9月6日（日）J2 第38節 鳥栖 vs 福岡（19:00KICK OFF/ベアスタ）
スカパー！生中継 Ch182 18:50〜（解説：乾眞寛、実況：南鉄平、リポーター：ヨンヘ）
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☆福岡側プレビューはこちら

残り試合数が少なくなっていくとともに厳しくなってくる昇格の可能性。
大事な試合が続く中での累積された警告枚数。
ケガや出場停止などで止むを得ない人選や戦術の変更。
今節までのパフォーマンス。
監督はじめ、選手たちはさまざまなプレッシャーと戦いながら、一試合一試合をこなしていく。
そして、これらのプレッシャーに今節は『九州ダービー』というプレッシャーが加わる。

相手があってこそ成り立つ競技ではあるが、かかるプレッシャーは当人たちにしか分からない。
置かれている順位に大きな差が付いてはいるが、鳥栖と福岡の選手たちは“負けたくない”という気持ちは同じである。
今季の最後となる鳥栖対福岡の『九州ダービー』は、１９時キックオフにベストアメニティスタジアムで行われる。

鳥栖は、今季の成長著しいセンターバック渡邉将基が出場停止となる。
第２クールの躍進を支えたＦＷ山瀬幸宏は、今節もメンバー入りには間に合わなかった。他にも第２クールの快進撃の裏側で、コンディションが万全でない選手もいる。
それでも、鳥栖の狙いは一貫している。
「前からプレッシャーをかけてボールを奪い、先制点をあげて勝つ」（岸野靖之監督／鳥栖）ことだ。
直近の試合では、鳥栖らしいプレスがかからずに苦戦する時間帯が長い。相手も、試合を重ねるごとにまとまりを見せ、戦術戦略が固まってきたこともある。また、補強や選手の成長で、思わぬ力が加わったチームもある。“勝ちたい”という気持ちが鳥栖を上回っているからかもしれない。そして、前述したプレッシャーが加わり、本来の力が出せなかったことも大きな要因かもしれない。
それらの“外圧”を受けながら、鳥栖は福岡を迎え撃つ。

福岡は、直近５試合を１勝３分１敗と実にしぶとい戦い方を見せている。第２７節までさかのぼると１１試合でわずかに２敗しかしていない（４勝５分２敗）。今季の対戦戦績は、鳥栖の１勝１分ではあるが、そんなものは今節においては全く関係ない。ただ、勝つのか負けるのか・・・その１点だけに絞られる。

第２クール以降、鳥栖は左サイドからの攻撃に良い形が見られている。
ＭＦ島田裕介がボールに絡む回数が増えて、ＦＷへのボールの供給パターンが実に豊富になった。ＦＷハーフナーマイクも、対戦相手に研究されつつも、得点すれば無敗の神話が続いている。途中交代で入ってくるＭＦ山田卓也は、間違いなくチームにパワーを与え、攻守においてその存在を示している。ＦＷトジンも、相手に与える脅威は以前より増した。
今の鳥栖は、プレスが思うようにかからずとも、９０分間で勝点３を取る術を心得ている。
文字通りの総力戦で、第３クールを２勝１分でこなしている。これも、前述したプレッシャーを克服した証である。
その証を今節も期待したい。
「内容が伴わない時でも、最低が勝点３の結果を得る」（岸野監督／鳥栖）ことが、一番重要だとみんなが分かっている。
それが、今の鳥栖が置かれている立場であるし、そこに突き進んでいかないと今季は終わってしまう。
今、私たちにできることは、そんなプレッシャーを受けている選手やスタッフを応援することしかない。
６日１９時からのベアスタは、その想いが満ち溢れた坩堝と化しているに違いない。

勝負とは、目の前の相手に打ち勝つことを求められるもの。
その期待にこたえる前に、アスリートは己に降りかかるプレッシャーに打ち勝たないといけない。
その精神力は、見ている我々の想像をはるかに超えるものに違いない。
流れる汗、溢れる涙、歓喜の雄たけび、そして試合後の達成感。それら全てが勲章であり、プライドでもある。
私たちも一緒に、その勲章とプライドを掲げよう。
その権利を有することができるのは、勝利を信じ、選手たちを後押ししたものだけに与えられる特権でもある。
サッカーの魅力は、絶えることがない。

以上


2009.09.05 Reported by サカクラゲン