州ダービーを振り返ったが、それは少しに見えて非常に大きな差。前回の対戦に引き続き、いい内容の試合をしながら、結果は1−3という敗戦を繰り返さざるを得なかったことが、それを物語っている。
 陣取り合戦でもあるサッカーでは、どんな相手と戦っても、90分間の中には自分たちの時間帯もあれば、苦しい時間帯もある。その流れをコントロールしながら90分後に勝利を挙げるのが強いチーム。それが出来るチームが勝者となり、出来ないチームが敗者となる。この試合も、そういうゲームだった。

 この日、両チームを通して別次元とも言える存在感を示したホベルトを除けば、福岡の選手たちが個々の技術で鳥栖に劣っていたわけではない。そして、選手たちはその力をフルに発揮した試合でもあった。それが余すことなく発揮されたのが前半。丹羽大輝は巧みな駆け引きでハーフナー・マイクに全く仕事をさせず。立ち上がりからフルパワーで走り回る田中佑昌は柳沢将之の上がりを完全に抑え込んだ。そして島田にほとんど仕事をさせなかった。高い位置からのプレスとセカンドボールを支配する福岡の前に、高橋義希と高地は低い位置にとどまるだけ。前半は、試合内容では福岡が圧倒するものだった。

 しかし、それでも結果は完敗。その要因は、福岡と鳥栖の間にあるチームとしての総合力の差と言える。最も痛感させられたのはチームとしての厚みだ。ホベルトが特別な存在だったとはいえ、鳥栖が選手交代でチームを活性化することに成功したのに対し、福岡には交代で流れを変えられるだけの力と策がない。これは、この日の試合に限ったことではなく、今シーズンを通した戦いの中から感じられる福岡の問題点。少数精鋭主義で全員の力でリーグ戦を乗り切ることを前提にシーズンをスタートさせたにもかかわらず、それぞれの選手の特長を活かしきれていないのが現実だ。
 また、前半はいい戦いが出来ても、後半になると相手の出方に対応できずに後手を踏むのが、福岡のいつものパターン。そして、精神的にも、フィジカル的にも疲労が重なり、勝負どころで集中力を切らして失点するのが常だ。そして、この日も同様のパターンだった。

 38試合を重ねてもなお同じことが繰り返される現実。しかも、絶対に勝たなければならない鳥栖との九州ダービーでさえも、同じことが繰り返された現実。その事実は重い。そして、現時点では出来うる限りのパフォーマンスを発揮したにもかかわらず、鳥栖の前に完敗を喫した悔しさは、これまでの九州ダービー史上で最も屈辱的な思いをさせられた前回対戦時をも上回るものだった。結局、鳥栖との九州ダービーで1勝も出来なかったのは九州ダービー史上初。ただ、ただ悔しさだけが募る。
 今シーズンは、その悔しさを鳥栖相手に晴らすことはできないが、残された13試合に、この思いをぶつけて変わった姿を見せることが福岡のやらなければならないこと。ここまで同じことを繰り返して38試合を消化したが、どこまで変わった姿を見せられるのか、それが福岡に問われている。

以上

2009.09.07 Reported by 中倉一志
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