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【J2:第38節 徳島 vs 東京V】レポート:試合内容を制したのは徳島の攻守における組織力。しかし、勝負を決めたのは大黒将志の個人能力。徳島、リベンジならず。(09.09.07)

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9月6日(日) 2009 J2リーグ戦 第38節
徳島 0 - 1 東京V (18:34/鳴門大塚/4,497人)
得点者:79' 大黒将志(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 9/7(月)20:00〜(解説:田渕龍二、実況:高松良誠、リポーター:藤原美佳)
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試合の主導権を引き寄せるのは組織の力、しかし勝負を決定付けるゴールを奪うのは個の力─。この一戦を一言で表すならそんな表現になるのではないだろうか。
確かに前回対戦のリベンジに燃える徳島はアグレッシブなプレーで90分のほとんどを支配し、数多くのチャンスを作ってフィニッシュも放った。そのチームとしての戦いぶりは「今日の敗戦は恥じることのない敗戦ではないかと思っています」という美濃部直彦監督の言葉がそのまま当てはまる高評価のものだったと言えよう。ただ、決勝点となったこのゲーム唯一のゴールを挙げたのは、圧巻の個人決定力を見せた大黒将志。アウェイ用の白いユニフォームを纏った男であった。

前記の通り、試合は序盤から徳島がペースを握る。前線の羽地登志晃、キム ドンソプが足元へ入ってくるボールをしっかりと収めて起点となれば、両翼の麦田和志と六車拓也も果敢に高い位置へと進出。サイドの優位を作り出した。またこの日の徳島は3人目の動きとそこを使う連携に冴えを見せる。2トップのどちらかにくさびが入る時にはもう一人と2列目の徳重隆明らが素早く動き出してフォローし、たびたび東京Vの守備陣を混乱させるシーンを披露していたと言えるだろう。

しかし、そうした充実のパフォーマンスで立ち上がりから幾度ものチャンスを作りながら、徳島はことごとくその好機をモノに出来ない。7分に見せたトリッキーなFKからの青山隼のシュートがクロスバーに嫌われれば、11分、12分と立て続けに流れの中から抜け出た羽地のシュートはいずれも完全なヒットにならず。さらに34分には麦田のセンタリングを羽地が三度目の正直とばかりに得意のヘディングで捉えたがこれもポストを直撃…。ホームスタジアムは前半から何度ものため息に包まれた。
そしてそのような展開は後半も続く。挽地祐哉の縦パスを受け鋭く反転したキム、キムのポストプレーの落としに走り込んだ徳重、自ら中央へドリブルで割って入った六車と、徳島は次々にシュートを放つがそのどれもがネットを揺らすことはなかった。

すると、「ひとつのチャンスを決められて負けてしまうことはサッカーの中では多くあること(美濃部直彦監督)」だが、まさにそれが現実となってしまう。79分、徳島は自陣左サイドへ東京V・福田健介に侵入され折り返しを許すと、ゴール正面で飛んだ大黒に高い打点のヘディングをねじ込まれ結局決勝点ともなる先制点を奪われた。
が、このゴール、決して徳島守備陣が責められるものではなかったことを付け加えておきたい。もちろん防ぐことが全く不可能であったかと言えばそうではないだろうが、それ以上に大黒の個人能力、決定力を賞賛すべきだろう。福田がセンタリングの体勢に入ると見るや彼は中央からわざと大外へ。最後に勝負したい場所を一度離れた上で、もう一度助走を取ってそこへ入ってきたのだ。だからこその高いジャンプと強いインパクト。激しい消耗の出る時間帯でもなおそうしたプレーができるのは、さすがW杯の舞台も踏んだ元日本代表と言う他ない。

こうして内容でこそ厳しい戦いを強いられながら結果を手にしたのは東京V。7試合ぶりの勝利を挙げたチームはようやくトンネルを脱したと言えるだろう。とはいえ、この一戦でもまだ高い技術を持ったピースの揃う東京Vらしからぬミスが目立ったのは事実。特にラストパスとしてゴール前へ送り込むクロスの精度には次節までの早急な改善が必要となろう。

対して徳島だが、冒頭にも述べたように、敗れはしたもののチームの出来としては十分合格点が与えられる。18本も打ちながら決められなかったフィニッシュへの課題は残るものの攻撃は説明した通り活性のある内容であったし、守備面でも前への意識を持った積極性が大いに感じられた。しかもそのいい守備がいい攻撃へと繋がっていたのは何よりの収穫ではないだろうか。
それだけに、もちろん5試合勝利なしという今の状況は非常に苦しいが、次節の四国ダービー今季最終戦(アウェイ)には期待していいように思われる。そして「今のこういうチーム状態だからこそいいタイミングでダービーが来たなと思っています」と指揮官は語ったが、徳島は次節こそ内容だけに終わらず、必ず好転のキッカケとなる勝利という結果を掴まなくてはならない。

以上

2009.09.07 Reported by 松下英樹
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